日々是相場 -夕刊- 2020年8月28日(金)
日経平均 22,882.65 円 ▼ 326.21 円
≪東証一部≫
売買高 16億6,610万株
売買代金 2兆8251億4300万円
値上り銘柄数 568 銘柄
値下り銘柄数 1,543 銘柄
騰落レシオ(25日) 91.99 % ▼ 6.17 %
為替 1ドル=106.03 円
☆ 市況概況 ☆
安倍首相退陣を嫌気して大幅安!!
米国市場はまちまちだが、為替が円安となったこともあり、堅調な始まりとなった。ただ、寄り付きからの買い戻しが一巡となると上値が重く、今度は下値を試す動きになった。結局前場は方向感に乏しく、堅調ながらも上値の重い展開となった。
昼の時間帯は買い戻しも入って堅調となり、後場に入ると一段高となった。ただ、週末の手仕舞い売りも多く上げ幅を縮小、その後安倍首相退陣のニュースが伝わるとそこから一気に700円程度日経平均が急落となった、その後は買い戻しもあって下げ渋る場面もあったが、買えない状況には違いないということやヘッジ売りもあって大幅安となった。
小型銘柄も手仕舞い売りに押されるものが多く総じて軟調となった。東証マザーズ指数や二部株指数、日経ジャスダック平均は揃って大幅安となった。先物もまとまった売り買いは少なかったのだが、安倍首相退陣のニュースで一気に売られ、いったん売り目線になるとまとまった買い戻しが入ると絶好の売り場とばかりに上値も重く、指数を下押す要因となった。
買い気に乏しい週末に大きなニュースが伝わり大幅安となった。アベノミクスの終焉ということで、安倍政権が発足してから上昇が始まった相場もひと相場終わったということなのだろう。実際には特に何が変わるということでもないのだろうから、業績面からの見直し買いが見られるのではないかと思う。売られ過ぎ銘柄は買われ、買われ過ぎ銘柄は売られることになるのだろう。
☆ テクニカル分析 ☆
日経平均
一気に25日移動平均線や基準線のサポートを確認することになった。当面底堅さを確認するような動きになるのだろう。
☆ あれやこれやと一言 ☆
安倍首相が退陣するとのニュースが伝わったが、大きな災禍があると政権が代わり、株式市場も波乱となるということではないかと思う。東日本大震災の時も当時の民主党政権の弱体化に拍車をかけ、政権崩壊につながり、株式市場も低迷した時期となった。
また、リーマンショックもあったが、前回の安倍政権の時も小泉長期政権が終わり、安倍首相の退陣から始まって、政権がころころ変わるなかでリーマンショックが起こり、政局の混乱と株価の暴落が起きたということでもあり、特に新型コロナウイルスの感染拡大が一服となったとは言え、終息したわけでもない中での政局の混乱は株式市場にも影響があると思う。
米国株もバブルの様相を呈し、物色銘柄に変化が見られそうだが、日本市場でもこれまで指数を牽引した銘柄など買われ過ぎ銘柄からいわゆる「バリュー株」に本格的に物色対象が変わるのではないかと思う。低PBR(株価純資産倍率)銘柄を中心に売られ過ぎ銘柄の修正高は期待されそうだ。
目先的な需給だけの相場から実際に業績面での裏付けがあるかどうかなどを気にすることにもなりそうで、業績が底入れしそうな銘柄でまだ株価の上昇が見られないような出遅れ銘柄に妙味があるのではないかと思う。いずれにしても政権や金融政策も含めて「変化」がキーワードとなってきそうだ。
(提供:Investing.comより)
著者:清水 洋介