リクルート <6098> といえば、求人情報専門の検索エンジン「Indeed(インディード)」や、飲食店や美容院、リラクゼーション等の情報を提供する「HOT PEPPER(ホットペッパー)」、不動産情報サイトの「SUUMO(スーモ)」などを思い浮かべる人も多いことだろう。だが、もう一つ、リクルートはこれまで多くの起業家を輩出した「ドリームマシン」としても世界的に知られている。2018年には世界でトップクラスの経営者を輩出する名門ハーバードビジネススクールの教材『グローバル化する日本のドリームマシン:株式会社リクルートホールディングス』が出版され、授業で取り上げられたほどだ。

注目されるのは、そのリクルートの株価が2月22日に一時5524円まで買われ、株式分割を考慮した実質で上場来高値を更新したことだ。2020年4月6日の安値2240円から約10カ月で約2.4倍に上昇した計算である。2月15日発表の2021年3月期第3四半期決算で通期の業績見通しを引き上げたことが買い手掛かりとなった。しかし、後段で述べる通り、大型売り出しによる需給悪化への警戒も依然として根強いものがある。

今回はリクルートの最新情報をお届けしよう。

新型コロナ危機を乗り越え「リベンジ需要」を期待?

リクルート,株価
(画像=Graphs / pixta, ZUU online)

前述の通り、リクルートはインディードを擁する「HRテクノロジー事業」、ホットペッパーやスーモ、じゃらんなどで販促を手掛ける「メディア&ソリューション事業」、そして「人材派遣事業」の3つが事業の柱となっている。2012年に米インディードを買収したことで、世界最大級の求人検索エンジンのプラットフォーマーとなり、いまでは売上全体の5割弱を海外が占めるグローバル企業となった。また、国内を中心に展開する「メディア&ソリューション事業」も住宅、結婚、旅行、飲食、美容などの各分野でプラットフォーマーとしての地位を確立しているのが強みだ。