暗号資産ビットコインの採掘難易度(ディフィカルティ)が13日、9.89%の大幅上昇を見せ、過去最高の難易度となる17.346T(テラ)となった。
暗号資産関連データの分析等を行うBlockchain.comによると、ビットコインのハッシュレートは今月8日に一時125.99TH/sに到達した。なお、過去最高値は今年3月8日に記録した123.28TH/sだ。
ビットコインの採掘難易度とはブロックを生成する際にかかる難易度のことだ。
ビットコインは10分に1度ブロックが生成される仕組みになっており、生成にかかる平均時間が10分になるよう、約2週間に1度のサイクルで難易度が調整される。
過去2週間の間にブロック生成時間が10分を下回るようであれば採掘難易度が上昇(難化)し、逆に10分以上かかるようであれば下落(易化)する。
採掘難易度が上昇したということは、「マイナー」と呼ばれるビットコインの採掘者が増加していることを表しているため、ビットコインのネットワークが堅牢かつ安全な状態になっていると言える。
ビットコインは今年5月、マイナーの報酬が半減する「半減期」を迎えたため、マイナーの撤退によるビットコインのネットワーク低下を懸念する声も挙がっていた。
実際、半減期前の3月に過去最高のハッシュレートを記録したこともあり、直後の採掘難易度は大幅な下落率となる-15.95%を記録。また半減期後の6月5日にも-9.29%の下落を見せるなど、今年のビットコインのハッシュレートは半減期の影響を意識した推移をたどっている。
今回ハッシュレートが上昇した要因については、地域によって安価に電力が利用できる季節に入っていることや、ASICマシンの性能向上が原因ではないかとの意見もある。
ビットコインのハッシュレートと価格は完全な相関性があるとは言えないが、マイナーの増加はビットコインネットワークの信頼性が高まることと同義なため、需要や価格にプラスに働く傾向にある。
現在、ビットコインの価格は90万円台後半から100万円台前半を推移している。(提供:月刊暗号資産)