フランスの中央銀行であるフランス銀行は20日、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の実証実験をするために8つの金融機関を選んだ。20日、フランス銀行が公式サイトで明らかにした。
フランス銀行は5月、同国のメガバンク「SOCIETE GENERALE」がブロックチェーン上で発行したデジタル金融証券の試験運用に成功したと発表している。
今回、5月の試験運用に続きフランス銀行は、CBDCの開発に協力をする企業を募集。審査の結果、以下の8つの金融機関が選定された。
- Accenture
- Euroclear
- HSBC
- Iznes
- LiquidShare
- ProsperUS
- SEBA
- Societe Generale Forge
上記のSEBAやLiquidShareは暗号資産関連企業である。
今後フランス銀行は、この8つの金融機関と数ヶ月にわたってCBDCの実証実験を行うという。
フランス銀行の発表によると、「中央銀行の資金に対して金融商品(暗号資産を除く)を交換する新しい方法の調査」「中央銀行発行のデジタルマネーの規制をテストし、国境を越えた支払いの模索」「中央銀行が発行する資金を利用可能にする方法を再検討する」とのことだ。
また、今回フランス中央銀行が行う実証実験で重点を置くのは消費者や企業向けの「リテール型」ではなく、銀行間取引の「ホールセール型」の研究であるという。
欧州でCBDCの開発を先導しているフランス銀行によると、あくまでも「CBDCを作成するという決定はユーロ全体の問題」であるとしている。「共通通貨」としてのCBDC導入については、欧州連合全体で検討していくとのことだ。
フランスは今年3月、市場インフラ、金融政策、マクロ経済要素、法的・規制的枠組みにCBDCがもたらす可能性がある影響を検討すると明らかにした。そのため、民間金融機関の協力を要請していた。
要請の中でフランス中央銀行は、協力する機関は必ずしもブロックチェーンベースのCBDCを開発する必要はないとしていた。だが、「革新性は選考基準となる」と述べている。
フランス銀行は今年3月、7月までに最大10の協力金融機関を選定するとしていた。(提供:月刊暗号資産)