経済成長が続くベトナムを投資先として注目している人は少なくないだろう。日本でベトナム株を取引できるおすすめの証券会社はどこか。ここでは、ベトナム株式市場の特徴や各証券会社のメリット・デメリットなど、ベトナム株投資をするために必要な情報を紹介しよう。

1.ベトナムとベトナム株式市場の3つの特徴

ベトナム株,証券会社,おすすめ
(画像=KnoB/stock.adobe.com)

まずは、ベトナムとその経済、株式マーケットの特徴を確認しておこう。

特徴1……ベトナムは人口が増加中で経済成長が著しい

ベトナムの国名は「ベトナム社会主義共和国」で、共産党一党体制の社会主義国家だ。ベトナムの政治は比較的安定しており、治安も良好だといわれている。日本企業を含む多くの外国企業が、ベトナムに進出している。

ベトナムの人口は9,000万人を超え、今もなお増加中だ。2020年代に1億人を超えて、2050年まで人口増加が予想される。

ベトナム経済は順調に成長しており、GDP成長率は2000年から20年連続で5%を超え、2019年は7%成長した。人口増加を追い風に、今後もベトナム経済は成長を続けるだろう。

特徴2……ベトナム株式市場で時価総額上位は銀行・不動産・製造業など

ベトナムの株式市場の歴史は20年ほどと比較的浅い。ベトナムの時価総額の上位には銀行や不動産、食品メーカー、鉄鋼・ゴム製品などの製造業、ガスなどのエネルギー企業などがある。

また、自動車やスマートフォンなどを手掛けるグループ企業やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するIT企業などもある。

成熟企業からベトナムの経済成長を牽引する成長企業まで、ベトナム株式市場にはさまざまな企業が上場している。

特徴3……ベトナムの代表的な株価指数はVNインデックスなど

ベトナムの代表的な株価指数に、VNインデックス(ベトナムVN指数)とHNXインデックスがある。

VNインデックスはベトナム株式市場を代表する株価指数で、ホーチミン市にあるホーチミン証券取引所に上場する全銘柄で構成される。

HNXインデックスは、ハノイ市にあるハノイ証券取引所に上場する銘柄で構成される。その他に、ハノイ証券取引所に上場する30銘柄で構成されるHNX30インデックスなどもある。

2.ベトナムの3つの株式市場とは…ホーチミン、ハノイ、UPCoMの特徴を紹介

前述のとおり、ベトナムにはいくつかの株式市場がある。ここからは、ベトナムの3つの株価市場を紹介しよう(※データは2020年12月30日時点)。

ホーチミン証券取引所の特徴…多くのベトナム大企業が上場する代表的な証券取引所

ホーチミン証券取引所(Ho Chi Minh Stock Exchange:HOSEまたはHSX)は、2000年にスタートしたベトナム最大の証券取引所だ。

ベトナムの民間大企業の多くは、HOSEに上場している。そのためベトナム株の取引を始めるならHOSEの上場銘柄から確認するのがよいだろう。上場銘柄数は399である。

これまでHOSEの株式の売買単位は10株単位だったが、2021年1月から100株単位に変更された。これにより、HOSE と後述するハノイ証券取引所の売買単位はどちらも100株単位になる。

ハノイ証券取引所の特徴…中小企業が多いベトナム第二の証券取引所

ハノイ証券取引所(Hanoi Stock Exchange:HNX)は、2005年にHaSTC(Hanoi Securities Trading Center)として運用が開始され、2009年にハノイ証券取引所として再スタートしたベトナム第二の証券取引所だ。

HNXに上場している企業は中小企業が多いが、ハノイに拠点を持つ一部の大企業も上場している。上場株式数は352、売買単位は100株単位だ。

UPCoM市場の特徴…ハノイ証券取引所が運営する未上場企業の株式市場

UPCoM(Unlisted Public Company Market)市場は、ハノイ証券取引所が運営する未上場企業の株式市場であり、2009年にオープンした。

オープンから2015年までの登録銘柄数は100以下で推移していたが、2016年から登録銘柄が大幅に増え、現在の銘柄数は907だ。

ただしベトナム株を取引できる日本の主な証券会社は、現在のところUPCoM市場の株式取引には対応していない。

3.ベトナム株を取引できるおすすめ証券会社4社を徹底比較

ベトナム株を取引できる日本の証券会社はあまり多くない。ベトナム株取引に対応する日本の主な証券会社4社を比較してみよう。

ベトナム株 国内証券会社 比較        
  アイザワ証券 SBI証券 岩井コスモ証券 むさし証券
対象市場 ・ホーチミン
・ハノイ
・ホーチミン
・ハノイ
・ホーチミン
・ハノイ
・ホーチミン
銘柄数
または
対象の銘柄
277
(2020年
9月末時点)
322
(2020年
12月26日
時点)
岩井コスモ証券の
基準を満たすもの
むさし証券の
基準を満たすもの
ネット取引 対応 対応 未対応 未対応
リアルタイム取引 対応 未対応 未対応 未対応
取引手数料
(税込)

