FXは少額から始めることができるのが初心者にうれしいところ。ここではなぜ少額からスタートさせた方がよいのか、どの会社の口座を選べばいいのかなどを紹介してこう。

1,FXは少額で始めた方がよい4つの理由

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(画像=YukaHashimoto/stock.adobe.com)

今やFX初心者の定番にもなりつつある少額取引は1,000通貨単位が主流だ。1万通貨単位未満の取引単位を採用しているFX会社の大半が1,000通貨単位でトレードできる。

もっと小さな取引単位を採用しているFX会社もあり、SBI FXトレードは最小単位の1通貨単位で取引できる希少なFX会社だ。

FX初心者の場合、少額から始めるメリットとして、主に次の4点が挙げられる。

  1. 損失額を限定できる
  2. 余裕資金が少なくてもチャレンジできる
  3. 低レバレッジでトレードしやすい
  4. デモトレードにはない緊張感がある

本項では、上記のメリットについて、簡単な事例を挙げながら解説していきたい。

理由1,損失額を限定できる

FXはレバレッジ取引なので、個人の場合、投資した資金の最大25倍もの大きな取引ができる。予想が当たれば元手をはるかに上回る大きな利益を得られるが、予想が外れると逆に大きな損失が発生するのが特徴だ。

FXのトレードでは、損失の発生を前提として、損失額をいかにして抑えるかを考えることが重要なポイントになる。トレードに不慣れなFX初心者なら、なおさらだ。

そのため、1,000通貨、100通貨、1通貨など、取引単位が小さくて済む少額取引は、初心者が最初に取ることができる損失リスク対策なのだ。

以下から、為替レートの下落幅が同じでも、取引単位が小さくなるほど、評価損も小さくなるのが分かるだろう。

1米ドル=100円から97円に下落した際の評価損(買いポジション)

取引単位 評価損
1万通貨 3円×1万通貨=3万円
1,000通貨 3円×1,000通貨=3,000円
100通貨 3円×100通貨=300円
1通貨 3円×1通貨=3円
(※筆者作成)

理由2,余裕資金が少なくてもチャレンジできる

FX初心者の場合、あるいはFXにチャレンジする人が若年である場合は、投資に充てられる資金が十分でないことも想定される。

少額取引であれば、当然のことながら差し入れる資金(証拠金)も少なくてよい。

投資に回す資金は余裕資金であることが大原則なので、少額取引できる取引環境は金融資産の少ない初心者や若年層によるFXのチャレンジを後押しすることになる。

米ドル/円、レバレッジ25倍、1米ドル=100円の場合の必要証拠金

取引単位 取引金額 必要証拠金
1万通貨 100万円 4万円
1,000通貨 10万円 4,000円
100通貨 1万円 400円
1通貨 100円 4円
(※筆者作成)

理由3,低レバレッジでトレードしやすい

レバレッジを利かせた取引のメリットは差し入れる証拠金が少なくて済むことだ。裏を返せば、同じ取引金額のトレードでも、レバレッジ倍率が低ければ低いほど、必要証拠金が高額になることを意味する。

FX初心者の場合、損失リスクが大きくなる高レバレッジのトレードを避けて、低レバレッジのトレードで経験を積む方が心理的な負担も軽くなるため望ましい。しかし、余裕資金が少ない初心者が低レバレッジのトレードをする際に問題になるのは、高額になりがちな必要証拠金だ。

そのような問題を解決できるのが、取引金額自体が小さくなる少額取引なのだ。

1米ドル=100円、レバレッジ1倍のトレードの取引金額と必要証拠金

取引単位 取引金額 必要証拠金
1万通貨 100万円 100万円
1,000通貨 10万円 10万円
100通貨 1万円 1万円
1通貨 100円 100円
(※筆者作成)

レバレッジ1倍のFXは、実質的に通常の為替取引と同じであり、取引単位が小さくなればなるほど、取引金額と必要証拠金も同様に少額になる。

理由4,デモトレードにはない緊張感がある

大半のFX会社には、初期仮想資金を利用して行う無料のデモトレードサービスが用意されている。本番さながらの、デモトレード専用取引ツールやスマホアプリを使って、実際の配信レート、テクニカル指標、チャートなどを見ながらバーチャルにFXトレードができる。

充実したデモトレード環境は、ツールの操作方法や注文方法に慣れるには最適だが、自分のリアル資金でないため、本番と同様の緊張感を感じにくく、詰めが甘くなりやすい。

その点、少額取引ならば、1通貨でも、100通貨でも、自分の資産を持ち出すため、損失を出さないように、あるいは抑えるように、細心の注意を払いながらトレードする習慣が付けられる。

2,少額でFXを始めるための口座選び4つのポイント

少額取引できるFX口座を選ぶ際に、注目したいポイントを4つ紹介しよう。候補に挙がったFX会社間で、これらのポイントを比較して、より条件のよいFX会社、もしくは自分の投資スタイルに合ったFX会社を選びたい。

ポイント1,スプレッドの狭さ

スプレッドはFXの主なコストである。

中でも、米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、ユーロ/米ドルといった人気通貨ペアのスプレッドは、各社とも必ず確認しておきたい。

人気通貨ペアは流通量が多いため、初心者でも取引しやすく、中上級者になってトレード対象の通貨ペアが増えたとしても、トレードする機会は少なくない。

そのため、人気通貨ペアのスプレッドの狭さは、利益の出にくい初心者から利益にこだわる中上級者まで、低コスト投資で利益を確保できるので、必ずチェックしておきたい最重要ポイントだ。

ポイント2,スワップポイントの高さ

スワップポイント狙いの投資は中長期にわたってポジションを保有する。そのため、短時間の投資判断に慣れていないFX初心者に適した投資手法でもある。

少額取引を念頭に置いてFX会社を選ぶ際にも、スワップポイント投資を念頭に置いて、スワップの高いFX会社を選んでおくとよい。

ポイント3,入出金、ロスカット、少額取引手数料などがかからない

スプレッド以外に、FX会社によって発生する可能性があるのが入出金手数料やロスカット手数料、あるいは少額取引に取引手数料だ。

少額取引では利益が出ても少額なので、可能な限り手数料を削減して、利益を最大化する必要がある。それには、スプレッド以外の手数料が不要なFX会社を選ぶように心がけたい。

ポイント4,ロスカット水準が高い

初心者にとは、相場の急変時にとっさの判断で損切りして、損失の拡大を食い止めることは非常に難しい。様子見しているうちに相場が大暴落して、結果的に損失額の補填を強いられるケースも考えられる。

そのようなFX初心者の強い味方になるのがロスカットルールだ。ロスカット水準はFX口座ごとに違っているが、初心者には早い段階でロスカットが執行されるロスカット水準の高い口座がおすすめだ。

ロスカット水準が高ければ、相場から目を離しているうちに価格が下がる。気が付けばロスカット発動済みという事態に陥りやすく、諸刃の刃でもある。それでも、初心者の損失を最小限に食い止める最も確実な方法であるのも事実だ。

