ビットコイン投資信託を手がける米大手金融機関Grayscale(グレイスケール)が米国の投資家を対象に行った意識調査で、回答者の半数以上がビットコイン投資に興味を持っていることが判明した。27日、同社が「2020年ビットコイン投資家調査」と題したレポートで発表した。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

同調査はオンラインで2020年6月26日~2020年7月12日の間に行われた。

調査対象となったのは最低世帯年収5万ドル、投資資産最低1万ドルを保有する25歳から64歳までの1,000人の米国個人投資家が回答した。

データによると、今年度ビットコイン投資に興味を持っていると答えた投資家は全体の55%となった。昨年度の調査36%から19%増加した。

また、すでにビットコインに投資をしている人の中では、過去1年間に全体の83%が同コインを購入したと答えた。購入時期は調査が行われた4ヶ月以内の購入が38%、5-6ヵ月前が26%、7-12ヵ月前が19%だった。

過去4ヶ月以内(3月から7月)にビットコインに投資をしたと回答した投資家の3分の2が、新型コロナウイルスの感染拡大が投資する決断に影響を与えたと答えた。

また今回の調査に答えたユーザーの中で、ビットコインに投資したことのある男女別割合は、男性が31%で女性15%と、男性が約2倍となった。しかし、女性投資家の47%が、ビットコインの投資を検討していると答えている。

またビットコイン購入の要因として「少額投資が可能なために興味を持っている」と答えた投資家は、2019年は59%だったが、今年は65%まで増えたことも明らかになった。

今回の調査では、ビットコインに投資を検討している、もしくは検討するかもしれないと答えた投資家は若い投資家に多いことも分かった。

また今後、ビットコインに投資を検討している投資家は、世代別に25歳〜34歳が67%、35歳〜44歳が68%、45歳〜54歳が56%、55歳から64歳が30%だった。

この結果を受けて、Grayscaleは「特定の世代層は、一貫してビットコイン投資商品に興味がないことを表明している。特に55~64歳(調査対象となった最も古い世代)の投資家はビットコイン投資に興味にない理由として『ボラティリティが高すぎる』と答えた」と明かした。

Grayscaleは今回の調査結果のまとめとして、「この1年の間に、ビットコインは投資家の間で受け入れられるようになった」「米国の投資家の半数以上である約3,200万世帯が、ビットコインへの投資に興味を示している」「このデジタル通貨革命は、オンラインで入手可能な膨大な情報を活用のできる教養のある新世代の投資家たちによって、大部分がゼロから推進されてきた」「ビットコインのようなデジタル資産に関心を持つ投資家から相場の勢いが高まっていることは、その最も輝かしい姿を示唆している」と報告した。

この調査を行った7月は、DeFiブームで暗号資産(仮想通貨 )市場においてビットコインはイーサリアムに押されていた。

しかし、DeFiブームがやや落ち着いてきた頃からビットコインは巻き返し、9月下旬には100万円代後半だった1ビットコイン価格が10月27日には143万円まで上昇した(CoinMarketCap参照)。記事執筆時点でも、143万円前後を行き来している。

先週のPayPalによる暗号資産市場への参入などの好材料もあり、ビットコインは130万円台を堅調に維持していたが、27日の上昇は今回のGrayscaleの報告書が要因の1つと見る専門家もいる。(提供:月刊暗号資産