一戸建てのモデルハウスとして住宅展示場があるように新築マンションにもマンションギャラリーが用意されています。マンションギャラリーは購入者向けの施設ですが、見学すればオーナーにとっても賃貸経営のヒントが見つかるかもしれません。本記事ではマンションギャラリーの見学を賃貸経営のヒントに生かすチェックポイントについて紹介します。
シアターで全体のコンセプトを知る
マンションギャラリーのほとんどは売り出し物件から近い場所にあることが多いため、予約したうえで来場することが一般的です。エントランスに入ると受付でアンケートの記入を行うことが多いですが、アンケートは強制ではありません。しかし記入したほうがこちらの希望に沿った条件で話を進めてくれる可能性があるでしょう。
エントランスには物件全体のイメージが分かるようなジオラマが展示されている場合があり、営業担当者がジオラマをもとに共用部などを説明してくれます。大規模物件のマンションギャラリーでは、一般的にシアターと呼ばれる部屋でマンション全体のコンセプトを紹介する動画を鑑賞します。主に「駅から徒歩何分など物件の位置関係」「買い物をはじめとするレジャー施設の紹介」など周辺環境を知ることができます。
また部屋の設備や共用施設も紹介されるため、マンションの全体像を確認するのに最適です。一棟マンションの建設を計画しているオーナーであれば物件のコンセプトづくりの参考になるでしょう。
最新設備はしっかりチェックする
メインになるモデルルームの見学では、最新設備機器のチェックが重要になります。チェックする際に大事なのは、自分が入居者の立場に立って「使い勝手がどうか」という生活者目線で見ることです。例えば以下のような内容を押さえておきましょう。
- キッチン台の高さはどうか
- サニタリールーム(トイレや浴室、洗面所などの衛生空間)の広さが十分か
- 照明スイッチの高さがちょうどよいかなど
動かせるものは実際に試してみると、より使い勝手を実感できます。ここで注意したいのは、展示されている設備には「標準装備」「有償オプション」の2種類があることです。気になる設備があったら、価格も含めて営業担当者に遠慮なく質問しましょう。設備・機器のパンフレットがあればもらっておくと、自分の物件で導入するときの参考になります。
モデルルームでは、床のフローリングやドアも何種類か色別に壁や床に展示されているため、自分の物件と照らし合わせればリフォームの際の参考になるでしょう。また重要なセキュリティ機器についても担当者に確認すれば、自分の物件に生かせるヒントが見つかるかもしれません。マンションギャラリーの規模によっては、2タイプの部屋を見学できる施設もあります。
オーナーが参考のために見学するなら、2タイプ見学できる施設を選んで出かけたほうが効率的です。
気になった点はコンシェルジュに確認する
マンションギャラリーにはコンシェルジュと呼ばれる知識豊富な専門スタッフが常駐しています。分からなかったり気になったりする点をコンシェルジュに確認すれば、専門的なことも丁寧に教えてもらえるでしょう。渡された間取り図と実際のモデルルームが違っている場合は、遠慮なく質問して疑問点を解決することが大切です。
規模の大きなマンションギャラリーでは専用のコンシェルジュデスクが用意されている場合があるため、詳しい話を聞きたい場合は利用するとよいでしょう。立ち話では聞きにくいこともじっくり聞くことができます。例えば「マンションが建つ前は何の施設だったのか」という点は押さえておきたいポイントの一つです。
もし建築前の施設が工場だった場合、業種によっては地中に有害物質が滞留しているリスクがあります。さらに以下のポイントも確認しておきたい主な項目です。
- 建物の向き(南向きが人気)
- 周辺建物との位置関係(日当たりに影響)
- 学校や病院、スーパーなどとの距離(利便性)など
VR体験でラウンジや共用部分をチェック
ラウンジや共用部分は展示せずに、VR(バーチャルリアリティ)で体験してもらうシステムのギャラリーもあります。部屋にはそれぞれ特徴がありますがラウンジや共用部分は誰もが共有できるため、共用施設を購入のポイントとして重視している入居者もいるかもしれません。VR体験をしておくことで、今後自分の賃貸物件で導入するかどうかの参考にもなるでしょう。
空室が長期化し早めに入居者を見つける対策の一つとして、内覧する部屋をモデルルームのように見せる「ホームステージング」という手法があります。かなり費用はかかりますが、同じ内容を実物の家具を置かずに、VR技術で演出する「バーチャルホームステージング」という手法を使えば大幅にコストダウンが可能です。
VRを体験したことがないオーナーは一度マンションギャラリーで体験しておくとよいでしょう。基本的に入場する際はアンケートを記入する必要があるため、「あまり頻繁に訪れるのはわずらわしい」と感じるオーナーもいるかもしれません。しかし年に一度はマンションギャラリーを見学して賃貸経営に生かせる最新トレンドを確認してみることも大切です。
※本記事で紹介したマンションギャラリーの内容は一般的な例であり、施設によっても異なるため参考程度に検討してください。(提供:Incomepress )
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