もっともロスカットに頼ることなく、必要に応じた証拠金の追加入金や建玉の一部決済などによる建玉管理、あるいはロスカット発動前の損切りなどで資産を守ることが優先されるのは言うまでもない。

3,FX少額取引でおすすめのFX口座10選を比較

上述の少額取引のためのFX口座選びのポイント4つに注目して、候補となりうる少額取引可能なFX口座10選で比較してみよう。

注目ポイント1,主要通貨ペアのスプレッド

スプレッド比較表(2021年1月4日現在 ※一部除く)

  米ドル/円 ユーロ/円 英ポンド/円 ユーロ/米ドル 豪ドル/円
SBI FXトレード ※1
【1~1,000
通貨対象】
0銭 0.28銭 0.50銭 0.19pips 0.38銭
0.09銭 0.30銭 0.69銭 0.40銭
外貨ex byGMO ※2 0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.4ポイント 0.7銭
4.0銭 6.0銭 10.0銭 4.0ポイント 6.0銭
外為どっとコム
原則固定※例外あり
※3 (2022年3月14日現在)
0.2銭 0.4銭 0.7銭 0.3pips 0.5銭
0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.4pips 0.7銭
FXプライムbyGMO
※4
0.3銭 0.6銭 1.1銭 0.6pips 0.9銭
6.0銭 10銭 12.0銭 5pips 9.0銭
LIGHFT FX ※5 0.1銭 0.3銭 0.5銭 0.3pips 0.3銭
0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.6銭
LION FX
(ヒロセ通商)
0.2銭 0.4銭 1.0銭 0.3pips 0.6銭
みんなのFX 0.2銭
※6
0.4銭 0.8銭 0.3pips 0.6銭
FXブロードネット
(ブロード
ライトコース)
0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.5pips 0.6銭
マネースクエア 非公表
外為オンライン
(miniコース)
1Point
(1.0銭)
2Point
(2.0銭)
4Point
(4.0銭)
1Point
(1pip)
3Point
(3.0銭)
※1 上段は2020年12月20日(AM2:00)までの期間中スプレッド(AM8:30~AM2:00)、下段は通常スプレッド(AM2:00~AM8:30)
※2 上段はAM9:00~翌AM3:00までの原則固定スプレッド、下段はそれ以外の時間帯のスプレッド
※3 スプレッドは原則固定(※例外あり) 上段は2022年3月7日(月)午前9時~2022年4月2日(土)午前3時のキャンペーン期間における各営業日午前9時~翌午前3時の原則固定スプレッド、下段は午前3時~午前9時のスプレッド
※4 上段はAM8:00~翌4:00の原則固定スプレッド、下段はAM4:00~AM8:00の原則固定スプレッド
※5 上段の米ドル/円スプレッドは2020年12月23日AM1:00までの期間限定、PM12:00~翌AM1:00の原則固定スプレッド、米ドル/円以外の通貨ペアのスプレッドは2020年12月23日AM3:00までの期間限定、AM9:00~翌AM3:00の原則固定スプレッドである。下段は取引可能な全時間帯における原則固定スプレッドである。
※6 通貨ペアはAM8:00~翌AM5:00の原則固定スプレッド
(※各社ホームページを元に筆者作成)

米ドル/円、ユーロ/円などの人気通貨ペアを対象にした1,000通貨までの少額取引では、どの通貨ペアの原則固定スプレッドも、SBI FXトレードが最狭となっている。中でも米ドル/円は0.09銭で桁違いの狭さだ。

通常の米ドル/円スプレッドに関しては、0.2銭の業界最狭水準を提示している会社も多い。

期間限定の米ドル/円スプレッドでは、SBI FXトレードが驚きの0銭、LIGHT FX、みんなのFXの2社は0.1銭を提示している。

少額取引できるFX会社のうち、スプレッドの狭さに着目してFX会社を選ぶなら、SBI FXトレード、外為どっとコム、LIGHT FX、みんなのFXの4社が有力候補になるだろう。

各社の業界最狭水準の原則固定スプレッドには例外があり、日本の早朝や経済指標発表時など、スプレッドが大幅に開く。少額取引はもともと利益が小幅なので、スプレッドが広がる時間帯を避けてトレードするように徹底してほしい。

注目ポイント2,高金利通貨のスワップポイント

スワップポイント比較表(2021年1月4日、1日分付与実績)

  南アフリカランド/円 トルコリラ/円 メキシコペソ/円
SBI FXトレード 6 -8 24 -29 4 -6
外貨ex byGMO 8 -23 10 -25 4 -19
外為どっとコム 8 -18 1 -31 6 -16
FXプライム
byGMO
7 -7 25 -35 5 -5
LIGHFT FX 10 -10 1 -1 7.1 -7.1
LION FX
(ヒロセ通商)※1
6 -16 6 -36 6 -11
みんなのFX 8.1 -8.1 1 -1 5.1 -5.1
FXブロードネット
(ブロード
ライトコース)
※2
6 -18
マネースクエア 2 -14 3 -53 2 -7
外為オンライン
(miniコース)
10 -30 0 -65 5 -15
※いずれの通貨ペアも、各社公式ホームページで公表されている1万通貨あたりのスワップポイント
※1,公表されている1,000通貨あたりのスワップポイントを1万通貨に換算した金額
※2,公表されている10万通貨あたりのスワップポイントを1万通貨に換算した金額
(※各社ホームページを元に筆者作成)

代表的な高金利通貨ペアである南アフリカランド/円、トルコ/円、メキシコペソ/円のスワップポイントを対象FX会社10社で比較すると、高スワップTOP5は外為どっとコム、FXプライムbyGMO、LIGHT FX、みんなのFX、LION FX(ヒロセ通商)だと結論付けることができる。

高金利通貨ペアでは、買いポジションを長期間にわたって保有するだけで、スワップポイントが毎日着実にたまる。堅実性を第一に考えるFX初心者なら真っ先に考えたい投資手法だ。

南アフリカランド/円やトルコリラ/円、もしくはメキシコペソ/円のような高金利通貨ペアの取引で注意したいのは、一部FX会社では取引単位が1万通貨になっている点だ。

少額取引できる対象10社のうち、外貨ex byGMO、FXブロードネット(ブロードライトコース)、マネースクエア、外為オンライン(miniコース)では、高金利通貨に限って、取引単位が1,000通貨ではなく1万通貨になっている。

最も高金利通貨のレートは安いので、取引単位が1万通貨であっても、多くの投資家がそれほど負担に感じることはないだろう。

注目ポイント3,入出金、ロスカット手数料、少額取引手数料

各種手数料比較表(平成2021年1月4日現在)

