ストレスフルな現代社会、週末は雑踏を抜け出し、静寂なプライベートスペースを所有する贅沢、それは特別な時間ではないでしょうか。誰にも邪魔されることなく、至極の空間を創り出すことも可能です。別荘を購入するのではなく、山を丸ごと購入して自分だけの世界を創造する。山を購入することによるメリットなどをご紹介します。

目次
ひと昔前は「山を持っている=お金持ち」だった
山を買うことで得られる癒しの空間
現在の山の相場と購入する際の注意点
移住・自給自足、そして事業としての可能性を持つ山
まとめ:山を購入して、自身のスタイルに合った活用方法を

ひと昔前は「山を持っている=お金持ち」だった

山
(画像=iriana-shiyan/stock.adobe.com)

ひと昔のバブル全盛期、「山や別荘地を持っている人はすごいお金持ち」、というイメージがありました。しかし、現在では山の地価が下落しており、驚くような安い値段で購入できるようです。

別荘地の地価も下落しています。中古の別荘などは、耐用年数が経過し減価償却が終了しており、建物の価値は100万円未満といった物件も多いようです。

別荘の場合、土地の上に建物が建っていることによって、土地が宅地として取り扱われることもあります。そのため、宅地評価としての固定資産税が課せられます。もちろん別荘の建物部分にも、固定資産税は課税されます。そのため、減価償却が終了している古い建物でも、固定資産税は思ったほど安くはなりません。その理由は、固定資産税の課税標準は再調達価格(その物件をその時点で再調達したらいくらかかるか)で計算されているからです。

別荘をセカンドハウスとして認められた場合は、税制の優遇措置を受けられますが、認められるには条件があり、そのほかにも税金が課せられることを考えると、別荘を持つことのメリットはあまり大きくないのではないでしょうか。このようなコスト的な条件も、山林を購入する人が増加する一因となっているようです。

山を買うことで得られる癒しの空間

山そのものを購入する場合、山林として取り扱われます。ですので、別荘と比較しても固定資産税はかなり安くなります。詳しい内容は後述しますが、もしかしたら、こぢんまりとした別荘を購入するよりも、広大な森林や美しい景色があり、さまざまな活用方法がある山を購入するほうが魅力的といえる状況は整ってきています。

最近ではSNS等の広がりもあり、空前のキャンプブームが到来しています。キャンプ好きの芸能人の中にも、山を買って自身のキャンプ動画を発信している人が多くいます。山のキャンプで得られる癒しの時間をご紹介しましょう。

山がもたらす癒し1:ストレス社会から離れ、自分の世界を追求する

社会人として仕事をするということは、何かしらのストレスを許容しなくてはなりません。仕事だけではなく、生きていく上でストレスを感じている人も多いのではないでしょうか。

現在の居住地からあまり遠くないエリアに山を買うことで、自身や家族だけの世界を作り上げる楽しみもあります。まずは、週末の癒しとしてキャンプ人気に乗ってみるのもよいかもしれません。すでにキャンプに慣れている人なら、よりその世界を追求することができそうです。

最近では、キャンプ人気に乗じてキャンプ特設エリア等が設ける大規模ショッピングモールも現れています。キャンプに必要なグッズをまとめて購入でき、その使用方法などのアドバイスもしてくれるようです。このほか、SNSでもキャンプ道具の使い方や楽しみ方などの動画がたくさんアップされているので、気軽に始められるのではないでしょうか。

山がもたらす癒し2:焚火やツリーハウスで無心になる

キャンプの醍醐味といえば、やはり“焚き火”でしょう。静かに燃える焚き火は、無になれる癒しの時間ではないでしょうか。人類は火をコントロールすることで発展したといわれます。火を眺めていると普段は考えもしないことがふと頭をよぎったりするのです。もしかしたら煮詰まっていたビジネスのアイデアも生まれるかもしれません。

少し山での生活に慣れたら、ツリーハウスを作ってみるのはいかがでしょう。ツリーハウスとは、字のごとく、木の上に家を作ることです。目線が少し高くなるだけで、世界(景色)の見え方は大きく変わります。子どものころに木登りの経験がある人なら思い出されるのではないでしょうか。