約定金額の
1.65~2.20%

最低取引手数料
5,500円
(買いの場合のみ)

約定金額の
2.2~2.926%

最低取引手数料
132万ベトナムドン
(約5,940円)
(売却金額が
最低手数料未満
の場合は約定代金の
55%)

約定金額の
2.2%

最低取引手数料
5,500円
(売却金額が
5,500円未満
の場合は約定代金の
55%)

約定金額の
2.2%

最低取引手数料
5,500円
(売却金額が
10,000円以下
の場合は約定代金の
55%)

為替手数料
1万ドン取引時
(円換算時
手数料率)
2円
(約4.4%)
2円
(約4.4%)
2円
(約4.4%)
1.5円
(約3.3%)
決済方法 ・外貨決済
・円貨決済
・外貨決済 ・外貨決済 ・外貨決済
・円貨決済
※各証券会社のウェブサイトおよび問い合わせの回答から筆者作成
※1ベトナムドン(VND)=0.0045円で換算(2020年12月25日時点)

アイザワ証券のインターネット・モバイル発注でベトナム株を取引する場合、この中で最低の取引手数料である1.65%が適用される。

ベトナム株の最低取引手数料はSBI証券以外横並びだが、アイザワ証券では買いの場合のみ最低取引手数料5,500円が設定されている。SBI証券の最低取引手数料は、現在のベトナムドンの為替レートでは他社に比べて不利だ。

為替手数料は、むさし証券が1.5円(1万ドン取引時)と最も低い。ベトナム株のネット取引に対応しているのはアイザワ証券とSBI証券であり、アイザワ証券はリアルタイム取引にも対応している。

4.ベトナム株を取引できるおすすめ証券会社4社の特徴 メリットやデメリットは?

ベトナム株を取引できる日本の証券会社4社の特徴とメリット・デメリット、その証券会社に向いている人について解説しよう。

アイザワ証券…ベトナム株のリアルタイム取引に対応するアジア株に強い証券会社

アイザワ証券はアジアの12市場の株式を取り扱う、アジア株取引に強い証券会社だ。アジア株の取扱市場数と銘柄数は業界最高水準であり、ベトナム株のリアルタイム取引にも対応している。

アイザワ証券の創業は1918年と100年以上の歴史があり、関東から九州地域を中心に55店舗を展開する。店舗での対面取引はもちろんのこと、インターネット取引にも力を入れている。

オンライントレードのツールは国内株、アジア株、投資信託を取引できる「ブルートレード」で、国内株と同様の操作でアジア株を売買できる。

また日本株、米国市場、アジア12市場などのマーケット情報を提供する投資情報ツール「グローバルナビゲーター」を無料で利用できる。

アイザワ証券はアジア株の投資情報が充実しており、「アジア株式市場の見通し」や毎月発信される「アジア・マンスリー」などが参考になる。また「ベトナム現地情報」はベトナム現地子会社から毎営業日発信されており、現地の情報を得るのに大変便利だ。

アイザワ証券 ベトナム株 特徴
対象市場 ホーチミン証券取引所、ハノイ証券取引所
取扱銘柄数 276(2020年12月末時点)
ネット取引 対応
リアルタイム取引 対応
取引時間 前場 日本時間11:00~13:30(現地時間9:00~11:30)
後場 日本時間15:00~16:45(現地時間13:00~14:45)
当日注文締め時刻:日本時間16:25
取引手数料
(税込)
<インターネット・モバイル注文>約定金額の1.65%
<コールセンター注文>約定金額の1.98%
<対面または営業員への注文>約定金額の2.2%
最低取引手数料はどの注文方法でも5,500円(買いの場合のみ)
為替手数料
1万ドン取引時
2円(約4.4%)
決済方法 ・ベトナムドン(VND)による外貨決済
・日本円(JPY)による円貨決済
※アイザワ証券のウェブサイトから筆者作成
※1ベトナムドン(VND)=0.0045円で換算(2020年12月25日時点)

