投資で得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2つがある。両方の利益を狙うことも可能だが、どちらを重視するかによって検討する金融商品や投資戦略は異なる。インカムゲインとキャピタルゲインのメリットやデメリット、金融商品ごとの違い、代表的な銘柄などを解説する。
1,インカムゲインとは?キャピタルゲインとの違い
まずはインカムゲインとキャピタルゲインの違いを確認しよう。
インカムゲインとは?配当金や利子、家賃収入など資産を保有している間に定期的に得られる利益
インカムゲインとは、資産を保有している間に定期的に得られる利益のことを指す。配当金や利子、家賃収入が代表的なインカムゲインだ。必ず決まった収入が入るわけではないが、価格変動の影響を除けばインカムゲインは比較的安定した利益となり得る。
キャピタルゲインとは?保有している資産を売却することで得られる利益
キャピタルゲインとは、保有している資産を売却することで得られる利益を指す。キャピタルゲインは株式や不動産の金融商品だけでなく、希少価値のあるブランド品や美術品などでも発生する。「安く買って、高く売る」という投資の格言もあり、購入価格を大きく上回ればインカムゲインでは得られないほどの利益を手にする可能性もある。
2,インカムゲインの3つのメリットとデメリット
インカムゲインにはどのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。代表的なものを、それぞれ3つずつ取り上げる。
インカムゲインの3つのメリット
まずはインカムゲインのメリットについて見てみよう。
・メリット1,定期収入を得られる
インカムゲインの最大のメリットであり、投資家の目的にもなるのが定期収入だ。資産を保有しているだけで安定した収入が入るため、収益の見通しも立てやすくなる。他の収入がなくなったり減少したりしたとしても、インカムゲインがそれなりにあれば収入の補完にもなり安心材料になる。
インカムゲインには色々なものがあるが、代表的な資産として不動産がある。ローンが残っているうちは実質の収益は下がるものの、完済してしまえば賃貸収入は安定的な収益源になり得る。例えば老後生活を迎えた後も不動産からのインカムゲインがあれば、退職して収入が下がったとしても定期収入によって生活の下支えになる。
・メリット2,保有期間が長いほどインカムゲインが積み上がる
インカムゲインを得られる資産は、保有期間が長ければ長いほど利益が積み上がっていく。利益が積み上がれば価格変動があったとしても損失に強くなり、長期的なリターンの安定にもつながる。インカムゲインのない資産は購入単価との差額のみでリターンが決まるが、インカムゲインのある資産は仮に価格が値下がりしても損になるとは限らない。
例えば3%の利回りを得られるものに500万円投資すれば、年間15万円のインカムゲインが入ってくる。この資産が1年後に30万円値下がりすると、インカムゲインを考慮しても15万円の損失だ。しかし10年後にはインカムゲインとして150万円を受け取っており、仮に100万円値下がりしても50万円の利益が残る。このように長期になるほど有利に働くのがインカムゲインだ。
・メリット3,インカムゲインの資産は売買の必要がない
インカムゲインを目的に投資する場合、定期的に収益を受け取れることが最も大事になる。定期収入を受け取るにはその収益が発生する時期に資産を保有していなければならず、手放してしまえばインカムゲインは発生しない。そのため必然的にインカムゲインを目的とする資産は売買の必要がなくなり、キャピタルゲインを得ることと比べれば手間は少ないだろう。
一方、株式のように流動性の高い資産は、売買しながらインカムゲインを得ることも可能だ。株式のインカムゲインには配当があるが、それを受け取るには特定の時期に株式を保有していればよく、その時期を過ぎれば売却しても配当は得られる。だが売却で損をすることもあり、インカムゲインが目的なら基本的には売買の必要はない。
インカムゲインの3つのデメリット
