「時代はテスラだよ!」「いや、車はマニュアルに限る!」キッチンで洗い物をしていると、リビングからそんな会話が聞こえてきた。夫がWeb会議で同僚と打ち合わせがてら雑談しているようだ。実は我が家では1年ほど前に自家用車を廃車にしたのだが、タイミング悪く(?)新型コロナ禍で移動が制限されたこともあって、新車購入を先送りにしていた。だが、筆者が住む街は公共交通機関が充実していることもあり、車がなくても意外と生活できることに気が付いた。マニュアル至上主義者の夫が車を買いたいと言い出したのはそんなときだった。筆者としては、本当に車が必要なのか疑問である。百歩譲って購入するにしても、マニュアルは論外だ。

それはさておき、夫の同僚が指摘するように、確かに「時代はテスラ」なのかもしれない。いまやトヨタ自動車 <7203> を抜いて自動車メーカーの時価総額で世界一の企業である。この1年で時価総額は5倍以上に跳ね上がり、共同創設者兼CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏はブルームバーグ・ビリオネア指数のランキングで「世界一の大富豪」に君臨している。テスラは名実ともに新型コロナ禍の「勝ち組」といっても差し支えないだろう。

最近はテスラが仮想通貨(暗号資産)のビットコインを15億ドル(約1600億円)購入、同時に近い将来ビットコインをテスラ車購入の決済手段とする考えを明らかにして話題を呼んだ。果たして、仮想通貨は「新時代」を迎えようとしているのか、それとも「泡沫の夢」に終わるのだろうか。

技術革新をリードするテスラ、市場への影響力に懸念も

ビットコイン,今後
(画像=EnariKaede / pixta, ZUU online)

常にイノベーション(技術革新)をリードしてきたテスラ。ビットコインの巨額購入はその最新の試みと見られている。2月8日付のフィナンシャルタイムズ紙によると、テスラはSEC(米国証券取引委員会)に提出した書類の中で、2021年1月に15億ドル相当のビットコインを購入したことを明らかにした。購入の目的は「現金収益の多様化および最大化」で、ビットコインを「非常に流動性の高い資産」と見込んでの決断だという。同時にビットコインをテスラ車購入の決済手段とする方向で検討していることも明らかにしている。