アイザワ証券でベトナム株投資をするメリット・デメリットと、アイザワ証券でのベトナム株投資がおすすめである人は以下のとおりだ。

・アイザワ証券でベトナム株投資をするメリット
アイザワ証券でベトナム株投資をする最大のメリットは、リアルタイム取引ができることだ。日本株と同じようにリアルタイムで注文でき、約定結果を早く確認できる。

またベトナム株の取引手数料が4社の中では最安であり、インターネット・モバイル注文では1.65%、コールセンター注文の場合でも1.98%だ。さらに、最低取引手数料(5,500円)は買いの場合のみのため、売り注文の際は最低取引手数料を気にする必要がない。

・アイザワ証券でベトナム株投資をするデメリット
アイザワ証券でベトナム株投資をするデメリットは為替手数料がむさし証券に比べて高いことだ。ただし、取引手数料はむさし証券よりも安いため、外貨決済で取引を繰り返せば為替手数料の差額を相殺できる。

・アイザワ証券でのベトナム株投資がおすすめである人
ベトナム株のリアルタイム取引を重視する人や、取引手数料を抑えたい人におすすめだ。

SBI証券…人気の大手ネット証券 ベトナム株のほか9ヵ国の外国株に対応

SBI証券は、ネット証券口座開設数No.1のネット証券だ。ベトナム株以外にも、米国株、中国株など計9ヵ国の外国株取引に対応している。国内株や米国株などの手数料は、国内で最安水準だ。

SBI証券の電話注文におけるベトナム株の取引手数料は他社に比べて高く、最低取引手数料も2020年12月時点の為替レートでは割高だ。

外国株の取引ツールは、外国株式取引サイト(外貨建商品取引サイト)が提供される。

ベトナム株に関する情報は、海外株式の動向を毎週動画で配信する「SBIグローバルウォッチ」、外国株式取引サイトにおけるベトナム株の「財務情報」や「海外ニュース ベトナム」などで確認できる。

SBI証券 ベトナム株 特徴
対象市場 ホーチミン証券取引所、ハノイ証券取引所
取扱銘柄数 322(2020年12月26日時点)
ネット取引 対応
リアルタイム取引 未対応
取引時間 <インターネット注文>
月曜日~金曜日:当日注文0:00~10:00、翌立会日注文19:30~24:00
土曜日、日曜日:翌立会日の予約注文受付(一部の時間を除く)
<電話による注文>
営業日:当日注文8:30~10:00
取引手数料
(税込)
<インターネット注文>約定金額の2.2%
<電話による注文>約定金額の2.926%
最低取引手数料はどちらの注文方法でも
132万ベトナムドン(約5,940円)
(※売却金額が最低手数料未満の場合は約定代金の55%)
為替手数料
1万ドン取引時
2円(約4.4%)
決済方法 ベトナムドン(VND)による外貨決済
※SBI証券のウェブサイトから筆者作成
※1ベトナムドン(VND)=0.0045円で換算(2020年12月25日時点)

SBI証券でベトナム株投資をするメリットとデメリット、SBI証券でのベトナム株投資がおすすめである人は以下のとおりだ。

・SBI証券でベトナム株投資をするメリット
SBI証券ではベトナム株の取扱銘柄数がアイザワ証券などよりも多いため、投資先企業の選択肢が広がることがメリットだ。

・SBI証券でベトナム株投資をするデメリット
SBI証券のベトナム株投資はリアルタイム取引に対応していないことと、電話による注文では取引手数料が4社の中で最も高いことがデメリットだ。最低取引手数料は、2020年12月25日時点の為替レートでは他社に比べて割高である。

・SBI証券でのベトナム株投資がおすすめである人
SBI証券は金融商品の取り扱いが多いため、外国株に限らずにさまざまな金融商品を取引したい人や、リアルタイム取引でなくてもベトナム株のネット取引を望む人に向いている。

岩井コスモ証券…3ヵ国の外国株取引に対応する関西地盤の老舗証券会社

岩井コスモ証券は、外国株ではベトナム株、米国株、中国株の取引に対応する証券会社だ。外国株の注文は、電話で受け付けている。

岩井コスモ証券はアイザワ証券と同様、創業から100年を超える老舗証券会社だ。本社は関西にあり、関西を中心に全国33事業所を展開している。

ベトナム株の情報は、プラスネット(対面・電話取引サービス)口座またはネット取引口座を開設すれば、「ベトナム株オリジナル個別銘柄情報」として今後の成長が期待できるベトナムの銘柄情報を参照できる。