ゆっくりとした時間のなかで、鳥の声を聴きながら読書をしたり、音楽を聴いたり、川のせせらぎが聞こえたり、と癒される場所となるでしょう。

現在の山の相場と購入する際の注意点

山を買うメリットや活用例を紹介しましたが、気になるのは山を購入する際の金額です。現在の山の相場(価値)は、前述したとおりバブル期に比較して、約10分の1程度まで下がっています。山林に関しては、利用価値が低いことから取引事例が少なく、適正価格をつけることが難しいようですが、一般的な取引事例では、1ha=約3,000坪=約10,000㎡で、30万円~80万円ほどが相場とされています。

山の値段は、その山に隣接する道路はどこまで来ているか、その山での眺望の良し悪しや川が流れているか、などもポイントとなるようです。やはり、都会からのアクセスが良いほうが値段は高くなるようです。もし購入を検討するなら、後々のことを考えて利用価値が高い山を購入するのが望ましいでしょう。

山の購入に参考となるサイトを活用しよう

山の購入を考えたときに、参考になるサイト等はいくつかあげられます。『山林バンク』や『山いちば』のサイトを検索すると、山林に関する多くの情報を得ることができます。サイトでは、山の所在地(詳細な地図)や地目、面積、価格、取引形態、固定資産税額など、詳細な物件情報を知ることができます。

山を購入して、ビジネス利用を考える場合、水道・電気等の問題、公道からのアクセスなどは注意が必要です。このような情報も前述のサイトに詳細が記載されています。目的別に調べることができて、とても便利です。一例として以下のような物件が掲載されていました。見てみましょう。

▽実際に掲載されている物件例
I県N市(**温泉近くの山林)

  • 地目:山林(普通林)
  • 面積:実測5,500坪
  • 価格:350万円
  • 取引形態:所有権移転
  • 固定資産税:8,000円/年
    ※ 建物建設可能エリアで水道・電気も真横まで来ている。高速ICより車で10分、駅から徒歩30分圏内。

ビジネス利用を考える際に、上記のような物件は利用価値が高いと考えられます。そのため、坪単価も比較的高い金額が設定されています。もし、実際に購入を検討するなら、しっかりと現地を確認することが重要です。また、現在の地目は山林であることから、上記のような固定資産税額となっています。これをビジネス利用する場合、建物の建設等で地目が宅地等に変わり、宅地相当の固定資産税額となることに注意が必要です。

移住・自給自足、そして事業としての可能性を持つ山

山を購入し、キャンプなどを通して山の生活にも慣れ、家族環境や仕事の環境が許せば、山への移住という選択もありではないでしょうか。また、山の広大さを利用するビジネスの可能性も有望視されています。趣味や癒し目的を超えて考えられる山の可能性について見てみましょう。

新しい生活様式の普及と、ナチュラルライフへのあこがれ

コロナ禍の影響もあり、これからも就労環境は大きく変化するかもしれません。教育環境も今後、通信教育のようにウェブでの授業が当たり前になり、リアル登校は月に数回、というようなこともあり得るかもしれません。

また、自給自足の生活に憧れている人もいると思います。コロナ禍の影響もあり、漠然とした不安が世の中を覆っています。いまの暮らし方がベストではなくなることも考えられるでしょう。その中で、完全な自給自足の生活でなくても、少しずつ山の暮らしにシフトしていくことも検討できるのではないでしょうか。

キャンプ場の開設や、太陽光発電投資などビジネスの可能性も

山を完全にビジネスとして利用するのも一案です。前述したキャンプ人気に乗じてキャンプ場を開設することもできるでしょう。一例として掲載したI県N市の物件情報には、最適用途として「キャンプ場」という情報も記載されていました。

そのほかにも、広大な敷地を利用して、太陽光発電を事業(投資)として行うことも可能です。山林は住宅地や都心部のビル街などと比較して太陽を遮るものが少なく、土地代も安いことから太陽光発電には適していると考えられます。 一定規模以上の設備で太陽光発電を行えば、安定した価格で電気を買い取ってもらえます。

まとめ:山を購入して、自身のスタイルに合った活用方法を

現在、山(山林)の価値は下落しており、バブル期の10分の1ほどの値段になっています。ストレス社会からの逃避やキャンプ場開設や太陽光発電のビジネス利用など、安価な山林の購入には大きなメリットが感じられそうです。

山林の売買情報は、インターネット上に多くの情報が掲載されていますので、興味のある方はぜひ検索してみましょう。意外な発見や可能性があるかもしれません。なお、山林を実際に購入する際には、信頼できる仲介業者さんに相談するとよいでしょう。(提供:JPRIME

著者 内宮慶之


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