世界有数のクレジットカードカード会社であるVisaは29日、米ドルに1:1でペッグするステーブルコイン・USDコイン(USDC)を利用した決済を試験導入すると発表した。大手クレジットカード会社がステーブルコインを決済手段として導入するのは初の事例となる。

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(画像=月刊暗号資産)

Visaの発表によると、USDCを利用した決済は3月初めに提携を発表した暗号資産(仮想通貨)関連企業Crypto.comとの間で試験的に開始し、今年後半には正式なローンチを目指す。またカードを発行する提携先も増やしていく方針だ。

USDCは米Circle社と米Coinbase社が共同で開発したイーサリアムのブロックチェーンを利用したステーブルコインだ。現在、USDCはAlgorandやStellarのブロックチェーンにもサポートされている。

今回、Visaはイーサリアムのブロックチェーンを使ったUSDC決済に注力するという。

VisaのUSDC決済の利用は今年1月に暗号資産銀行のAnchorageとの提携で可能となった。これまではユーザーがCrypto.comが発行するVisaカードを利用して決済する場合、1度法定通貨であるドルに換金する必要があった。

今後はVisaが直接AnchorageのイーサリアムアドレスにUSDCを受け取ることで決済を完了し、USDCからドルへの換金が必要なくなる。

Visaの幹部であるJack Forestell氏は、「本日の発表は、ステーブルコインや暗号資産でビジネスを管理するフィンテックのニーズに対応するための大きなマイルストーンになります。それはまさに、世界中のあらゆる通貨での支払いを安全に促進するという、我々が日々行っていることの延長線上にあります」と述べた。(提供:月刊暗号資産