韓国の中央銀行である韓国銀行が、来年にも中央銀行発行通貨(CBDC)「デジタルウォン」の試験運用を開始することがわかった。韓国の複数のメディアが報じた。
報道によると、この試験運用はCBDCが現金や既存の取引手段に取って代わることができるかどうかを検証することを目的としているという。
韓国銀行のCBDC研究チームは、サーバーを開設して実験運用を実施する計画だ。
今回の試験運用は、韓国銀行がCBDCの発行に関する2年間の研究の末に行われるものだという。
韓国中銀は、今年3月に22ヶ月の期間を予定したCBDCのパイロットプロジェクトを開始。第1フェーズから第3フェーズまで3段階に分けて、プロジェクトをスタートさせた。
第1フェーズは、CBDCのテクノロジーの設計とレビューを課題として7月に完了し、プロジェクトの見直しを行った。
第2フェーズでは、8月からスタートし、ビジネスや関連プロセスの分析を行なって現在進行中だ。
韓国銀行では年末までに第2フェーズを終わらせたいといる。
第3フェーズでは、来年内に仮想環境で発行・流通、様々な取引シナリオが実験されるという。
仮想環境では、韓国銀行が仮想CBDCを発行し、同国が流通を管理してテストする。
韓国銀行の幹部は「私たちは、このような状況の下で多くの取引シナリオをテストするつもりだ」と現地紙に語った。
韓国銀行は、これらCBDCに関連する動きについて実際の発行は確定していないが、「念のため必要な準備をしている」と述べている。
韓国のこのような動きには、隣国の中国がCBDCの立ち上げに向けて急速に動き出しており、銀行や企業の支援を受けて、すでに全国でテストを実施していることが要因にある。
現地の複数のメディアでは、中国のデジタル人民元が一般化されれば、韓国の加盟店も決済手段として受け入れざるを得なくなり、韓国でもCBDCの発行に向けてさらに前向きになるのではないかと報道されている。(提供:月刊暗号資産)