国内暗号資産(仮想通貨)取引所ディーカレットは26日、10月からデジタル通貨に関する実証実験をトヨタシステムズと共同で開始したことを発表した。

この実証実験はディーカレットが構築する「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、実証実験用の独自デジタル通貨を発行して行われているもの。トヨタシステムズの全社員、約2,500人以上が参加する大規模な実証実験だ。

実証実験
(画像=月刊暗号資産)

この独自デジタル通貨を用いて、トヨタシステムズの福利厚生における決済処理や自動化についての技術的な検証を行うという。

独自デジタル通貨は、実証実験用に用意されたカタログギフトや福利厚生ポイントへの交換が可能だ。交換が行われると、実行された取引記録がスマートコントラクトに書き込まれ、取引額に応じたデジタル通貨が、社員のウォレットから商品およびポイント交換用のウォレットへ即座に送付される仕組みとなっている。

なお、社員用のウォレットはトヨタシステムズ全社員に用意された専用のウォレットとなっている。

今回の実証実験ではこの仕組みの有効性を確認するほか、ブロックチェーンにおけるP2Pモデルのスケーラビリティの課題や、多数の実験参加者による業務運用性課題などを検証することが目的だという。

ディーカレット
(画像=月刊暗号資産)

実証実験に参加したトヨタシステムズはプレスリリースで、「トヨタシステムズでは、100 年に一度の大変革期の中、今回の実証実験で得た課題をもとにサプライチェーンや企業間取引におけるデジタル通貨の活用を研究し、ディーカレットと共に新たな社会の実現に向けた決済の仕組みを検証するとともに、今までになかった技術・サービス開発を促進し、新たな価値、ビジネスの創出を目指していきます」と抱負を語った。

また両社は、「今後もデジタル通貨やスマートコントラクト等のテクノロジーの活用を通じ、決済業務の効率化・迅速化の推進を進めてまいります」としている。

ディーカレットが構築する「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用した実証実験は、今年に入り関西電力や東京海上日動火災保険などでも実施されている。

今月8日には同プラットフォームを活用し、会津若松市ナイトタイムエコノミー推進協議会と連動してデジタルクーポンの発行および管理を行うと発表している。(提供:月刊暗号資産