オーストリアの繊維大手LENZING GROUP(レンチンググループ)は、アパレル向けトレーサビリティーシステムを提供するTextileGenesisと提携し、繊維商品のサプライチェーンを追跡する。18日、TextileGenesisのプレスリリースで明らかになった。
LENZINGによると、すでに5日からグループ会社であるTENCELおよびLENZING ECOVEROのブランド商品を対象にサプライチェーンの追跡を開始しているという。
TextileGenesisのシステムを2020年第4四半期中にインドやバングラディシュなどの南アジアに拠点を置くLENZINGのパートナーに対して導入し、2021年第1四半期に中国とトルコにある約300社のパートナーに、第2四半期までに関連するほぼ全てのパートナーに対して導入を進めていくという。
プレスリリースでは、現在トップ100のファッションブランドのほとんどが「持続可能で追跡可能な繊維使用率100%」という目標を掲げているが、これらのブランドのうち2025年までに達成できる可能性があるブランドは5%未満だという。
こうした業界の課題に取り組むため、LENZINGはTextileGenesisのプラットフォームを活用し、前例のないレベルのトレーサビリティを実現していくとのことだ。
TextileGenesisが開発したトレーサビリティー・プラットフォームは現在特許出願中の状態で、ファッション業界からの期待も高まっていると言える。実際、生産者を始め、大手ファッションブランドや主要な業界団体などが協力している。
ブロックチェーンを用いたサプライチェーンの追跡は、不正防止や真贋証明などにも期待が持たれている。特に従来のファッション・繊維産業は細分化されており、サプライチェーンが不透明な状態にある。
今回LENZINGと共にTextileGenesisのシステムを導入したSchneider GroupのCEOであるJeffrey Losekoot氏は、「TextileGenesisの活用によって、サプライチェーン全体におけるテクノロジーの拡張性を証明するだけでなく、ブランドと消費者に対して完全に保証された製品を提供する革新的な方法を生み出しました」とコメントした。(提供:月刊暗号資産)