Amazonのクラウドサービス部門であるAmazon Web Services(AWS)は2日、独自に構築するブロックチェーンサービス「Amazon Managed Blockchain(AMB)」でイーサリアムブロックチェーンのサポートを開始すると発表した。
今回の提供開始により、AWSユーザーは容易にイーサリアムノードのプロビジョニングができ、さらに公開されているイーサリアムのメインネットワークやRinkeby、Ropstenなどといったテストネットワークに接続することが可能になるという。
AWSは、これまでイーサリアムベースのアプリケーションを構築するにはその運用の難しさと管理の複雑さを理解する必要があり、実際に着手するまでに時間がかかってきたと指摘。特に懸念する点として、非同期のノードによるデータの信頼性やデータストレージのスケーリング、イーサリアムのソフトウェアをアップデートするのにかかる時間などを挙げた。
しかし今回のサポートによりノードの健全性を監視するだけでなく、不健全なノードを置換し、さらにイーサリアムのソフトウェアアップデートをAMBで自動化できるため、イーサリアムを用いたインフラの実用性がさらに向上するだろうと説明した。
具体的には、AMBを通じて安全なネットワークの構築やイーサリアムブロックチェーンへの同期の高速化、耐久性の優れた台帳データを保管できるようになるという。
さらに、ここ数年で飛躍的に需要が増加しているDeFi(分散型金融)やスマートコントラクトの監視ツール、不正検知システムを構築する際にも効果的だと語った。
AMBは2018年にその構想が明らかになり、翌2019年4月に一般向けにリリースされた。当初よりイーサリアムのサポートも予定されていたが、実際にリリースされたのはIBMなどの大手企業が関係していたHyperledgerのみであった。
サポートする計画を発表してから実に2年が経ち、ようやくサービスを万全な状態で提供できる準備が整ったと言える。(提供:月刊暗号資産)