サンフランシスコを拠点とするフィンテック企業SoFiが、国法銀行「SoFi Bank, National Associaton」の設立を米通貨管理局(OCC)によって条件付きで認められたことが明らかになった。28日、OCCが発表した。

国法銀行とは、米国の連邦政府より認可を受けた商業銀行の1つを指す。今後、SoFiは連邦準備制度(FRS)に加盟する必要があるが、その後は米全土で銀行サービスを展開することが可能になる。

SoFi
(画像=月刊暗号資産)

SoFiはソーシャルレンディングなどを手がけるフィンテック系のスタートアップ企業で、学生向けのローンからビットコイン等暗号資産(仮想通貨)の取引など多様な金融サービスを提供している。

OCCは米国銀行の監督権限を有する組織で、財務省の内部機関として位置している。

2011年に設立されたSoFiは、カタール投資庁やソフトバンクなどから23億円以上の資金調達を実施しており、今年4月には決済システムの構築支援などを行うGalileoを12億ドル(約1,250億円)で買収することを発表していた。

同社は昨年、暗号資産を取り扱う部署「SoFi Digital Assets」を立ち上げており、12月にはニューヨーク州在住の顧客にサービスを提供できるビットライセンスの取得を完了している。

OCCによると、申請書や提案された銀行の代表者による契約などを含む入手可能な情報を徹底的に評価した上で、条件付きの予備承認を与えたとのこと。

なお、条件付きの承認から最終承認と開行の認可を得るには、創業資金として5.5億ドル(約573億円)を用意し、内30%を現金で準備する必要がある。

またSoFiはOCCからの承認を得た同日、学生ローンの返済に充てられる2%のキャッシュバック付きクレジットカードのリリースを発表した。

SoFiのCEOであるAnthony Noto氏はプレスリリースで、「普段の買い物と同じように利用するだけでキャッシュバックされたお金をローンの返済や投資に使うことができ、直感的に最も正しいお金の使い方を選べる」と述べている。

SoFiのクレジットカードの申し込みは28日から開始されており、2021年初頭には一般ユーザーが利用できるようになるとしている。(提供:月刊暗号資産