香港証券取引所に上場する中国企業Meituが7日、グループ会社を通じてビットコインとイーサリアムを購入したことを明らかにした。

プレスリリースによると、同社は380BTCと1万5000ETHを購入し、その総額は4000万ドル(約43億円)にのぼるという。

ゴールドマンサックス
(画像=月刊暗号資産)

なお、イーサリアムを暗号資産(仮想通貨)関連ではない上場企業が財務資産として購入したのはこれが初めての事例となる。また、香港を含む中国に登記された企業が暗号資産を購入したのも初めてのことだ。

Meituは今回の発表に際し、かつてインターネットやパソコンなどの産業に大きな影響を与えたスマートフォンの登場と同じように、ブロックチェーンが金融分野に甚大な影響を及ぼすだろうと見解を述べた。

また同社の取締役会は、「ブロックチェーン業界はまだ初期段階にあり、2005年頃のモバイルインターネット業界の時と同じ道を歩んでいると考えている」と、業界の発展に期待を寄せた。そういった背景から、今回、暗号資産への投資に踏み切ったという。

暗号資産は短期的には価格動向が不安定ではあるものの、長期的に見れば高い投資対効果を見込めると同社は考えており、その中でも特に成長が見込めるビットコインとイーサリアムを選んだと説明した。

またイーサリアムについては、Meituが将来的に独自アプリを開発する際に役立つと説明。dAppsを開発した際、今回購入したイーサリアムをガス代として充てることが可能であるだけでなく、ブロックチェーンベースのプロジェクトへの投資を行う際に利用することもできるとし、現在構想している計画に対して効果的であると述べた。

一方のビットコインについては資産配分戦略の一環であり、世界各国で暗号資産への投資および利活用が進む中で、取り残されていくことに対する不安(FOMO)を得たためだと述べた。

Meituは2008年に設立し、スマートフォンやパソコン用の動画編集および加工アプリなどを提供する企業だ。

同社のCEOであるWensheng Cai氏は暗号資産に好意的な人物で、過去には個人として1万BTCを所有することを目標として掲げている。(提供:月刊暗号資産