(本記事は、内藤 忍氏の著書『初めての人のための資産運用ガイド』=ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年11月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

信頼できるお金の相談相手の探し方・見分け方

初めての人のための資産運用ガイド
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

▶︎金融業界のワナにはまらないために、信頼できる相談相手を探す
▶︎実務面だけでなく、精神面を支えてくれる人が必要
▶︎資産運用を専門分野とする信頼できるファイナンシャルプランナーがよい

相談相手にするべき人は?

金融業界には、素人を合法的に陥れようとする「ワナ」がいたるところにかけられています。

金融詐欺のような犯罪行為でなくても、合法的に損をさせられてしまうこともあるのです。

そこで大切なのが信頼できる相談相手を見つけることです。

個人の金融の世界で専門家というと、まず頭に浮かぶのが「ファイナンシャルプランナー(資産運用コンサルタント)」でしょう。ファイナンシャルプランナーには、さまざまな機能があります。

まず、「具体的な資産運用方法をオーダーメイドで作成する」機能です。

また、実際に運用を始めてから定期的に「資産運用状況の管理のサポート」もしてもらえます。リバランスの方法や運用方針の変更に伴うアセットアロケーション(資産配分)の変更にも対応してもらえます。定期的なチェックは効率的な資産運用には不可欠なのです。

それから、「資産運用に関する情報提供」機能もあります。金融商品の知識、規制や税制の変更をはじめマクロ経済の情報、海外を含めた金融に関する最新情報など、個人では難しい情報収集をサポートしてくれます。

精神面でも支えてくれる力強い味方

ファイナンシャルプランナーには、さらに「資産運用のメンター」としての機能もあります(メンターとは、指導者・助言者のこと)。

投資を続けるのはとても大変です。相場上昇時はよいのですが、下落時に「もうやめた!」となってしまっては、そこで負けが確定してしまいます。そんなストレスのかかるときに、ファイナンシャルプランナーがメンターとなり精神面を支えてくれるのです。

継続がカギである投資において、メンターがいてくれることは重要です。

ファイナンシャルプランナーを選ぶポイント

①資産運用を専門分野とするファイナンシャルプランナーを選ぶこと

ファイナンシャルプランナーであれば、一定の金融知識を持っている人であることは確かですが、業務経験のバックグラウンドによって保険、税金、住宅ローン、金融商品など強みが異なります。全員が資産運用のプロというわけではないのです。

②人として信頼感が持てること

資産を長期で運用することから、おつきあいは10年、20年単位で続きます。ネットや紹介で候補者を見つけたら、まずは実際に会ってみるといいでしょう。その上で安心して気持ちよく相談できる人を選んでください。

【CHECK !】お金のことは「自分よりお金持ち」に相談する

もし、あなたに金融資産が3000万円あったとしたら、金融資産300万円の専門家と金融資産3000万円の専門家のどちらを選ぶべきでしょうか?

断然、後者でしょう。その人の実体験に基づく現実味があるアドバイスがもらえるからです。

相談相手の資産規模だけが判断材料とは言いませんが、資産を持たない人に資産運用の相談をするのは、不健康な医者に健康相談をするようなものです。

初めての人のための資産運用ガイド
内藤忍(ないとうしのぶ)
株式会社資産デザイン研究所 代表取締役
1964年生まれ。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院修士課程卒(MBA)。金融機関勤務を経て、1999年にマネックス証券株式会社の創業に参加。マネックス・ユニバーシティなどグループ会社の代表取締役を歴任後、株式会社資産デザイン研究所代表取締役就任。著作は40冊を超え、「初めての人のための資産運用ガイド」はシリーズ24万部のベストセラーに。 早稲田大学、明治大学などで、資産運用に関する講座を開講。 毎週金曜日配信の資産デザイン研究所メールは、配信数49000通を超える人気。ブログ「SHINOBY'S WORLD」も毎日更新中。

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