カナダの大手暗号資産（仮想通貨）ファンドである3iQグループが、トロント証券取引所（TSX）でイーサリアムETF（上場投資信託）のIPOを行っていることがわかった。3日、3iQがホームページで発表した。
同社によると、新たなファンドである「The Ether Fund」の目論見書がカナダの証券規制当局によって受領され、「QETH.U」のティッカーでIPO（新規株式公開）の公募を開始したとのこと。
初回公募の期限は12月10日までとなっており、投資額は下限2000万米ドル（約20億円）、上限1億750万米ドル（約112億円）となっている。
3iQは2012年に設立。カナダ最大の暗号資産ファンドとして、4億カナダドル（約325億円）以上を運用している。
今年4月にはカナダで初となるビットコイン投資ファンド「The Bitcoin Fund」の提供を開始した。
また、私募ファンドである「3iQ Global Cryptoassets Fund」の運用も行なっており、ビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、ライトコイン（LTE）の3銘柄を保有。こちらはカナダの認定投資家に対してサービスを提供している。
カナダで影響力を持つファンドがイーサリアムETFを提供するというのは非常に重要な事例だ。
現在ビットコインに次いで時価総額順位2位のイーサリアムは、次世代ブロックチェーンにあたる「イーサリアム2.0」のローンチや、DeFi（分散型金融）の台頭による需要増から今年大きく価格を上げている。
記事執筆時点においては6万2,000円台を推移しており、今年に入って300%以上の上昇率を見せている状況だ。
5日には、米大手暗号資産投資企業であるGrayscaleのMichael Sonnenshein氏が、Bloombergのインタビューに対し「2020年は主にイーサリアムへ投資する投資家が増えている」と発言。
同社の投資信託商品で今年10月に米証券取引委員会（SEC）に登録された「Grayscale Ethereum Trust」の投資家傾向を例に出しながら、「（今年の傾向として）イーサリアムを優先に投資を行う投資家グループが現れている。むしろ、一部はイーサリアムにしか投資していない」と話し、イーサリアムの価値と暗号資産業界における地位はより強固なものになったとの見解を示した。（提供：月刊暗号資産）
