2018年に国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックから約580億円分のNEM(ネム)が流出した事件で、盗まれたネムと知りながら他の暗号資産と交換したとして、これまでに国内で31人を逮捕、書類送検したことが21日、捜査関係者への取材でわかった。

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(画像=月刊暗号資産)

警視庁によると「組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)」の疑いにあたるという。

ネムの交換額は流出時のレートで百数十億円に上るという。21日、NHKをはじめ国内外複数のメディアが報じた。

コインチェック事件は2018年1月26日午前0時頃、何者かがコインチェックのシステムに不正アクセスし、わずか20分で約580億円分のネムが流出した。

ネムが流出してから10日後、何者かが匿名性の高い闇サイト「ダークウェブ」を使って市場価格より約15%を割り引いて販売した。

シンガポールに本部があるネムの推進団体「NEM財団」は、盗まれたネムの送金先のウォレットアドレスに特定のマークを付け資金移動を追跡していたが、別の口座へ複雑に分散されるなどして歯止めがかからないため、事件から3ヶ月後の2018年3月20日に追跡を打ち切った。

コインチェックのネム流出事件に関連しては昨年3月にも、組織犯罪処罰法違反で男性2名が警視庁に逮捕されていた。

警視庁によると、この男性2人もコインチェックから流出したネムであると知りながら、ダークウェブ上でビットコインと交換するなどして不正に取得したという。

捜査関係者によると、不正に流出したネムを購入した容疑には公訴時効(3年)が迫っているため、警視庁は時効前に摘発に踏み切ったとみられる。

一方、ネムを不正流出させた実行犯は未特定で「電子計算機使用詐欺容疑」などで今後も捜査を続けるという。(提供:月刊暗号資産