米証券取引委員会(SEC)による提訴を受けて以降、低調なパフォーマンスが続いていたリップル(XRP)が息を吹き返した。
先月29日頃から30円台を推移していたXRPだが、31日未明にかけて大きく上昇し、最大で約52円まで高騰。2月1日には続伸し、前日比40 %超の上昇を見せ60円台を突破した。
この高騰によって価格は前週比100%超となり、軟調な推移を見せる暗号資産(仮想通貨)市場の中でも一際目立った存在となっている。
執筆現在においては61円ほどを推移しており、依然として上値を狙っている状況だ。
この発端となったのがまたしても米掲示板サービス・Redditの株取引コミュニティ「r/WallStreetBets(WSB)」だ。
WSBは米ゲームソフト小売「GameStop(GME)」の株価を釣り上げたことで話題となり、先日の暗号資産ドージコイン (DOGE)における価格高騰の一因にもなっている。
今回、XRP価格はWSB内で「XRP TO THE MOON!!!!(XRP月まで上昇)」と言及されたタイミングで大幅上昇した。
また、米リップル社が裁判所に対して反論文書を正式に提出し、改めてXRPは有価証券には該当しないとの考えを強調したことも好感視されたとみられる。
しかし、この価格高騰によってXRPが上昇し続けるか否かは不透明で、油断できない状況であることは留意すべきだ。
WSBによる買い扇動が落ち着けば一気に価格が下落する可能性も十分考えられる上に、SECとの裁判も展開が見えてこない。
そういった点を踏まえると、XRPの価格動向は今後も非常に不安定なものになる可能性があるだろう。
さらに、暗号資産市場全体で見れば先月29日に起きた米自動車大手テスラCEOのElon Musk氏による「イーロン・マスク砲」の影響が徐々に薄れつつある。
29日にわずか15分ほどで約50万円価格上昇させたビットコインは一時400万円まで戻したものの、その後は上昇要因となる材料を見つけられずに停滞。執筆現在において350万円を推移するようになるなど荒い展開が続いている。
しかし今後しばらくは世界経済の状況に影響されつつも、WSBやその他著名人による動向次第で価格が大幅に変動する展開も十分に考えられるだろう。(提供:月刊暗号資産)