インカムゲインは比較的安定した収益だが、デメリットもあるため気をつけよう。
・デメリット1,インカムゲインは減額や途絶えるリスクがある
インカムゲインは資産を保有している限り定期的に収益を得られるが、それがいつまでも続くとは限らない。インカムゲインが発生するにはその資産自体に利益が発生していなければならないからだ。
例えば不動産の場合、保有していれば毎月家賃収入を受け取れるが、それは入居者がいる間の話だ。引っ越しなどで入居者がいなくなれば家賃収入はなくなるし、不動産価値の低下で賃料自体を下げなければいけないこともある。インカムゲインは安定した収益ではあるものの、その金額が変動するリスクはある。
・デメリット2,インカムゲインは短期間に大きな利益は期待できない
インカムゲインは定期的な収入が魅力的な一方、短期間で大きな利益は期待できない。インカムゲインでどのくらいの収益が得られるかはその資産次第だが、年間数%が一般的だ。中には10%以上の利回りを得られる場合もあるが、余程安い価格で購入したり何らかのリスクを負ったりしなければ難しいだろう。
そのためインカムゲイン狙いで投資をするなら、長期保有を前提にしたい。大きく値上がりすれば売却を検討するのもありだが、その場合でも売却することでインカムゲインを受け取れなくなることは考慮しよう。インカムゲインはその資産を持ち続けてこそ投資効果が発揮されるため、短期間の投資としては適していない。
・デメリット3,インカムゲインがあってもトータルでは損をすることがある
インカムゲインで安定的に収益を受け取っていても、トータルでは損をする可能性がある。インカムゲインのある資産でも通常は価格変動があるため、見た目上は定期的な収入があっても資産価格まで含めればマイナスになることもあるからだ。
株式のインカムゲインを例に考えてみよう。配当利回り5%で株価5,000円の銘柄を100株買うと、年間2万5,000円の配当金を受け取れることになる。しかし株式は5%程度の株価変動は珍しくないため、仮に5%下落すれば年間配当分が吹き飛ぶ計算だ。保有し続ければ配当の分だけ利益は積み上がるが、それ以上に下落すれば配当があってもトータルでは損をする。インカムゲインがあると言えど、銘柄の選別は必要だ。
3,キャピタルゲインの3つのメリットとデメリット
インカムゲインに対し、キャピタルゲインのメリットとデメリットも確認したい。
キャピタルゲインの3つのメリット
キャピタルゲインのメリットを3つ取り上げよう。
・メリット1,投資期間が同じでもインカムゲインを上回る利益を狙える
インカムゲインは収益が基本的にブレることはないが、キャピタルゲインは価格変動次第のためリターンが変化しやすい。そのため同じ期間投資していても、インカムゲイン狙いとキャピタルゲイン狙いでは利益水準が全く異なることもある。もちろん下落して損をする可能性もあるが、その逆も十分考えられる。
キャピタルゲインを狙える主な資産として株式があるが、株式は数ヵ月から数年で数倍になることも珍しくない資産だ。インカムゲインの水準は変動することはあっても2倍や3倍になることはまずない。言い換えればインカムゲインは安定していると言えるが、同じ投資期間で投資資金が化ける可能性があるのはキャピタルゲインのほうだ。
・メリット2,短期間で大きな利益を狙える
インカムゲインにはないキャピタルゲインだけのメリットとして、短期間で利益を狙えることがある。キャピタルゲインも大抵はレバレッジをかけたり、中長期で投資したりしなければ大きな利益は得にくいが、タイミングなどによってはごく短期間で利益が膨らむこともある。
短期間で大きなキャピタルゲインを得る方法の1つに、資産価格が暴落した時に投資する方法がある。例えば株式市場が暴落する時は企業の本質的な価値が無視され売り込まれることもあり、そうしたタイミングで投資できれば市場が冷静になった時に急速に回復することもある。短期間で得ようとする利益にはリスクも伴うが、インカムゲインには期待できないことだ。
・メリット3,元手が少なくても高い収益を狙える
