11日、デジタルアーティストのMike Winkelmann氏(通称Beeple)のNFT最新作「The First 5000 Days」が米Christies(クリスティーズ)のオークションにおいて約6900万ドル(約75億円)で落札された。

オークション
(画像=月刊暗号資産)

同氏は、ミネソタ州在住の41歳のイラストレーターだ。先月にはトランプ米前大統領をモチーフにした10秒のビデオクリップをNFTにするなど、NFT作品を過去にも複数出品している。

クリスティーズは、250年以上続く伝統的な大手オークションハウスだ。過去には、レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の作品「サルバトール・ムンディ」を取り扱ったことで知られている。

また今回、NFTの出品にあたり、クリスティーズでは長い歴史の中で初めて、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムを決済手段として受け入れた。

なお、落札者が購入にあたって法定通貨と暗号資産のどちらを利用したかは明らかにされていない。

Mike Winkelmann氏の「The First 5000 Days」は、先月2月16日に発行され、2月25日に100ドルで入札が開始された。

落札日の12日、それまで2000万ドル台だった同作品が、オークション終了間際には6025万ドルまで上昇。最終的な価格は手数料を加えて、6934万6250ドルとなった。これは、大手のオークションハウスにおいて落札された史上最高値のNFT作品となった。

Mike Winkelmann氏の「The First 5000 Days」は14年間、毎日制作された5000枚の画像を組み合わせたコラージュ作品だ。今回のNFTは、社会におけるテクノロジーの執着と恐怖、富への欲望と憤り、米国の不安定な政治的歴史をテーマにしているという。

今後、落札者は作品の所有権を獲得し、自由に使用・再販が可能となる。

ブロックチェーンの利用は純粋なNFTの販売にとどまらず、オークションハウスにおいても今後大きな影響を与える可能性がある。

オークションハウスは、所有権を証明するための信頼できるソリューションとしてNFTを採用する可能性もありそうだ。(提供:月刊暗号資産