  入出金手数料 ロスカット手数料
(1通貨あたり片道、税込)
少額取引手数料
SBI
FXトレード
・クイック入金手数料:無料
(1,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
無料 無料
外貨ex byGMO ・クイック入金手数料:無料
(2,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・円貨出金手数料:無料
・外貨出金手数料:1回1,500円
(100万通貨以上の出金は手数料返却)
無料 無料
外為
どっとコム
・クイック入金手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
無料 無料
FXプライムbyGMO ・ネット入金24手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
・南アフリカランド/円、
メキシコペソ/円
→1通貨あたり0.5銭(税込)
・その他の通貨ペア
→1通貨あたり5.0銭(税込)

※1万通貨未満の取引で、ロスカットまたは強制決済された場合、取引手数料も発生する
1万通貨未満の取引手数料
→1通貨あたり片道3.0銭
LIGHFT FX ・クイック入金手数料
:無料
・銀行振り込み手数料
:自己負担
・出金手数料
:無料
(2,000円以上)
無料 無料
LION FX
(ヒロセ通商)
・クイック入金手数料:無料
(1万円以上、 ジャパンネット・みずほ・三井住友銀行を除く)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・海外送金を除き、リアルタイム出金手数料:無料
(1,000円以上、100万円以下)
無料 無料
みんなのFX ・クイック入金手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
無料 無料
FX
ブロード
ネット
(ブロード
ライトコース)
・クイック入金手数料:無料
・マッチング入金手数料:自己負担
・出金手数料:無料
無料 無料
※トラッキングトレード(ブロードライトコース)では、新規/決済注文ごとに1,000通貨あたり20円の手数料がかかる
マネー
スクエア
・クイック入金手数料:無料(1万円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
無料 無料
外為
オンライン
(miniコース)
・クイック入金手数料:無料(ただし、初回預入金は5,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
無料 無料
※iサイクル2取引とサイクル2取引には、1,000通貨あたり片道20円の取引手数料が発生(南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は1万通貨あたり片道20円)
(※各社ホームページを元に筆者作成)

少額取引ができるFX会社では、クイック入金と出金手数料、ロスカット手数料、1万通貨未満の少額取引手数料が無料の会社が多く、低コストでFXができる環境が整っている。

ただし、手数料に関しては、以下の3点について注意が必要になる。

・入出金手数料無料でも、最低入出金額が設定されている場合も

各社とも、通常の銀行振り込み手数料は自己負担であるが、クイック入金手数料と出金手数料は原則無料となっている。入金あるいは出金できる限度額が設定されている会社と、金額無制限で手数料無料の会社があるので、入出金に関しては最低入出金額が設定されているかどうかも確認しよう。

・FXプライムbyGMOではロスカット手数料と強制決済手数料が発生

対象10社中、FXプライムbyGMOだけは、ロスカット手数料と強制決済手数料、ならびに1,000通貨単位の少額取引の際に、片道ずつ取引手数料が必要になる。

例えば、1,000通貨の米ドル/円を新規に買い建てた際に、ロスカットが執行された場合、
① 新規注文時の少額取引手数料:1,000通貨×3.0銭=30円
② ロスカット手数料:1,000通貨×5.0銭=50円
③ ロスカット時の少額取引手数料:1,000通貨×3.0銭=30円
スプレッド以外に、①+②+③=110円の手数料が発生することに注意してほしい。

・FX自動売買サービスの取引手数料は、会社によって要不要がある

もう1点気を付けたいのは、自動売買サービスを提供している会社の取引手数料だ。

FXブロードネット(ブロードライトコース)と外為オンライン(miniコース)では、裁量取引による1,000通貨の取引手数料は無料であるが、各社の自動売買サービスを利用すると、片道ずつ取引手数料が必要になる。

それに対して、マネースクエアの自動売買サービス「トラリピ」は、新規注文と決済注文のどちらの取引手数料も無料である。

注目ポイント4,ロスカット、追証または強制決済の執行状況

ロスカットと強制決済比較表(2021年1月4日現在)

  ロスカット
判定
ロスカット
水準
ロスカット
アラート
追証または
強制決済
SBI
FXトレード
原則20秒ごと 証拠金維持率が
50%を下回った場合
なし なし
※未決済建玉があり、未約定新規建玉注文がある場合、証拠金維持率100%を下回ると、全ての未約定新規建玉注文は取消
外貨ex byGMO 非公表 証拠金維持率が50%を下回った時 証拠金維持率100%を下回った際 日次メンテナンス時の追証チェックで、「維持証拠金額(必要証拠金)<実預託額」により追証が発生した場合 →24時までに解消されなければ強制決済
外為
どっとコム
5~10秒程度間隔 有効比率(証拠金維持率)を100%~50%で10%刻みに設定可能 有効比率が200%を下回った際 毎営業日の営業終了までの1時間は、設定にかかわらず有効比率が100%を下回ったら強制決済
FXプライム
byGMO
1分以内の間隔 ① 証拠金維持率100%を下回ったら、新規注文と新規注文訂正の受付停止
② 証拠金維持率80%を下回ったらロスカット
なし 日本時間の午前7時(夏時間午前6時)に証拠金維持率100%を下回った場合 →翌午前0時までに不足額が解消 されなければ強制決済
LIGHFT
FX
非公表 証拠金維持率が100%以下に なったとき なし なし
LION FX
(ヒロセ通商)
1~10秒
ごと
有効比率が100%未満となったとき 有効比率が200%を
下回ったとき
なし
みんなのFX 非公表 証拠金維持率が100%以下になった場合 ・ロスカット通知や証拠金不足通知の設定可能
・アプリ版ではアラート通知やロスカット通知のプッシュ通知設定可能
なし
FX
ブロードネット
(ブロード
ライトコース)
非公表 証拠金維持率が以下の割合を下回ったとき
・ブロード20ライトコース(8%)
・ブロード25ライトコース(20%)
・ブロード25ライトMCコース(20%)
・ブロード25ライトSコース(100%)
・MCコース証拠金不足発生時にはメールと口座状況画面で通知
・MCコース以外証拠金不足発生で即時強制決済されるため、口座状況に反映されない
毎営業日の午前6時45分(夏時間は5時45分)に証拠金額判定
・MCコース不足額がある場合、翌午前6時30分(夏時間翌5時30分)までに不足額が解消されなければ強制決済
・MCコース以外証拠金額判定で証拠金不足が判明すれば、即強制決済
マネー
スクエア
非公表 証拠金維持率100%未満 証拠金維持率150%未満
もしくは120%未満
※1営業日1回送信
なし
外為
オンライン
(mini
コース)
非公表 ・L25miniコース証拠金維持率20%を下回った場合
・L25Rminiコース証拠金維持率100%を下回った場合
なし 証拠金判定時刻(米国時間午前6時45分、夏時間は5時45分)に証拠金維持率100%を下回った場合は強制決済
(※各社ホームページを元に筆者作成)

・ロスカット執行までの流れとロスカット水準

ロスカットは損失の拡大を回避するための仕組みである。そのため、ポジション管理が十分ではなく、迅速な判断や適切な損切りもままならない初心者のうちは、ロスカット水準が厳しい方が損失を最小限に抑える効果が高いと考えることもできる。

