オーストリアの大手通信事業者であるA1は27日、自社ペイメントサービスである「A1 Payment」が暗号資産決済に対応したと発表した。

暗号資産決済サービスなどを手掛けるSalamantex(サマンテックス)が今月3日に先行して同様の発表を行っているが、今回の発表はA1にとって正式なものになる。

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(画像=月刊暗号資産)

今回の暗号資産決済導入はSalamantexとのパートナーシップによって実現し、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、様々な暗号資産で決済を行うことが可能となる。

現時点で、上記2銘柄以外で決済対応銘柄とされているはダッシュ(DASH)、ライトコイン(LTC)、リップル(XRP)、ステラ(XLM)だ。

A1によると、支払いに用いた暗号資産がリアルタイムでユーロに変換され、店舗はユーロを受け取る仕組みになっているという。これにより為替レートの心配や暗号資産の管理に関するリスクを排除でき、なおかつ暗号資産に関する知識が必要ないとA1は説明し、店舗が暗号資産決済を導入する際の障壁が低いことをアピールした。

また、現金やクレジットカードなどを用いた従来の決済手段に加えて暗号資産決済を導入したことにより、顧客の多様なニーズに対応できるだけでなく、オーストリア全土の企業がデジタル化および暗号資産の普及による恩恵を受けることができると期待感を示した。

A1は昨年同システムを導入し、7店舗で実証実験を実施。パートナーであるSalamantexが発表したプレスによれば、「高いセキュリティ基準を満たしクレジットカードと同様に決済が行える点から、デジタル世代のニーズに対応している」とし、たしかな需要を検証することができたようだ。

オーストリアは現金思考の強い国だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い環境に変化が生まれている。

オーストリア政府としてもキャッシュレス決済を推進する姿勢を見せているこことから、今後、同国内で利用が拡大していく可能性がある。

なおA1は今後の展望に関して明言していないが、Salamantexが周辺諸国で同様のサービス展開を計画していると明らかにしている。(提供:月刊暗号資産