暗号資産(仮想通貨)取引所Binanceが、同社アプリに決済機能「Binance Pay」を追加した。12日、公式ブログで発表した。

Binance
(画像=月刊暗号資産)

Binance Payは当初P2Pでの暗号資産決済にのみ対応したベータ版を展開していた。今回のリリースではP2Pだけではなく、事業者向けの決済にも対応して全てのユーザーが使用できるようになった。

同社の公式ブログによると、ユーザー数はベータ版の時点で25万人を超えていたという。

Binance Payは世界中の国々にオンラインやQRコードを介した決済を手数料無しで提供していく。対応している通貨は30種類を超えており、ビットコインやイーサリアムなどの主要な暗号資産だけではなくユーロ、英ポンド、豪ドル、ブラジルレアル、トルコリラの5つの法定通貨も含まれている。

Binanceのユーザーで本人確認を完了していれば、Binance Payのアカウントを設定することができるという。

Binance Payアカウントの有効化が完了したら、Binanceのスポットウォレットからペイウォレットへ資金を移動し、サービスを利用することができる。ペイウォレットで受け取った資金は、選択した銀行口座に送金すれば現金として引き出すことができる。

今回の発表に際し、Binance CEOのCZ氏は「Binance Payは従来の決済インフラの手数料の問題を解決することができる」とコメントを残している。

また同氏は「特にデジタル決済が全ての人々の生活に不可欠となる未来では、Binance Payこそが人々の生活の一部に暗号資産を浸透させる第一歩となる」と続けた。

大手決済企業らが暗号資産の影響力を認め始めている中で、今回のBinance Payのリリースは一際注目を集めるだろう。

例えば、決済大手のPayPalが昨年11月に暗号資産取引サービスを開始したのに続く形で、クレジットカード決済大手のMasterCardも年内に暗号資産決済の導入を検討している。

先日には、同じ暗号資産取引所としてBitfinexがペイメントアプリ「Bitfinex Pay」をローンチしており、取引所による暗号資産決済サービスも今後さらに増加していきそうだ。(提供:月刊暗号資産