少額取引可能なFX会社10社のうち、証拠金維持率100%を下回るとロスカットが執行されるのは、外為どっとコム、LIGHT FX、LION FX(ヒロセ通商)、みんなのFX、FXブロードネット(ブロード25ライトSコース)、マネースクエア、外為オンライン(L25Rminiコース)の7口座である。

・追証、強制決済、ロスカットアラートの実施状況

ロスカットアラートや、追証(追加証拠金制度)または強制決済の仕組みも、ロスカット同様に損失額の最小化に寄与する。これらは、全社が導入するロスカットルールと違って、会社によって実施の有無に違いがある。

大きな損失を回避したい場合や、瞬時の判断で損切りする自信がないうちは、ロスカットアラートサービス、追証または強制決済を導入している会社を選んでおくと、心理的な負担が軽減される。

ロスカットアラートは、ロスカットより早い段階で、ユーザーにあと少しでロスカット発動水準に到達することを警告するメール通知である。

少額取引可能なFX会社10社のうち、ロスカットアラートサービスを提供しているのは外貨ex byGMOや外為どっとコムなど、計5社である。

みんなのFXとFXブロードネット(ブロード25ライトMCコース)は、証拠金不足を通知するサービスを実施している。

追証と強制決済は、日次の証拠金維持率判定に基づく制度だ。

毎日所定の時間に算出される(値洗い)証拠金維持率が各社の設定基準を下回った場合、期限までに追加の証拠金を差し入れる、もしくはポジションの一部を決済するなどの方法で、証拠金不足を解消する制度が追証である。期限までに証拠金不足が解消されないと、保有するポジションは自動的に反対売買される。

追証制度を設けているのは、外貨ex byGMO、FXプライムbyGMO、FXブロードネット(ブロード25ライトMCコース)の3口座。

一方、強制決済では、追証を設けず、証拠金維持率が設定基準を下回ったことが判明した時点で、ポジションが自動的に反対売買される仕組みである。

この制度があるのは、外為どっとコム、FXブロードネット(MCコース以外の全ライトコース)、そして外為オンライン(miniコース)である。

4,少額取引可能なFX口座10選の特徴は?

本項では、比較表でとりあげた少額取引可能なFX会社を利用した場合のメリットやデメリット、さらにどのようなタイプのユーザーに使いやすいかを紹介する。(各社の基本情報は2020年12月4日現在)

1,SBI FXトレード:業界最小単位の1通貨単位からトレードできる

・SBI FXトレードの少額取引の特徴・メリット――時間帯を選べば業界最狭スプレッド適用

取扱通貨ペアならどれでも、最小単位である1通貨単位で取引できる希少なFX会社である。

1通貨~1,000通貨までの取引であれば、米ドル/円通貨ペアなら業界最狭0~0.09銭のスプレッドが提示されている。1,000通貨超~100万通貨までの提示スプレッドも0.10~7.80銭なので、スプレッドが開きにくい時間帯を選べば、業界最狭水準0.10銭のスプレッドが適用される見込みが高い。

1,000通貨以下のユーロ/円のスプレッドは0.28~0.30銭、英ポンド/円のスプレッドは0.50~0.69銭など、他の通貨ペアの少額取引スプレッドも、業界最狭水準を期待できる。

・SBI FXトレードの少額取引のデメリット――損失は抑えられるが利益幅は極めて狭い

1通貨単位の取引は取引金額自体が少額なので、利益が出ても、スプレッド分を差し引いて考えると、利益幅は非常に狭くなってしまう。

少額とはいえ、デモトレードにはない緊張感を感じながらトレードできるものの、1通貨ごとの少額取引だけで利益を積み上げるのは難しい。

トレードに慣れてきたら取引金額を増やすなどの対策を取らなければ資産形成にはつながらない。

・SBI FXトレードはどんな人におすすめ?

デモトレードでは成績も好調なのに、リアルトレードになると失敗続きという人に、真っ先におすすめしたいFX会社である。1通貨単位の超少額取引であっても自己資金を投入するので、デモトレードより緊張感も格段に上がる。

自己資金が不足している人にも、少ない証拠金でFXを始められるのでおすすめだ。

・SBI FXトレードの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1通貨単位
スプレッド
(1~1,000通貨)
米ドル/円:0.00~0.09銭
ユーロ/円:0.28~0.30銭
ポンド/円:0.50~0.69銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)6(売)-8
トルコリラ/円:(買)24(売)-29
メキシコペソ/円:(買)4(売)-6
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料(入金額は1,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
・ロスカット手数料:無料
リスク管理 ・ロスカットアラートなし
・証拠金維持率50%を下回るとロスカット発動
・原則的に追証、強制決済はなし
(※SBI FXトレードのホームページを元に筆者作成)

2,外貨ex byGMO:PayPayをためられる唯一のFX会社

・外貨ex byGMOの少額取引の特徴・メリット――狭いスプレッドと信頼できるリスク管理体制

外貨ex byGMOの原則固定スプレッド(午前9時~翌午前3時)は業界最狭水準。スプレッドの狭さは、1,000通貨単位の少額取引には必須ともいえる条件の一つなので、外貨ex byGMOは少額取引を考える初心者にとって有力候補となるFX会社だ。

外貨ex byGMOのもう一つのメリットは、会社のFX口座運営にかかわる信頼性の高さだ。

NY市場がクローズして東京市場がオープンするまでの時間帯は、1日のうちで最も市場参加者が少ないため、スプレッドが開きやすい。外貨ex byGMOでは、公式ホームページ上で、通常の約10倍にも広がる午前3時から午前9時のスプレッドも開示している。

早朝のスプレッドの広さが数値化されていることで、初心者でもこの時間帯がコスト高になるリスクを認識しやすくなり、不用意にスプレッドで利益を失う事態を避けられる。

さらに、顧客資産のリスク管理体制がきめ細かであるのも信頼できる大きな理由だ。外貨ex byGMOは、ロスカットルールと合わせて、ロスカットアラートのメール通知と追証で、顧客資産の損失最小化に積極的に取り組んでいる。きめ細かなリスク管理体制は、ポジション管理に慣れていない初心者には心強い。

・外貨ex byGMOの少額取引のデメリット――少額取引のままだと、PayPay特典を受けられない

外貨ex byGMO最大の特徴であるPayPay(もしくは現金)プレゼントキャンペーンにおいて、残念ながら、1,000通貨の少額取引だけでは特典付与の権利を得られない。

2020年12月4日現在で実施中のキャンペーンは、直近4週間の新規約定数量合計が10万通貨以上だった顧客が対象になっている。対象顧客の、月曜日の東京オープンから金曜日のNYクローズまでの1週間の新規約定数量合計が1万通貨以上だった場合に、新規約定に対して特典が付与される。

別途実施されている新規口座開設+取引キャンペーンでも、キャッシュバック特典を受けるためには、口座開設完了から翌々月末、つまり3ヵ月以内に100万通貨以上取引する必要がある。1万通貨未満の約定分は特典付与対象外になる。

資金が少なく、少額取引を行う投資家にとって、4週間で10万通貨、1週間で1万通貨、ましてや3ヵ月以内に100万通貨を超える取引は現実的でない。たとえ、取引単位が1万通貨である南アフリカランド/円、トルコリラ/円、あるいはメキシコペソ/円で集中的にトレードしたとしても、条件達成は極めて難しい。

外貨ex byGMOのPayPayプレゼントを期待する人は、資金がたまって取引量が増えてからのお楽しみにとっておくしかないだろう。

・外貨ex byGMOはどんな人におすすめ?