岩井コスモ証券 ベトナム株 特徴
対象市場 ホーチミン証券取引所、ハノイ証券取引所
取扱銘柄数 岩井コスモ証券の基準を満たすもの
ネット取引 未対応
リアルタイム取引 未対応
取引時間 ・当日分の注文10:00まで
・翌日分の注文11:30以降
取引手数料
(税込)
約定金額の2.2%
最低取引手数料5,500円
(売却金額が5,500円未満の場合は約定代金の55%)
為替手数料
1万ドン取引時
2円(約4.4%)
決済方法 ベトナムドン(VND)による外貨決済
※岩井コスモ証券のウェブサイトおよび問い合わせの回答から筆者作成
※1ベトナムドン(VND)=0.0045円で換算(2020年12月25日時点)

岩井コスモ証券でベトナム株投資をするメリットとデメリット、岩井コスモ証券でベトナム株取引をするのにおすすめである人は以下のとおりだ。

・岩井コスモ証券でベトナム株投資をするメリット
岩井コスモ証券でベトナム株投資をするメリットは関西に店舗が多いため、関西在住者の利便性が高いことである。

・岩井コスモ証券でベトナム株投資をするデメリット
岩井コスモ証券でベトナム株投資をするデメリットはリアルタイム取引に対応していないことだ。また取引手数料はアイザワ証券に比べて高く、為替手数料はむさし証券に比べて高い。

・岩井コスモ証券でのベトナム株投資がおすすめである人
普段から岩井コスモ証券を利用している人や、関西在住者におすすめだ。

むさし証券…為替手数料が割安で埼玉を中心に支店などを展開する老舗の証券会社

むさし証券で取引できる外国株は、ベトナム株、米国株、中国株、マレーシア株だ。むさし証券トレジャーネット(インターネット取引)は外国株に対応していないため、ベトナム株の注文は電話や対面で行う。

むさし証券も、2019年に創業100年を迎えた歴史ある証券会社だ。さいたま市に本社があり、埼玉県を中心に首都圏と大阪府に20あまりの支店などを展開している。

むさし証券のウェブサイトで公開している「ベトナム株式投資ガイド」は、ベトナムの概要や経済の魅力、ベトナム株式取引の情報などが詳しく記載してあり、ベトナム株取引において参考になる。

買い付けた銘柄の企業情報などの「銘柄レポート」を郵送するサービスも提供している。

むさし証券 ベトナム株 特徴
対象市場 ホーチミン証券取引所
取扱銘柄数 むさし証券の基準を満たすもの
ネット取引 未対応
リアルタイム取引 未対応
取引時間 ・原則9:30まで(当日注文)
・原則9:30以降(翌営業日の取扱)
取引手数料
(税込)
約定金額の2.2%
最低取引手数料5,500円
(売却金額が1万円以下の場合は約定代金の55%)
為替手数料
1万ドン取引時
1.5円(約3.3%)
決済方法 ・ベトナムドン(VND)による外貨決済
・日本円(JPY)による円貨決済
※むさし証券のウェブサイトおよび問い合わせの回答から筆者作成
※1ベトナムドン(VND)=0.0045円で換算(2020年12月25日時点)

むさし証券でベトナム株投資をするメリットとデメリット、むさし証券でのベトナム株投資がおすすめである人は以下のとおりだ。

・むさし証券でベトナム株投資をするメリット
むさし証券は4社の中では為替手数料が最安の1万ドン取引時1.5円(為替スプレッドは1ドンあたり0.00015円)であることがメリットだ。また埼玉県に店舗が多く、埼玉県在住者の利便性が高い。

・むさし証券でベトナム株投資をするデメリット
むさし証券でベトナム株投資をするデメリットは、リアルタイム取引に対応していないことと、取引手数料がアイザワ証券に比べて高いことだ。また最低購入金額が決まっていて、円貨換算で1銘柄あたり原則100万円以上の取引が必要になることもデメリットといえるだろう。

・むさし証券でのベトナム株投資がおすすめである人
むさし証券でのベトナム株投資がおすすめである人は、為替手数料を抑えたい人や、埼玉県とその周辺に住む人に向いているだろう。

5.ベトナム株投資の5つの注意点

ベトナム株に投資する際には、注意したいことがいくつかある。ここでは、注意点を5つ紹介しよう。

注意点1……日本語でのベトナム株情報が少ない

ベトナムの公用語はベトナム語だ。ベトナム株に投資するにあたって日本語の情報が少ないため、投資判断が難しいことがある。

日本語でベトナム株のニュースや銘柄情報を配信している会社があるため、それを参考にするとよいだろう。また、日本の証券会社のベトナム市場や銘柄の情報もチェックしておきたい。

