スイスを拠点とする老舗銀行Bordier & Cie ScmA(Bordier)が、Sygnum銀行と提携し、暗号資産(仮想通貨)取引の提供を開始した。24日、Bordierが発表した。

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(画像=Shutterstock)

同行は、Sygnumが提供するB2Bバンキングプラットフォームを取り入れることで暗号資産サービスの提供に踏み出すことができたと説明。顧客は安心して暗号資産取引を行うことができるようになるだけでなく、これまでに比べて金融商品への投資を幅広く検討することができるだろうと自信をのぞかせた。

Bordierが提携したSygnumはスイス政府の認可の下、暗号資産関連のサービスを中心に展開している銀行だ。昨年10月には日本のSBIホールディングスと共同でベンチャーファンドを立ち上げるなど、暗号資産銀行の先駆けとして積極的に活動の場を広げている。

Bordierはプレスリリースで、暗号資産の時価総額が1年間で4倍にまで増加し、最もパフォーマンスの高い資産であるだけでなく、ポートフォリオの分散化にとって強力なツールだと指摘。暗号資産市場の拡大により、幅広い顧客から暗号資産サービスへの需要が急増していることから、そのニーズに応えることが目的だとしている。

BordierがSygnumのプラットフォームとの統合をわずか60日間という短期間で完了した背景には、拡大する暗号資産市場に速やかに参入したいという思惑が見え隠れしているとも言えそうだ。

現段階でBordierの顧客はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、テゾス(XTZ)の購入、保有、交換ができるようになっている。

さらにBordierは法令に遵守してAML(アンチマネーロンダリング)を完備の上で流動性の確保およびシームレスな暗号資産サービスを提供するとしている。

BordierのCEOであるMathias氏は、1844年の創業から177年間続く同行の理念に言及し、「次世代の資産を提供することで顧客資産を保全してきた」とコメント。同氏は今回の提携によって、金融業界全体にも変化が見られるだろうと推測している。

今年に入り大企業による暗号資産市場への参入が相次いでいるが、伝統的な銀行も次々とその波に加わってきている。米国の老舗銀行であるNY Mellonが暗号資産カストディに参入するというニュースもまだ記憶に新しい。

今後も大手金融機関が暗号資産を受け入れる動きが加速していく可能性があるため、その動向を注視していきたいところだ。(提供:月刊暗号資産