OECD(経済協力開発機構)が、来年のG20財務相・中央銀行総裁による会議の中で、暗号資産(仮想通貨)の税務報告のための枠組を準備していることがわかった。12日、OECDがG20に向けて「暗号資産への課税:税務処理と新たな税務政策の問題の概要」と題したレポートを公式サイトで発表した。

G20
(画像=月刊暗号資産)

発表によると、OECDは「暗号資産は急速に発展しており、税制担当者はその影響を検討するにはまだ早い段階にあるかもしれない。しかしG20の首脳と財務大臣は、国際機関に対して暗号資産がもたらすリスクを分析するよう呼びかけている。これまでのところ、全体的な規制枠組みの重要な側面を形成しているにも関わらず、税務政策と脱税の影響はほとんど検討されていない」と税制面での遅れを指摘した。

また、このレポートは50以上の国・地域の参加を得て作成されたもので、このような大規模な国・地域の主要な税の種類(所得税、消費税、固定資産税)にわたるアプローチと政策のギャップを初めて包括的に分析したものだという。

今回のレポートは国際的な暗号資産課税のガイドラインを提示し、税務報告の枠組みの技術提案に取り組んでいくとしている。これは暗号資産に関する税の透明性の確保を目的とする世界各国が参加できる国際的枠組みだ。

また、OECDのレポートでは、現在各国で開発が進んでいる中央銀行発行通貨(CBDC)についても研究報告している。

現在、CBDCへの関心が高まっていることについて、「主に貨幣と決済の性質が変化している」と分析した。

OECDは2026年までの間に、現金の使用が減少し、デジタル決済手段の可能性を示し「成功したCBDCは、支払いのスピードと効率を大幅に向上させることができるだろう」とIMF(国際通貨基金)の予測も引用した。

OECDはレポートについて、「暗号資産の税制フレームワークを改善したいと考えている政策立案者を支援するために、重要な洞察と多くの考慮事項を提供した。各国の暗号資産政策の参考にしてほしい」としている。(提供:月刊暗号資産