米国の商品先物取引委員会(CFTC)は、同委員会における2024年までの戦略計画を最終決定した。8日、公式ホームページで発表した。

本計画は5月に全会一致で承認され、30日間のコメント期間を経て6月に終了したものだ。

天秤
(画像=月刊暗号資産)

CFTCは主に以下5つの戦略計画を立てており、それぞれに明確な目標が設定されている。

  • デリバティブ市場を育みながら、市場の回復力と完全性を強化する。
  • 米国の全ての人が利益を生み出すことができるようにデリバティブ市場を規制する。
  • 国内外の市場参加者のためにイノベーションを促進し、規制への対応を高めていく。
  • 規制に従わない者には厳しく対処する。
  • 独自のミッションに焦点を当て、業務の有効性を向上させる。

上記に掲げられた戦略計画の詳細な規制部分では暗号資産に関しても言及されており、暗号資産を「21世紀のコモディティ」と定めた上で、「デジタル資産における責任あるイノベーションを促進するための全体的なフレームワークを開発する」と記載されている。

CFTCの委員長Heath P Tarbert氏は戦略計画について「これは超党派のコンセンサスを得た計画であり、CFTCの未完業務を完成へと導く」と語っている。

また戦略計画書類の作成に関しても触れ、「従来のような数十ページにわたる分厚い戦略計画とは違い、10ページ以下に戦略計画を収めることができたことを特に嬉しく思う」と述べた。

CFTCは先物取引やオプション取引全般を規制する政府機関で、詐欺や市場操作などの不正行為を管理している。Tarbert氏は過去にSEC(米証券取引委員会)との権限の違いやそれぞれの重要性についてインタビューで語っているが、今回の戦略計画でもCFTCとSECが協力しながら規制に取り組む姿勢を見せている。

同氏は先日登壇したイベントで、「SECが暗号資産を証券かどうか決定できる」と述べた上で「証券ではないと彼らが判断したのであれば、我々がコモディティ先物として審査し、承認することができる」と語り、SECによる明確な定義づけが重要だと説明した。

なお、Tarbert氏は過去にも暗号資産に特化した規制を制定するよりも、広義の原則に基づいた金融規制を提供し、業界を発展させるためには少ない規制で管理することが必要であるとの意見を示している。(提供:月刊暗号資産