インカムゲインを期待する場合、ある程度の元手がなければ大した収益にはならないが、キャピタルゲインの場合は少ない元手でも資産を増やせる可能性がある。方法は2つあり、1つはレバレッジをかけること、もう1つは複利で投資することだ。レバレッジをかけて投資するのはリスクも伴うが、投資の世界では一般的に利用されていることでもある。
例えば株式の信用取引やFXはレバレッジ投資に当たる。リスクが過大になる危険性があるので初心者にはおすすめはできないが、少ない元手で投資できることもあり利用する個人投資家は多い。複利についてはキャピタルゲインの利益を再投資したり他の銘柄に回したりすることで、資産の増加スピードを加速させることが可能だ。
キャピタルゲインの3つのデメリット
キャピタルゲインのメリットに対して、デメリットには何があるだろうか。
・デメリット1,損失額が大きくなる可能性がある
キャピタルゲインは購入時と売却時の価格差がリターンになるため、たくさんの利益を得られる可能性もあるが、想定以上に損失額が膨らむこともある。キャピタルゲインを狙う以上はこのリスクは避けられず、場合によっては損切りをするなどある程度の損失は考慮して投資しなければならない。
インカムゲインを得られる資産は保有を続ければ少しずつでも損失の穴埋めは可能だが、それがない資産は回復までじっと待ち塩漬け状態となることもある。回復の見込みがあればそれでも問題ないが、そうでない場合は余計に損失額が膨らむ可能性もあるため、軌道修正して別の商品に振り向けることなども検討してみよう。
・デメリット2,売却しなければ利益は得られない
キャピタルゲインはインカムゲインと比べて比較的大きなリターンを狙えるが、インカムゲインのように保有中に収益として受け取れるわけではない。キャピタルゲインは売却して初めて手にすることができるものであり、売却するまでは含み益のままだ。資産価格が急落すると含み損に転じる可能性があることは意識しておきたい。
株式投資の格言に「利食い千人力」という言葉がある。買った株式が上がり含み益のまま保有していたら結局値下がりしてしまったため、適切に利食うこと(利益を確定させること)は1,000人の味方に匹敵するほどの価値があるという意味だ。もちろん投資の基本は長期投資だが、資産や投資方法によっては長く保有することが常に正しいとは限らない。
・デメリット3,売買するための知識やスキルが必要になる
キャピタルゲインを得るには、安く買って高く売ることが原則だ。しかし資産が安いことや高いことを判断するのは決して簡単なことではない。安いと思って購入してもさらに下がることもあれば、高いと思って売ってもさらに上がることもある。売買の結果は後にならないとわからないが、現状を分析し売買の判断をするにはそれなりの知識やスキルが必要だ。
インカムゲイン狙いの場合も売買の知識やスキルが不要なわけではないが、そもそも売買の必要があまりなく、最初に慎重に購入しさえすれば後は継続保有が基本になるだろう。その点、キャピタルゲインを狙うなら購入した後もどの時点で売却するのか想定しなければならず、そのためにも知識やスキルはある程度身につける必要がある。
4,6つの金融商品ごとのインカムゲインとキャピタルゲイン
インカムゲインとキャピタルゲインのメリットやデメリットを把握したら、金融商品ごとにその内容を確認していこう。
株式のインカムゲインとキャピタルゲイン
収益 | 収益の内容 |
インカムゲイン | 配当金、株主優待 |
キャピタルゲイン | 譲渡益 |
株式はインカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られる金融商品だ。株式のインカムゲインは配当金と株主優待を指すが、銘柄によってはないこともある。譲渡益であるキャピタルゲインはすべての銘柄で狙える利益だ。インカムゲインなら配当が安定した銘柄、キャピタルゲインなら成長力のある銘柄を狙うといいだろう。
参考として、インカムゲインとキャピタルゲインを期待できる銘柄をそれぞれ紹介する(2021年2月19日時点)。
・インカムゲイン銘柄1……ソフトバンク