外貨ex byGMOは主要なコストであるスプレッドが狭いだけでなく、顧客に対するリスク開示やリスク管理が積極的なFX会社である。

FX初心者でも、コストと損失額を可能な限り限定し、堅実に取引を続けたい人には、外貨ex byGMOはベストな選択になるだろう。

さらに、PayPayユーザーにとっては、将来のPayPay付与特典を励みにすれば、FXトレードのモチベーションアップにつながるかもしれない。

・外貨ex byGMOの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
※南アフリカランド/円、トルコリラ/円、メキシコペソ/円、
人民元/円、香港ドル/円は1万通貨単位
スプレッド①
(午前9時~翌午前3時)
米ドル/円:0.2銭
ユーロ/円:0.5銭
英ポンド/円:1.0銭
スプレッド②
(午前3時~午前9時)
米ドル/円:4.0銭
ユーロ/円:6.0銭
英ポンド/円:10.0銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)8(売)-23
トルコリラ/円:(買)10(売)-25
メキシコペソ/円:(買)4(売)-19
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料(入金額は2,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・円貨出金手数料:無料
・外貨出金手数料:1回1,500円
(月間100万通貨以上の場合、手数料を翌月返却)
・ロスカット/強制決済手数料:無料
リスク管理 ・証拠金維持率100%でロスカットアラート
・NYクローズごとに値洗い、追証チェック
・追証発生日の24時までに解消されなければ強制決済
・証拠金維持率50%を下回るとロスカット発動
(※外貨ex byGMOのホームページを元に筆者作成)

3,外為どっとコム:初心者が使いやすい投資環境を完備

・外為どっとコムの少額取引の特徴・メリット――豊富な投資情報量と低コスト体制

取引単位が1,000通貨(ロシアルーブル/円のみ 10,000 通貨)であるか、1万通貨であるかにかかわらず、外為どっとコムを利用することで得られる最大のメリットは、業界屈指の多彩さを誇る投資情報を閲覧できることだ。

外為どっとコムが設立した業界初の外国為替専門シンクタンク、「外為どっとコム総合研究所」では、FX初心者でも分かりやすいレポートを多数定期配信している。オウンドメディアの「外為情報ナビ」でも、利用価値の高いさまざまな投資情報が配信されている。

少額取引が主体のFX初心者には、いずれもFXでの資産形成に大いに役立つはずだ。

キャンペーン期間中のスプレッドの狭さは言うまでもなく、通常の原則固定スプレッドは業界最狭水準である。その上、あらゆる手数料が無料。手数料無料の入出金には最低限度額も設けられておらず、その都度必要な金額だけを入出金できるため、無駄がなく使い勝手もよい。

高金利通貨ペアのスワップポイントの高さも大きな魅力だ。スワップポイント狙いのFX投資には外せないFX会社だ。

・外為どっとコムの少額取引のデメリット――リスク管理体制が厳格で窮屈に感じることも

外為どっとコムのロスカットルールでは、ユーザーが自分でロスカットレベルを有効比率(いわゆる証拠金維持率)50%から100%の間で、10%刻みに設定することになっている。

一見柔軟性のあるルールではあるが、そもそも、自分の投資技術を正確に見積もって、ロスカットレベルを適切に設定することは、経験値のないFX初心者には難易度が高い。

外為どっとコムには、営業終了前の1時間は、ロスカットレベルとは無関係に、有効比率100%を下回ると強制決済されるルールもある。

このルールは、まったくの初心者にとっては資産を守るための重要な機能であるが、トレードに慣れて自分なりの判断基準ができてきた人には、裁量がきかず、窮屈な仕組みに感じられるだろう。

・外為どっとコムはどんな人におすすめ?

今後、FXで資産を形成していきたいと考えている人にとっては、FXについてイチから学び、レベルに合わせた投資戦略を身に付けられる外為どっとコムは、またとない学びの場になるはずだ。

当面は、できるだけ厳格な基準のもと、損失リスクを最小限に抑えたい人にとっても、外為どっとコムはベストチョイスになるのではないか。

高金利通貨のスワップポイントをためることからFXを始めたいという初心者にも、高スワップと低コストの外為どっとコムは最良の選択になるだろう。

・外為どっとコムの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
スプレッド①
(午前9時~翌午前3時)
※2022年3月7日(月)午前9時
~2022年4月2日(土)午前3時
ユーロ/円:0.4銭
ポンド/円:0.7銭
(原則固定※例外あり)
スプレッド②
(午前3時~午前9時)
米ドル/円:0.2銭
ユーロ/円:0.5銭
ポンド/円:1.0銭
(原則固定※例外あり)
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)8(売)-18
トルコリラ/円:(買)1(売)-31
メキシコペソ/円:(買)6(売)-16
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
・ロスカット/強制決済手数料:無料
リスク管理 ・有効比率200%でロスカットのアラートメール送信
・ロスカットレベルに関係なく、
毎営業日の営業終了前1時間に、
有効比率100%を下回ると強制決済
・有効比率50~100%の間で10%刻みに設定した
ロスカットレベルを下回るとロスカット発動
(※外為どっとコムのホームページを元に筆者作成)

4,FXプライムbyGMO:システムの信頼性が高いGMOインターネットグループのFX会社

・FXプライムbyGMOの少額取引の特徴・メリット――スリッページの少なさと高スワップ

FXでは不利なスリッページ(指定したレートより不利なレートで約定してしまうこと)が発生すると、予定された利益が目減りしてしまう。1,000通貨のような少額取引は利益幅が小さいので影響は甚大だ。

その点、FXプライムbyGMOならスリッページが少ないので、少額取引が主体の初心者でも安心して取引できる。

FXプライムbyGMOのシステムは強靭で安定しているのが特徴だ。ユーザーからも、約定拒否の心配がほとんどなく、それほど大きなズレが生じることもないと高く評価されている。

さらに、業界トップクラスの高いスワップポイントや20種類以上の豊富なマーケット情報も、FXプライムbyGMOの大きな魅力になっている。

短期でも長期でも、メリットのあるFX会社だといえるだろう。

・FXプライムbyGMOの少額取引のデメリット――少額取引に取引手数料、その他手数料も

1,000通貨単位で取引したいFX初心者にとって、FXプライムbyGMOの決定的なデメリットは、1万通貨未満の少額取引に1通貨あたり片道3.0銭の取引手数料がかかってしまうことだ。

米ドル/円のスプレッドが片道0.3銭であることに比べると、3.0銭の手数料はかなり割高だ。FXプライムbyGMOで少額取引するならば、取引ツールに慣れるため、スワップポイントをためるため、あるいは投資情報を閲覧するためなどと割り切って、取引手数料をFXレッスン代程度に考える必要がある。

米ドル/円を除く通貨ペアの原則固定スプレッドは業界最狭水準とはほど遠い。流通量の少ない早朝のスプレッドもかなり開いており、狭さをアピールしているFX会社に比べると見劣りしてしまう。

ロスカットや強制決済が執行されると、手数料が1通貨あたり5銭もしくは0.5銭発生するので、大きなコスト負担になる。

FXプライムbyGMOはスプレッド以外のコスト発生リスクが高く、低コスト重視の投資家には不向きな投資環境だ。

・FXプライムbyGMOはどんな人におすすめ?

