ドイツのメガバンクであるドイツ銀行は17日、ビットコインは「無視できないほど重要な存在である」としたレポートを公表した。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

発表されたレポート「未来の決済」では、ビットコインの価格は資産運用会社や企業からの参入を惹きつけ続ける限り、上昇し続ける可能性があるとしている。

一方で、暗号資産(仮想通貨)は取引量が限定されているため、不安定な状態が続くだろうと指摘した。

ドイツ銀行はビットコインの取引活動のうち、決済に関連するものは30%未満であると推定。例えば、2020年には流通しているビットコイン全体の150%に相当する累計2800万BTCが取引された。

ドイツ銀行によれば、昨年、株式市場では400億のApple株が取引されたが、ビットコインの取引量はこれと比較しても遜色のないものだという。

また同行は米自動車大手のテスラを引き合いに出し、「(ビットコインは)可能性を結果に変えていかなければならない」と語った。

テスラは自動車の未来を担うのか、あるいはもうすぐ「消える流行」となるのか、数々の議論を巻き起こしてきたと指摘。しかし結果的には、テスラは「モデル3」のような電気自動車を大規模に提供できることを自ら証明したことで、この18ヶ月で市場での立場が劇的に変化したとしている。

その上でドイツ銀行は、「現在のビットコインの評価には、国境を越えたデジタル通貨として広範な要素が織り込まれているため、その評価に応えるためには支払い手段としての価値を示す必要がある」と結論付けた。

そして、「将来的に重要な決済手段になると考えられる」と付け加えた。

先月、ドイツ銀行が暗号資産カストディサービスおよびブローカー事業を計画していることが明らかになった。同行は「機関投資家向けのデジタル資産カストディプラットフォーム」を構築するとしている。

サービス開始時期は明らかになっていないものの、すでに概念実証段階を終了しており、2021年中に一部プロダクトのローンチを目指すものとみられている。(提供:月刊暗号資産