SBIグループのSBI証券は26日、金融商品取引法における電子記録移転有価証券表示権利等の取り扱いに係る変更登録を完了した。これにより、STO(Security Token Offering)の取扱いが可能となる。同日、SBIがプレスリリースで発表した。

STO
(画像=月刊暗号資産)

STOとは、発行体が従来の株式や社債等に代わり、ブロックチェーン等の電子的手段を用いて発行する有価証券等である「セキュリティトークン」により資金を調達するスキームだ。

日本においては、2019年5月31日の金融商品取引法の改正及び関連する政令の改正により「電子記録移転有価証券表示権利等」として規定され、法令に準拠した形での取扱いができるようになった。

SBI証券は今回の更登録完了により、デジタル化された社債等のSTOを、ユーザー向けに幅広く提供していくことが可能となった。同社が取り扱うSTOの具体的な内容については、順次、法令諸規則に基づく開示やWEBサイト等で告知するという。

SBIグループは北尾吉孝社長主導の下、STOをはじめとするブロックチェーン技術をフィンテックの中核技術と位置付け、事業開発、ファンド出資、実証実験等を通じてビジネス領域の開拓に注力してきた。また2019年10月には、金融商品取引法に基づく自主規制機関である一般社団法人日本STO協会の設立に参画し、STOに関するルール作りやビジネス環境の整備を進めてきた。

昨年、SBIグループは大阪・神戸地区を国際金融都市とする構想を明かし、「次世代の金融商品であるセキュリティトークンの流通・発行市場の創設」「普通株に加えて、セキュリティトークンも扱う新たな私設取引所(PTS)の設立」の計画を発表。

また信託法や資産流動化法等に基づく、ファンド形式のSTOの公募の取扱いに関する業務を検討していることも明らかにした。取り扱うファンド型STOの投資先は、美術品、ゲーム、映画の版権などの知的財産権等の資産や不動産を想定し「企業にとっては新しい資金調達の選択肢の1つとなり、日本の資本市場の厚みにもつながる」とメリットを強調していた。(提供:月刊暗号資産