米国初のSTOによるIPO(新規株式公開)で資金調達を行った暗号資産スタートアップ企業のINX Limitedが、SEC(米証券取引委員会)の課した最小オファリング要件(最低調達額の要件)である750万ドル(約8億円)を突破したことを発表した。10日、同社がプレスリリースで発表した。

INXによると、発売初日から3日間で3,000人以上がトークンを購入したという。提供価格は1トークンあたり0.9ドルで、最低投資額は1,000ドルであった。

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(画像=Shutterstock)

2017年に設立されたイギリス領ジブラルタルを拠点とするINXは、2018年に初めてIPO計画を明らかにし、2019年8月にプロジェクトの草案をSECに提出し認可が下りるのを待っていた。

INXは先月20日にSECからIPOの認可が下り、25日には米史上初の「SEC登録セキュリティトークンIPO」を実施。その際、SECはINXが目標としている最大1億1700万ドルのうち最初の750万ドルの発行を暗号資産(仮想通貨)ではなくドルで調達することを要求していた。そのため、今回の調達額は全て「米ドル建」で取引されたことになる。

SECが設定した750万ドルは、プラットフォームの開発や暗号資産の受け入れを入れるための最低基準であるという。

IPOの要件を満たしたことにより、今後は暗号資産でのINXトークンの購入も可能となった。

今回、750万ドルの最低額が満たされたことで、INXは14日にトークンの支払い手段として暗号資産や法定通貨の受け入れを開始した。 取り扱い通貨は、ビットコイン、イーサリアム、米ドルの3種類だ。

INXはIPOで集めた資金を、暗号通貨、セキュリティトークン、デリバティブの規制取引所である「INX Trading Solutions」の開発継続に充てる予定だ。

海外メディア「DIGITAL SECURITIES」では、INXの資金調達の成功について「IPOとして構造化され、SECによって規制されているということは、これら暗号資産のセキュリティトークンへのアクセスが、もはや認定された投資家だけに限定されていないことを意味する」「今回の成功は、これらの浸透していないトークンを一般の人々が購入し、保有するきっかけとなる」と分析している。(提供:月刊暗号資産