英国を拠点とする正体不明の匿名アーティスト、バンクシーの作品「Morons」がNFT(Non-fungible token)としてオークションにかけられることがわかった。3日、Forbesなど複数の海外メディアが報じた。

バンクシー
(画像=月刊暗号資産)

報道によると、アートコレクターをからかう風刺画「Morons(バカを意味する言葉)」は、「I can’t believe you morons actually buy this shit(こんなバカげた作品を買うやつは信じられない)」と皮肉も書かれている。

バンクシー作のMoronsは、デジタル化されNFTにされた後、ニューヨーク州ブルックリンで暗号資産(仮想通貨)愛好家のグループ「Injective Labs」のメンバーたちによって焼却された。また、Moronsの焼却模様は同グループのツイッターアカウント「@BurntBanksy」で動画配信された。

MoronsのNFTは9日にNFTマーケットプレイス「Rarible」でオークションにかけられる。収益金は慈善団体に全額寄付される予定だ。

バンクシーのNFTに関しては先月、偽物の作品が海外の複数のNFTマーケットプレイスに出品されて問題になった。また、これらの贋作にはバンクシーの偽署名が入っており、多くのコレクターが本物と信じ飛びついた。バンクシー自身、謎が多く、突発的な行動が出ても不思議ではないため、ゲリラ的に出品したと思ったコレクターが群がった。

贋作のNFTはバンクシー作品認証機関「Pest Control」が正規品であることを否定したため、偽物だということが判明し騒動は収まった。

NFTをベースにしたアート作品の売り上げは近年急増しており、昨年12月には過去最高の820万ドル(約8億8,000万円)を記録した。所有権と真正性はブロックチェーン上で確認され、公開された不変の記録を提供するため、偽造品を購入させることはできない仕組みとなっている。また、買い手はアイテムの過去の所有者や、いつ取引されたかなどの履歴を見ることも可能だ。

今回、オークションに出されたMoronsは上記のバンクシー認証機関の認定を受けている本物の作品のため、初めてバンクシーの作品がNFT化されてオークションに出品されることになる。

元々、このMoronsは2019年に英国の大手オークションハウスで出品され、3万2500ドル(約348万円)で落札されている。NFTにされたバンクシーの絵画が、どのくらいの値段で落札されるかが注目される。(提供:月刊暗号資産