事業承継という言葉をご存じだろうか。一言でいえば、会社を引き継ぐこと。しかし、中小企業の多くが後継者不在で頭を抱えている。だが、中小企業の世界にもM&Aの手法が普及し始め、今や後継者が親族や社内にいなくても事業承継することができる。さらにコロナ 禍以降、「いつ死ぬか分からない」という切迫感から、事業継承という問題に向き合う高齢の経営者も多い。そこで、Zuu Onlineでは特集「徹底解説 上手に事業承継する方法」と題して、お得に事業承継するノウハウをご紹介しよう。第1回の今回は、「こんな社長が会社を倒産させる」だ。

悲惨で他人に迷惑をかける倒産とは

経営者,相続
(画像=xiangtao / pixta, ZUU online)

「当面の生活費という名目で99万円しか残してもらえないらしいぞ。え?月に?違うよ。総額で99万円なんだって」

ある中小企業経営者は、同業者の集まりの中でこんな話を聞いてゾッとした。というのも、この経営者が営む会社もコロナ禍で売上が大幅に減少、決して人ごとではなかったからだ。

また、最近では技術の進歩についていけず、会社を維持していくので精一杯だった。従業員たちのことを考えると会社は潰したくないが、子どもは女の子ばかり。結果的には、誰も後継者になることはなかった。そこで悩んだ経営者は、長らく世話になっている税理士を訪ねた。