資産運用方法の一つである太陽光発電投資。電力を発生させるために必要な設備を建設あるいは購入し、発生した電力を電力会社に売却する投資方法です。比較的リスクの少ないことから参入を検討している方も多いのではないでしょうか。
本稿では太陽光発電投資のメリットやデメリット、そして「2019年問題」と言われるFIT法の廃止について紹介します。
太陽光発電とは?
太陽光発電とは前述通り、空いている土地に太陽光発電システムを設置し、発生した電力を電力会社に販売して収益を得る投資方法です。
太陽光発電を行うためには、土地が必要になりますので「自分が所有している土地に設備を設置する」「土地を購入してそこに設備を設置する」「土地と太陽光発電システムがセットの発電所を購入する」などの選択肢を取ります。
あらかじめ土地を持っていたとしても「日当たりが悪い」「土地面積が狭い」などの場合、太陽光発電には不向きな土地と言えます。
また新たに土地を探して太陽光発電設備を建設する場合でも、建設費に加え、広大な土地の購入費用が発生してしまいます。
そのため、太陽光発電投資初心者の場合、土地と太陽光発電所がセットになった「土地付き太陽光発電投資」を行えば、高い確率で利益を上げられるので、無難な選択と言えるでしょう。
土地付き太陽光発電投資には「売買」「賃貸」の2種類の投資方法があります。
売買の場合は、初期に多額の資金が必要ではあるものの、一度購入してしまえば太陽光発電設備が故障しない限り不労所得が発生する点がメリットです。固定資産税は発生しますが、定期的な不動産収入を他の不動産投資に充てる際、固定資産を持っているため金融機関などで融資の審査が通りやすくなるでしょう。
一方で、土地付きの太陽光発電設備を賃貸した場合、少ない初期費用で誰でも手軽に始められるメリットがあります。しかし「契約期間が決まっている」「土地を返却する際に更地する」「賃料が変動する」などの点が、デメリットです。
太陽光発電投資のメリット
ここからは、太陽光発電投資のメリットについて紹介します。
収益が安定している
通常の賃料を得るタイプの不動産投資の場合「空室リスク」「家賃滞納リスク」「災害リスク」など、毎月の収益を正確に予測できない側面があります。
太陽光投資の場合、太陽光発電設備を設置するエリアの「平均日射量」「過去の収益データ」などから、安定して毎月の利益の予測を立てられます。
もちろん、太陽光発電システムは天候やその他の要因により、思ったより収益が上がらないケースもあります。しかし、物件から家賃を得るタイプの不動産投資に比べれば、事前に備えておかなければならないリスクの種類は少ないと言えます
維持管理に手間がかからない
太陽光発電設備は一度建設してしまえば、設備が故障した時のメンテナンス以外では、管理する必要がありません。そのため、物件の修繕や清掃などが発生する家賃収入型の不動産投資よりも、管理のための労力が少ないです。
融資を受けた上で投資をスタートできる
株などの金融商品に対する投資では、金融機関からの融資は受けられません。一方で土地付き太陽光投資の場合は、融資を受けた上で投資をスタートできるので、自分の手だし金額も抑えられます。
太陽光発電投資のデメリット
太陽光発電投資のデメリットを紹介します。
太陽光発電投資では、天候不良などで設備が太陽光を受けられないと発電量が少なくなり、売電で得る収益も減ってしまいます。また、台風などの自然災害の影響を受け、太陽光設備が被害に遭うケースも考えられます。
上記のようなケースに備えて「日照補償」「災害補償」などの制度を提供している業者も存在しますので、事前に加入して各種リスクに備えておくと賢明です。
また、太陽光設備はメンテナンスの回数は少なくて済むのですが、専門家に依頼した場合の費用で支出が一時的に増える点がネックとなります。また、太陽光設備の「パネル」「パワーコンディショナ」などには寿命が存在しますので、注意しておく必要があります。
太陽光発電で知っておくべき「FIT法の終了」とは?
太陽光発電で重要になってくるのが「FIT(Feed-inTariff)法」の存在です。FIT法は固定買取制度のことで、売電価格や売電方法を取り決めている法律となります。
FIT法は、平成28年に一度改正がされています。改正された背景として固定価格買取制度によって売電費用が膨れ上がり、結果として国民が支払う電気代の負担が増すことへの懸念がありました。
2012年にスタートしたFIT法ですが、電気料金アップを抑制するため「電力の買い取り価格の調整」「新認定制度の創設」「買取価格の決め方の見直し」がなされてきました。結果として、悪質な太陽光発電業者も淘汰され、太陽光発電投資は初心者が参入しやすい投資手法となったのです。
太陽光発電で発生した電力の固定買取価格を決めていたFIT法ですが、既にご説明した売電価格の上昇による国民の電気代への負担増加を抑制するために、2019年に終了する可能生があると発表されました。
しかし、いきなり太陽光発電で発生した電力の固定価格買取精度が終了する訳ではありません。住宅用太陽光発電の余剰電力は、固定価格での買取期間が10年間と定められていますので、2009年以降に余剰電力買取制度の適用を受けた人が、準備期間を満了次第FIT法の適用から外れていくのです。
固定価格買取期間の満了後も、電力会社との契約が自動更新となっている場合は新しい価格で電力を売却します。しかし、固定価格買取制度が終了した影響を受け、市場全体の売電価格は減少するでしょう。
では、太陽光発電投資は新規参入するには旨味の少ない投資方法なのでしょうか。次項では、太陽光発電投資市場の今後の動向についてご説明します。
太陽光発電の今後
FIT法の終了に伴い、電力の買い取り価格の現象は避けられません。しかし、投資としての太陽光発電が終わりに近づいているわけではありません。
太陽光発電は「買取価格が安定しているので収益の計画が立てやすい」「不動産投資よりもリスクが小さい」などのメリットがあるため、今後は「中古の太陽光発電設備の売買」が盛んになると予想されています。
そもそも日本では、FIT法により太陽光発電投資をする人が増え、日本中に設備が存在する状況となっています。中古の太陽光発電設備ですと、購入した時点ではなく設備が稼働し始めた当初の買取価格が適用されるため、新規で設備投資をするよりFIT法配置の影響を受けにくいのです。
そのため、買取期間満了前の太陽光設備を購入すれば、旧来の売電価格で電力売却可能な設備が手に入ります。
以上の理由から、今後日本では中古の太陽光発電設備の売買が、盛んに行われると予想されているのです。(提供:YANUSY)
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