暗号資産(仮想通貨)調査会社のMessariは、非代替性トークン(NFT)の調査結果を公表し、2020年の第3四半期に大きく成長したことを発表した。

調査結果によると、イーサリアム上のNFT総取引量は1億2,000万ドル(約125億5,000万円)を超えており、今後さらに1,000〜2,000万ドル以上取引高増が見込まれているとのこと。

NFT
(画像=月刊暗号資産)

先月のNFT取引量の多さに加え平均購入価格も上昇傾向にあり、現在平均161ドル(約1万6,800円)まで達しているとし、2017年に発売が開始されたCryptoKittiesやCryptoPunksのローンチ以降、最高額になったとしている。

またNFTの平均支出額は150日連続で過去の平均23ドルを上回ったという。

NFTの取引プラットフォームOpenSeaでは、利用者の累計が2万5,000人を突破し、9月の取引高は過去最高の200万ドル(約2億900万円)を超えたようだ。

NFTへの投資は、ゲームやトレカ、アートなど様々だが、Massariの調査結果ではデジタルアートのマーケットプレイス「Rarible」が始めた独自の流動性マイニングや、NFTを通した所有権の可能性について理解が深まったことが取引高の急増を招いた可能性があるとしている。

さらにNFTのトレンドとして、コミュニティートークンとしての活用も盛んになってきているようだ。

コミュニティトークンのプラットフォームOurZoraは、9月に40万ドル(約4,180万円)以上の販売を記録し、最近では著名アーティスト・RACと連携したRACトークンも発行した。

保有者はRACのプライベートチャンネルにアクセスできる他、限定商品も手に入れられるとのこと。

レポートでは、コミュニティトークンの可能性は個人に限定されるものではなく、プロスポーツなどで築かれる強力なコミュニティや確立された組織では、より飛躍する可能性を秘めていると語られている。

その中でMessariはChilizが提携・発行するサッカークラブのファントークンを例に挙げた。

現在、パリサンジェルマン、FCバルセロナ、ユベントスなど様々な名門クラブがChilizと提携してトークンを発行しており、この3クラブのトークンはそれぞれ時価総額1億2,000万ドル以上にものぼっているという。

トークン所有者は投票に参加できる他、サイン入りグッズなど限定特典を入手できるなどのインセンティブがあるため、ファントークンの成功例となっていると説明した。(提供:月刊暗号資産