韓国政府が暗号資産(仮想通貨)売買で発生した収益に関する新税制の施行を延期すると発表した。2日、韓国メディア「聯合ニュース」が報道した。
報道によると、韓国国会は先月30日、暗号資産の改正税法の施行を2022年1月とする税制改正案を可決した。
当初は2021年10月から新税制が施行される見込みだったが、同国の暗号資産事業者が税務申告のインフラ整備のための期間が十分ではないと政府に訴えたことから、導入を3ヶ月遅らせた形となった。
韓国は暗号資産に対しての税制が曖昧で、課税の方針について長らく議論が続けられてきたが、2020年に入ってから規制の明確化が進められている。
2019年12月、韓国政府は「現行法下では、暗号通貨取引における個人の利益に所得税を課すことはできない」と指摘していた。
しかし2020年1月には一転、韓国政府が暗号資産取引によって生じた利益に対し、20%の課税を検討していることが地元メディアで報道された。
また2月、韓国の税務専門機関である「Korean Tax Policy Association」が韓国政府に対して、暗号資産取引によって生じた利益に対し、段階的な課税を課すよう提案した。
7月、韓国経済財務省は暗号資産の取引によって生じた250万ウォン未満(約23.5万円)を非課税とし、それを超える利益に対し、2021年10月から20%の分離課税を徴収することを最終決定した。
しかし既述のように、新税制の3ヶ月延期が可決され、2022年1月の施行予定となった。
韓国では、「特定金融情報法」が2021年の3月に施行されることを受け、9月までに国内の暗号資産取引所に対し口座の実名登録制を義務付けた。消費者保護のために取引者と取引履歴の紐付けを徹底し、犯罪利用の防止や、公平な課税対策へと繋げていく方針だ。(提供:月刊暗号資産)