FXプライムbyGMOは、将来的にFXプライムbyGMOの強靭なシステムを活かしたスキャルピングを念頭に置いている人、長期投資を前提としたスワップポイント目的の投資を考えている人、もしくは豊富な投資情報だけを利用したい人には適したFX会社だと考えられる。

・FXプライムbyGMOの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
スプレッド①
(午前8時~翌午前4時)
米ドル/円:0.3銭(1取引50万通貨以下)
ユーロ/円:0.6銭
ポンド/円:1.1銭
スプレッド②
(午前4時~午前8時)
米ドル/円:6.0銭(1取引50万通貨以下)
ユーロ/円:10.0銭
ポンド/円:12.0銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)7(売)-7
トルコリラ/円:(買)25(売)-35
メキシコペソ/円:(買)5(売)-5
各種手数料 ・取引手数料:無料
※ただし、1,000通貨単位の取引については、
1通貨あたり片道3.0銭の取引手数料 ・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
・ロスカット/強制決済手数料:1通貨あたり片道5銭(税込)
※南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は片道0.5銭(税込)
リスク管理 ・営業日のNYクローズ時点の維持率が100%を下回ると強制決済
・ロスカットの執行
①    維持率100%を下回ると、新規注文と新規注文訂正の受付を停止
②    維持率80%を下回るとロスカット発動
(※FXプライムbyGMOのホームページを元に筆者作成)

5,LIGHT FX:シンプルで初心者が使いやすいFX会社

・LIGHT FXの少額取引の特徴・メリット――最狭レベルのスプレッドと高スワップポイント

FXサービスだけを唯一提供しているLIGHT FXの特徴は、ズバリ、スプレッドの狭さとスワップポイントの高さにある。

コストをできるだけ抑えたい少額取引主体の投資家には、LIGHT FXの業界最狭スプレッドは利益確保のための強力の武器となる。

利ざやを狙ったトレードに不慣れな初心者にとっては、業界最高水準のスワップポイントは、ポジションを保有したままでも利益が積み上がる絶好の投資機会だ。

FX以外のサービスがないため、狭いスプレッドと高いスワップポイントをFX会社選びの基準にしている初心者には、LIGHT FXは最有力候補のFX口座だ。

・LIGHT FXの少額取引のデメリット――投資情報の量と質に限界も

1,000通貨単位の取引を望むようなFX初心者には、デメリットになる要素が見当たらないだろう。

ただし、経験を積んで中上級者としてトレードするようになると、投資情報の質や量、チャート機能の性能などに物足らなさを感じるかもしれない。

LIGHT FXでも取引に必要な最低レベルの情報は得られる。しかしながら、より掘り下げた各国の経済状況や市場分析、専門家からの投資戦略などを入手できないので、利益拡大につながる投資戦略立案には役不足と感じる可能性がある。

・LIGHT FXはどんな人におすすめ?

FXの知識が少ないこれからFXを始める人には、サービスやツールがシンプルで分かりやすく、低コスト・高スワップを徹底していることから、真っ先におすすめできるFX会社である。

・LIGHT FXの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
スプレッド①
(2020年12月23日まで)
米ドル/円:0.1銭
ユーロ/円:0.3銭
ポンド/円:0.5銭
スプレッド②
(取引可能な全時間帯)
米ドル/円:0.2銭
ユーロ/円:0.4銭
ポンド/円:0.9銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)10(売)-10
トルコリラ/円:(買)1(売)-1
メキシコペソ/円:(買)7.1(売)-7.1
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・ダイレクト入金手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料(出金額は2,000円以上)
・ロスカット手数料:無料
リスク管理 ・ロスカット通知、証拠金不足通知、アラート通知あり
・証拠金維持率100%を下回ると、ロスカット発動
(※LIGHT FXのホームページを元に筆者作成)

6, LION FX(ヒロセ通商):セミプロやプロ好みの本格派FX会社

・LION FXの特徴・メリット――人気通貨ペアの業界最狭スプレッドと最強の取引ツール

LION FXでは、米ドル/円、豪ドル/円、NZドル/円、ユーロ/米ドルなど、日本国内で人気の高い通貨ペアに対して、業界最狭水準のスプレッドを提示している。

その上、信頼性の高いシステムに加えて、利便性、機能性、性能、情報量などあらゆる面において秀でた取引ツールも提供しており、スキャルピング目的でLION FXを利用するセミプロやプロも少なくない。

スキャルパーが好むこうした環境、とりわけ主要通貨ペアの業界最狭水準のスプレッドは、初心者に適した1,000通貨という少額取引に不可欠な条件の一つだ。

ニュースやマーケット情報、プロの投資戦略など、情報量が豊富な取引ツールも、初心者の技術向上をサポートする。

・LION FXのデメリット――ユーザーのレベルの高さに圧倒される恐れあり

LION FXにはセミプロやプロのユーザーも多く、27種類もの多彩な注文方法や高度なチャート機能、専門性の高い情報がそろっている。それが逆に、FX初心者にとって、難易度の高いFX会社という印象を与えてしまう可能性がある。

プロフェッショナルな雰囲気に臆することなく、マイペースに少額取引で地道に経験を積んでいく覚悟も必要になるだろう。

・LION FXはどんな人におすすめ?