英語を読める人なら、ベトナムの証券取引所のウェブサイトを英語で閲覧するとよいだろう。また、ベトナムの大企業の多くはウェブサイトを英語に切り替えることができ、IR情報を英語で確認できる。

場合によっては翻訳サービスを利用するなど、工夫次第でベトナム株投資に必要な情報を得ることができる。

注意点2……米国・中国・韓国の影響を受けやすい

業種にもよるが、株式は貿易の依存度が高い国の影響を受けやすい。2019年のベトナムの輸出国トップ2は米国と中国、輸入国トップ2は中国と韓国だ。

ベトナム経済は消費大国である米国はもちろん、中国への依存度も大きい。また、ベトナムはサムスンの生産拠点の一つであるため、韓国の影響も大きく受ける。

そのためベトナム株へ投資する際は、米国、中国、韓国の動向もチェックしたい。

注意点3……ベトナムドンは日本の証券会社での為替スプレッドが主要通貨より広い

日本の証券会社において、円から外国通貨への為替取引や外国商品の円貨決済には為替手数料がかかる。

例として、SBI証券での主要通貨とベトナムドンの為替スプレッドと為替手数料率を比較してみよう。

SBI証券 主要通貨とベトナムドンの為替スプレッドと手数料率
通貨 為替スプレッド 為替手数料率
アメリカドル 0.25円 0.24%(103円/アメリカドル時)
ユーロ 0.80円 0.63%(127円/ユーロ時)
香港ドル 0.15円 1.13%(13.3円/香港ドル時)
中国人民元 0.2円 1.27%(15.8円/人民元時)
ベトナムドン (1万ドンに対して)
2円
4.44%(0.0045円/ドン時)
※SBI証券ウェブサイトより為替スプレッドを引用
※為替レートは2020年12月30日時点

ベトナムドンは、主要通貨に比べて為替手数料率が高いことがわかる。米ドルと比べると、ベトナムドンの為替手数料率は10倍以上だ。他国の株式を取引する場合よりも、為替手数料を意識して投資判断を行う必要があるだろう。

注意点4……日本の証券会社でのベトナム株取引はコストが高くなる

日本の証券会社でのベトナム株取引の取引手数料は、他の外国株と比べると高い。例として、SBI証券での米国株・中国株・ベトナム株の取引手数料・最低取引手数料・上限取引手数料を比べてみよう。

SBI証券 米国株・中国株・ベトナム株の取引手数料
株式 取引手数料(税込) 最低取引手数料(税込)
(円換算)
上限取引手数料(税込)
(円換算)
米国株 約定代金の
0.495%
0米ドル
(0円)
22米ドル
(2,266円
(103円/米ドル時))
中国株 約定代金の
0.286%
51.7香港ドル
(687.61円
(13.3円/香港ドル時))
517香港ドル
(6,876.1円
(13.3円/香港ドル時))
ベトナム株 約定代金の
2.2%
(売却代金が
最低手数料以上の場合)
132万ベトナムドン
(5,940円
(0.0045円/ドン時))
設定なし
※SBI証券ウェブサイトより筆者作成
※為替レートは2020年12月30日時点

ネット証券では米国株や中国株の取引手数料の低コスト化が進んでいるが、ベトナム株は今のところ取引手数料を値下げする動きはないようだ。

日本の証券会社でのベトナム株取引は手数料が高くなるため、短期投資よりも取引回数を抑えられる中長期投資のほうが向いていると言える。

注意点5……ベトナム株は外国人による保有上限が決まっていて購入できないことがある

ベトナム市場では、外国人による保有比率の上限が定められている。外国人保有比率の原則は49%以下であり、一部の銀行では30%以下だ。

そのため、外国人投資家への売買制限や上限を超える買い付け注文は失効することがある。

ただし、外国人保有比率の上限を撤廃している銘柄(ビナミルク<VNM>など)もある。外国人投資家の保有比率は、ベトナムの株式情報のウェブサイトなどで確認してほしい。

6.日本の証券会社でのベトナム株取引はコストが高めだが日本語サポートなどのメリットあり

日本の証券会社でのベトナム株取引について紹介した。日本の証券会社でのベトナム株取引はコストが高めだが、口座開設がしやすく、日本語でサポートを受けられるのがメリットだ。

ベトナムの証券会社に口座を開設するのはハードルが高いため、ベトナム株取引を始めるなら日本の証券会社を利用するほうが無難だろう。

執筆・松本雄一(セキュリティ・金融アドバイザー)
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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