3月19日、トヨタ自動車(以下、トヨタ) <7203> の株価が一時8712円と年初来高値を更新する場面が見られた。2015年3月24日に記録した上場来高値8783円を射程圏内に捉えた状況だ。後段で述べる通り、2021年2月におけるトヨタの世界自動車販売台数は過去最高を記録、為替レート(ドル円)が1年ぶりの110円台に乗せてきたことで円安メリットも発生する見込みで、株式市場では今期業績の上方修正期待が高まっているようだ。トヨタといえば、2020年7月に時価総額で米電気自動車メーカーのテスラに抜かれたが、いよいよ反撃が始まるのだろうか?
トヨタ、今年2月の世界販売台数が過去最高
3月30日、トヨタが発表した2021年2月の世界販売台数(レクサスを含む)は前年同月比9.2%増の71万1698台となり、月次ベースで過去最高を更新した。地域別では、日本が5.4%増、アジアが70.1%増、北米6.1%減、欧州0.7%減で、アジアの好調が世界販売に寄与する構図が浮き彫りとなった。特に中国は前年同月比4.9倍と急増した。中国は昨年2月に新型コロナ危機で販売が70%落ち込んでおり、その反動によるところも大きかったようだ。
ちなみに、トヨタの2021年3月期第3四半期累計(4〜12月)の世界販売台数実績は前年同期比21.7%減の543万8000台となっている。マイナスながらも想定を上回るペースだったために、今年2月10日の第3四半期決算発表時に、トヨタは2021年3月期(通期)の販売台数を事前予想の750万台から760万台(前年度比15.5%減)に上方修正した。2021年1〜3月では1.6%増の216万2000台を見込んでいる計算になる。2020年1〜2月の実績では6.8%増の147万7212台だったので、760万台を上回る可能性もありそうだ。