スプレッドが狭く、余分な手数料もほとんど発生しないので、投資家のレベルを限定しないFX会社だといえる。

その中でも、将来的にFXでまとまった利益を得たいと考えている本格志向の強い人、スキャルピングを主な投資手法とするデイトレーダーを目指している人には最適な環境になるだろう。

・LION FXの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
スプレッド
(1~1,000通貨)
米ドル/円:0.2銭
ユーロ/円:0.4銭
ポンド/円:1.0銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)6(売)-16
トルコリラ/円:(買)6(売)-36
メキシコペソ/円:(買)6(売)-11
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料
(入金額は1万円以上、ジャパンネット・みずほ・三井住友銀行を除く)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料(出金額は1,000円以上、100万円以下)
・ロスカット手数料:無料
リスク管理 ・有効比率200%を下回るとアラートメール送信
・有効比率100%を下回ると、ロスカット発動
(※LION FXのホームページを元に筆者作成)

7,みんなのFX:分かりやすくてバランスのとれたFX口座

・みんなのFXの特徴・メリット――スプレッドとスワップポイントに強み、丁寧な解説も

業界最狭水準のスプレッドと業界最高水準のスワップポイント、この2つはみんなのFXを代表する魅力である。

それに加えて、公式ホームページ上で初心者向けに設けられている、丁寧で分かりやすい解説ページは秀逸だ。これからFXを始めるならば、みんなのFXの公式ホームページを利用すると、効率よくFXの基礎知識を習得できる。

上述のLIGHT FXとは姉妹口座なので、提供されている投資情報や取引ツール、スマホアプリもほぼ同じ。必要最小限の機能や情報を、シンプルに提供している。

・みんなのFXのデメリット――より詳しい経済動向や投資戦略などの情報が少ない

みんなのFXが提供する情報は、初心者のFX取引に必要な投資情報としては十分だ。それに対して、為替相場の緻密な分析や、世界各国のより詳しい経済動向、高度なチャート分析、専門家の投資戦略情報など、一歩踏み込んだ情報が乏しい。

FXトレードで成功率をより一層上げたい人や、もっと精密なチャート分析方法を学びたい人、プロトレーダーを目指す人にとっては、みんなのFXの投資情報だけでは、質的にも量的にも心もとないだろう。

・みんなのFXはどんな人におすすめ?

FXを基礎からしっかり学んで理解を深めながら、着実に経験を積み重ねたい人にはピッタリのFX口座である。

トレードに慣れるまでは、スワップポイントを地道にためていきたいと考える人にもおすすめだ。

・みんなのFXの少額取引に関する基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
スプレッド
(1~1,000通貨)
米ドル/円:0.2銭
ユーロ/円:0.4銭
ポンド/円:0.8銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)8.1(売)-8.1
トルコリラ/円:(買)1(売)-1
メキシコペソ/円:(買)5.1(売)-5.1
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・ダイレクト入金手数料:無料(入金額は5,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料(出金額は2,000円以上)
・ロスカット手数料:無料
リスク管理 ・ロスカット通知、証拠金不足通知、アラート通知あり
・証拠金維持率100%を下回ると、ロスカット発動
(※みんなのFXのホームページを元に筆者作成)

8,FXブロードネット(ブロードライトコース):自動売買サービスも提供するFX会社

・FXブロードネットの特徴・メリット――米ドル/円のスプレッドが最狭水準、トラッキングトレードも人気

FXブロードネットでは、通常の取引単位が1万通貨のブロードコースとは別に、FX初心者向けに、取引単位が1,000通貨のブロードライトコースを用意している。

初心者が最初に取引する通貨ペアは、流通量が多く、落ち着いた値動きをする米ドル/円がおすすめだ。ブロードライトコースを選択する初心者にとって一番のメリットは、米ドル/円を含む人気通貨ペアのスプレッドが業界最狭水準であることだ。

米ドル/円のスプレッドは0.2銭、ユーロ/円は0.5銭、豪ドル/円は0.6銭といった具合だ。これなら、少額取引による少ない利益をスプレッドで無駄に使ってしまうこともない。

FXブロードネットでは、裁量取引以外に自動売買の「トラッキングトレード」も利用できる。裁量取引に不安を感じる人や、トレードする時間の余裕がない人でも、機械的にFX取引をして、利益を積み上げられるチャンスを得られる。

・FXブロードネットのデメリット――自動売買には取引手数料が発生する

せっかくのトラッキングトレードであるが、利用に際しては、ブロードライトコースの場合、新規注文と決済注文のそれぞれに対して、1,000通貨ごとに20円の取引手数料が発生する。(ブロードコースは1万通貨ごとに200円)

自動売買は何度も新規注文と決済注文を繰り返すので、片道注文ごとに取引手数料が発生すると、その分利益を圧縮してしまう。注文に際しては、取引手数料を上回る利益を確保できるように条件を指定する必要がある。

もう1点、高金利通貨ペアの取り扱いが南アフリカランド/円だけであり、トルコリラ/円やメキシコペソ/円を選択できないこともデメリットに挙げられるだろう。南アフリカランド/円の取引については、ブロードライトコースでも、1万通貨単位であることに注意したい。

・FXブロードネットはどんな人におすすめ?

FXを始めるにあたって、利ざやを狙うなら米ドル/円だけ、あるいはスワップポイント狙いなら南アフリカランド/円だけに絞って経験値を上げていきたい人には、FXブロードネットは良い選択肢になる。

着実に利益を確保する手法として自動売買の利用を視野に入れている人にも、おすすめできるFX会社だ。

・FXブロードネット(ブロードライトコース)の少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
※南アフリカランド/円は1万通貨単位
スプレッド
(1~1,000通貨)
米ドル/円:0.2銭
ユーロ/円:0.5銭
ポンド/円:1.0銭
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)6(売)-18
※トルコリラ/円とメキシコペソ/円の取り扱いなし
各種手数料 ・取引手数料:無料
(トラッキングトレードでは片道20円の取引手数料が発生)
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料
・マッチング入金:自己負担
・出金手数料:無料
・ロスカット/強制決済手数料:無料
リスク管理 【強制決済】
(対象:ブロード20ライトコース、ブロード25ライトコース)
午前6時45分(夏時間5時45分)の値洗いで、
証拠金維持率100%を下回った場合は強制決済

【追証】
(対象:ブロード25MCコース)
午前6時45分(夏時間5時45分)時点で追証が発生した場合、
翌午前6時30分(夏時間5時30分)までに
不足額を解消できなければ強制決済

※ブロード25ライトSコースは強制決済と追証の対象外

【コース別のロスカット水準】
・ブロード20ライトコース:維持率8%
・ブロード25ライトコース:維持率20%
・ブロード25ライトMCコース:維持率20%
・ブロード25ライトSコース:維持率100%
(※FXブロードネット(ブロードライトコース)のホームページを元に筆者作成)

9,マネースクエア:8割の顧客が自動売買サービスを利用しているFX会社

・マネースクエアの特徴・メリット――堅実に長期で増やすなら自動売買「トラリピ」

取引単位が1,000通貨(南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は1万通貨)なので、初心者でも損失リスクを抑えながらFXを始めることができる。

少額取引以上にマネースクエアを特徴づけているのが、顧客の8割以上が利用する人気の自動売買サービス、「トラリピ」である。

トラリピは自動売買サービスながら、取引手数料が無料であることも魅力の一つだ。いったん設定すれば、為替相場を監視する必要もなく、長期の運用で利益を上げることができる。

トラリピも1,000通貨単位でポジションを建てられるので、時間や資産の細かな分散で、リスクを軽減できる効果もある。

・マネースクエアのデメリット――スプレッドが開示されていない、情報がトラリピ寄り

マネースクエアの公式ホームページでは、一般向けにスプレッドが開示されていない。そのため、スプレッドの幅を客観的に他社と比較できない。

高金利通貨ペアのスワップポイントも高くないので、スワップポイント狙いの取引にも向いていない。

さらに、マネースクエアの主力サービスはトラリピであるため、全体として投資戦略情報がトラリピに役立つものが目立つ。

トラリピ以外でマネースクエアを利用すると、情報不足と使い勝手の悪さを感じるだろう。

・マネースクエアはどんな人におすすめ?

