ガスト、バーミヤン、ジョナサン……。これらはすべて、外食大手すかいらーくホールディングスが運営するチェーンレストランだ。そのすかいらーくホールディングスが、ガストやジョナサンなど約200店舗を閉店する計画を発表した。コロナ禍に翻弄される外食産業。すかいらーくが窮地を乗り切るための策とは?

すかいらーくが「ガスト」「ジョナサン」など約200店閉店

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(画像=山田隆俊)

すかいらーくホールディングスは、新型コロナウイルスの影響を強く受けている。コロナ禍の中、多くの消費者が外食をためらうようになった。緊急事態宣言の発令などもあり、すかいらーくホールディングスが運営するレストランチェーンを訪れる人が減っている。

すかいらーくホールディングスは宅配や持ち帰りメニューの拡充などに力を入れるも、来店客の落ち込みによる売上減を補完するには至っていない。後で詳しく説明するが、2020年12月期の通期決算では、最終損益が150億円の赤字に転落する見通しだ。

その状況の中で発表された200店の閉店計画。ガストやジョナサンなどの不採算店舗を中心に閉店を進め、事業の立て直しを図る考えだ。すかいらーくホールディングスは現在約3,200店舗を展開しており、200店は約6%に相当する。

閉店しない店舗でも業態の変更などを進めるという。特に、集客力が強いとされる唐揚げ専門店「から好し」などへの業態変更に注力するようだ。メニュー数の削減などによって、営業効率を高めることも検討するという。

同社は、200店の閉店計画において人員削減を行わないことも明らかにしており、雇用を配置転換などによって維持する考えだ。

2020年12月期第3四半期は211億円の赤字!売上高の状況は?

家族や友人と気軽に利用できる、低価格の飲食店。これがすかいらーくホールディングスのレストランチェーンの魅力であり、若者から中高年まで幅広いファンを持つ。それだけに、今回の200店の閉店計画の発表に驚いた人は多いはずだ。

11月12日に発表した2020年12月期第3四半期の連結業績(2020年1〜9月)は、確かに厳しい状況といえる。右肩上がりだった売上高は、前年同期比25.1%減の2,135億6,300万円まで落ち込んだ。

営業利益は、前年同期は199億9,500万円の黒字だったが211億4,300万円の赤字に転落。最終損益も、前年同期の105億1,200万円の黒字から146億2,400万円の赤字になっている。

同社は、2020年12月期の通期の連結業績(2020年1〜12月)の見通しも発表している。売上高は前期比21.9%減の2,930億円、営業利益は200億円の赤字、最終損益は150億円の赤字となる見通しだ。

「から好しINガスト」の展開加速や、通販事業の強化も

すかいらーくホールディングスによると、国が需要喚起策として実施している「Go Toイート」のおかげで、最近は既存店の売上高は回復しつつあった。しかし11月に入って「第3波」とも呼べる状況になったことで、再び客足に遠のく可能性が出てきた。

このような状況の中で、すかいらーくホールディングスは不採算店舗の閉店計画を発表したわけだが、この窮地を乗り切るための策はこれだけではない。既存店の経営資源の活用や通販事業の開始、デリバリー特化型店舗の出店なども進めていくという。

既存店の経営資源の活用策として、ガスト店内に「から好し」を併設する「から好しINガスト」の展開を加速するという。今年の12月末には480店、2021年3月末には1,130店まで増やす計画だ。

通販事業に関しては、楽天やAmazonのプラットフォームでバーミヤンの餃子やガストのハンバーグなどの販売を開始し、2021年中に自社サイトも開設する予定だという。すかいらーくホールディングスの通販事業の売上高がどこまで伸びていくのか、注目したい。

デリバリー特化型店舗の出店も気になるところだが、特筆すべきは配達エリアを見直すことで「小商圏化」を進め、配達時間のさらなる短縮化を図ることだ。自社配達のほか、宅配代行サービスの活用も拡大していくという。

ストレスフルな状況はしばらく続く

デリバリー需要を追い風にして業績悪化を免れているところもあるが、多くの外食企業がすかいらーくのように業績悪化に苦しんでいる。コロナの収束が見えない中、同社にとってストレスフルな状況はしばらく続くことになるだろう。

最近はワクチン開発に関する明るいニュースも報じられるようになり、1年後には外食産業を取り巻く環境が改善していることも考えられる。しかし、「神頼み」になってはならない。すかいらーくに限らないが、経営陣にはさまざまなシナリオを想定した上での戦略立案と実行が求められる。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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