2月12日から中国では日本の正月に当たる「春節(旧正月)」が始まった。春節は中国の長い歴史の中でも4000年も続く伝統ある祝い事であり、全世界にいる華僑にとって最も大切な祝日である。中国内では、早くも11日から17日まで大型連休に入った。

ただし新型コロナウイルスの影響で、中国内では各地でロックダウンが起こっており、同国民の国内移動も厳しい状況だ。

ビットコイン,中国
(画像=月刊暗号資産)

例年、春節前後の時期には、多数の中国人が日本に旅行に来て大量のお金を使う「爆買い」の光景が各地で見られたが、今年は新型コロナウイルスの影響で日本への入国は禁止されている。

毎年、春節の時期には暗号資産(仮想通貨)市場も売り圧力が強く、下降傾向にあった。中国人ユーザーが春節で使う多額遊興費を捻出するために、ビットコインを始めとした暗号資産を売却するためと推測されている。

第1次暗号資産バブルだった2017年末から2018年初頭ですら中国が春節に入る1月末から下落傾向となった。

まだコロナが世界的に拡大する前の昨年も春節が始まる1週間前にはビットコイン価格が約95万円から約90万円に値を下げていた。

暗号資産業界では春節が始まる前は、相場を警戒する必要があるのが定説だったが、今年は1月にビットコイン価格が史上最高値を更新。春節に入る直前には日本円でビットコイン価格が500万円、イーサリアムが市場最高値を更新し、アルトコインも全般的に好調だ。これまでと逆転現象が起きている。

コロナ渦による世界各国の金融緩和や、ビットコインが退避資産として見られ暗号資産市場に資金流入が起きたことに加え、各国で規制が整い始め、有数の大手金融機関が暗号資産事業に参画したことなど、多くの要因が挙げられる。

執筆時点の暗号資産市場は様子見からか、やや横ばいの推移となっているが、全体的には上昇傾向は続いている。記事執筆時点でビットコイン価格は前日比約5%増の約495万円と、500万円付近での推移が続いている。

またアルトコインも勢も好調だ。ベーシックアテンショントークン(BAT)が約70%増、エンジンコイン(ENJ)が約45%増、コスモス(ATOM)が約25%増(いずれも前日比/CoinMarketCap参照)と、大幅な上昇が見られた。(提供:月刊暗号資産