低コストで自動売買したいと考えている人、あるいは長期運用でコツコツ利益を上げたい人には、取引手数料無料のトラリピを利用できるマネースクエアはおすすめだ。

・マネースクエアの少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
※南アフリカランド/円と
メキシコペソ/円は1万通貨単位
スプレッド
(1~1,000通貨)
非公表
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)2(売)-14
トルコリラ/円:(買)3(売)-53
メキシコペソ/円:(買)2(売)-7
各種手数料 ・取引手数料:無料
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
・ロスカット手数料:無料
リスク管理 ・証拠金維持率150%未満、 および120%未満でアラートメール送信(いずれも1日1回)
・証拠金維持率100%未満でロスカット発動
(※マネースクエアのホームページを元に筆者作成)

10,外為オンライン(miniコース):ロスカット水準の異なる2つのコース

・外為オンラインの特徴・メリット――情報コンテンツが豊富、リスクを抑えた取引ができる

外為オンラインのminiコースは、取引単位が1,000通貨の少額取引向けのコースである。初心者は、損失額を抑えられるminiコースで取引する方が望ましい。

1万通貨の通常コースかminiコースかを問わず、誰でも、ニュース、マーケット情報、投資戦略、専門家のレポートなど、多彩な情報コンテンツを閲覧できる。FX技術向上には最適な環境だ。

外為オンラインは全般的に、顧客資産のリスク管理に厳格であるが、ロスカット水準の違う2コースから、自分の投資スタイルや経験に合わせてコースを選べるのはメリットだ。

・外為オンラインのデメリット――スプレッドが広い、自動売買には取引手数料がかかる

外為オンラインで最も気になるデメリットはスプレッドの広さだ。米ドル/円でも1point(1銭)の広さなので、スプレッドだけに注目すると、即座に候補から外れてしまう。

miniコースのような少額取引では、上昇トレンド、下降トレンドがはっきり表れた相場を除くと、利益を出すのが難しいだろう。

自動売買の「iサイクル2取引」は、システムが自動でトレンドを見極めて注文を出し続ける便利なサービスであるが、取引手数料が発生するのが難点だ。

新規注文と決済注文のそれぞれに1,000通貨あたり(南アフリカランド/円、メキシコペソ/円は1万通貨あたり)20円(税込)の取引手数料がかかるので利用する際には気を付けたい。

・外為オンラインはどんな人におすすめ?

豊富な情報コンテンツを閲覧して、自分の投資技術を向上させたい人には、外為オンラインは最適なFX会社である。

チャート分析技術をしっかりと学び、世界の経済動向や相場予想を参照した上で、少額取引を実践してみよう。これによって、広めのスプレッドを大きく上回る利益が出せるかもしれない。

・外為オンライン(miniコース)の少額取引の基本情報

取引通貨単位 1,000通貨単位
※南アフリカランド/円と メキシコペソ/円は1万通貨単位
スプレッド
(1~1,000通貨)
米ドル/円:1point(1.0銭)
ユーロ/円:2point(2.0銭)
ポンド/円:4point(4.0銭)
スワップポイント 南アフリカランド/円:(買)10(売)-30
トルコリラ/円:(買)0(売)-65
メキシコペソ/円:(買)5(売)-15
各種手数料 ・取引手数料:無料
(iサイクル2取引は1,000通貨あたり、もしくは南アランド/円とメキシコペソ/円では1万通貨あたり 片道20円の取引手数料が発生)
・口座開設費/口座管理手数料:無料
・クイック入金手数料:無料(初回預入額は5,000円以上)
・銀行振り込み手数料:自己負担
・出金手数料:無料
・ロスカット/強制決済手数料:無料
リスク管理 【強制決済】
証拠金判定時刻(米国時間6:45、米国夏時間5:45)に、
証拠金維持率が100%を下回った場合は強制決済

【コース別ロスカット水準】
・L25miniコース:証拠金維持率20%
・L25Rminiコース:証拠金維持率100%
(※外為オンライン(miniコース)のホームページを元に筆者作成)

5,FXで少額取引をする注意点は?

FXの少額取引は、損失を最小限に抑えながら取引できることから、初心者におすすめだ。その反面、少額取引ならではの注意点もある。代表的な注意点を以下で確認しておこう。

注意点1,スプレッドが広がるタイミングを外すこと

例外もあるが、基本的にスプレッドはFX唯一のコストである。

少額取引は取引金額が小さいため、必然的に利幅も狭くなる。スプレッドが広いと、貴重な利益を減らすことになるので、少額取引では狭いスプレッドでトレードすることが大前提だ。

市場参加者が少なくなり流通量が減る早朝や、重要経済指標の発表前後など、スプレッドが広がりやすい時間帯を避けて取引するように徹底したい。

注意点2,取引手数料が無料であることをチェックすること

FXでは、裁量取引による1万通貨単位の取引手数料は無料だ。ただし、FX会社によっては、1,000通貨、100通貨といった少額取引や、自動売買サービスでは取引手数料が発生することがある。

少額取引ではコストを最小限に抑える必要があるため、少額取引手数料もしくは自動売買手数料が発生しないFX会社を選ぶ方が好ましい。

コスト以外に大きな魅力のあるFX会社であれば、追加的な手数料発生も許容できることもある。まずは、自分がFX会社に求める条件に優先順位を付けることが先決だろう。

注意点3,スリッページが起きにくいFX会社を選ぶこと

指定したレートより不利な条件に約定レートがすべると、ずれた価格分が実質的な損失になってしまう。少ない利益を温存するために、このようなスリッページによる損失は可能な限り避けなければならない。

FX会社を選ぶ際に確認すべきなのは、取引システムの処理スピードの速さと強靭さだ。

スリッページを最小限に抑えて、希望どおりのレートで約定できるように、各社のサイトで取引システムの性能を値踏みしてから、FX会社を決めてほしい。

6,少額取引はリスクを抑えたリアルトレードの第一段階

大きな仮想資金を使ってダイナミックなデモトレードを行ったり、デモトレードの中で自分の投資戦略を確立したりするのも、トレーニングの一環としてはよいだろう。

デモトレードとリアルトレードでは、約定までのスピード感や実際の値動きの様子が違うだけでなく、リアルトレードには自己資金を投入することによる見えないプレッシャーものしかかる。

リアルトレードに移行してしばらくの間は、トレードの勝率はなかなか上がらない。こうした状態が続く間は、損失をできるだけ抑えることを第一に考えた方がよい。そして、損失リスク対策の第一段階が少額取引なのだ。

少額取引は、低リスクで実践経験を積みながら、より大きなトレードへの基礎固めをする機会であると心得よう。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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