ソフトバンクは大手携帯通信キャリアとして、メインブランドの「ソフトバンク」やサブブランドの「ワイモバイル」を展開している。携帯電話はインフラでもあるため、収益がブレにくく安定した配当金を期待できる。予想配当利回りは5.98%あり、大手企業ながら高い配当金で株主に還元している。
・インカムゲイン銘柄2……MS&ADインシュアランスグループホールディングス
MS&ADは国内損保大手で、三井住友海上やあいおいニッセイ同和を傘下に抱えている。保険は不測の事態に備えて加入するものであるため、解約の急増はあまり考えられず配当銘柄に適している。MS&ADは配当政策として1株あたりの配当水準の安定性維持を掲げている。配当は増配基調であり、今後も安定したインカムゲインを期待できる。予想配当利回りは4.82%だ。
・キャピタルゲイン銘柄1……エムスリー
エムスリーは医療従事者向けの情報サイトの運営や製薬企業向けのマーケティング支援など、医療業界に特化した独自のビジネスモデルを展開している。ROE(自己資本利益率)が16%と収益力が高いだけでなく、今もなお高成長を続けている。海外でも積極的に事業展開しており、売上の約23%を占める。国内・海外ともに持続的な成長が期待できる銘柄だ。
・キャピタルゲイン銘柄2……MonotaRO
MonotaROは工場・工事用間接資材のネット通販を行う会社だ。日本にはない海外製品も取り扱い、1,800万点以上の商品を販売している。ネット通販ならではの利便性も活用し、新規顧客の拡大と既存顧客の潜在需要にアプローチすることで高成長を続けている。圧倒的な商品数と収益性で他社が追随できない地位を築きつつある。
投資信託のインカムゲインとキャピタルゲイン
収益 | 収益の内容 |
インカムゲイン | 分配金 |
キャピタルゲイン | 譲渡益 |
投資信託も株式と同様にインカムゲインとキャピタルゲインが狙える金融商品だ。投資信託のインカムゲインは分配金であり、運用資産から支払われる。どのくらいの頻度やいくら分配金を出すかは、その投資信託の運用方針や運用状況による。投資信託は種類が多く運用の中身も多様なため、商品を選ぶ時はどのような投資信託かよく確認しよう。
投資信託でもインカムゲインとキャピタルゲインを狙える銘柄を紹介したい。投資信託の分配金は運用状況により単なる元本の払い戻しになることもあるため、インカムゲインについては元本の払い戻しのないETF(上場投資信託)からピックアップする(2021年2月22日時点)。
・インカムゲイン銘柄1……日本株高配当70ETF
日本株高配当70ETFは、国内株式市場の全上場企業の中から今期予想配当利回りの高い70銘柄で構成されるETFだ。分配金は1月、4月、7月、10月の4回で、分配金利回りは3.25%ある。組入銘柄は過去3年間に経常利益がマイナスになった銘柄などを除き、利回り以外の面も考慮されて運用されている。銘柄の見直しは年1回12月に行われる。
・インカムゲイン銘柄2……SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)
SPYDは米国ETFであり、S&P500高配当指数に連動するよう運用されている。米国ETFは年々人気が高まっているが、20代以上の全年齢で最も人気の高いETFだ(SBI証券調べ)。分配金は3月、6月、9月、12月で、分配金利回りは4.49%ある。日本株ETFと比べ利回りが高く、世界的な指数であるS&P500から銘柄選定されている点が魅力だ。
・キャピタルゲイン銘柄1……SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、米国のS&P500指数に連動する投資信託だ。米国には世界中で事業展開する企業が多数あり、長期的に経済大国としての地位を維持する予測からも人気の高い投資先になっている。S&P500指数のインデックスファンドの中では、信託報酬0.0938%程度と最もコストが安い銘柄でもある。
・キャピタルゲイン銘柄2……eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、主要な先進国と新興国の株式市場に投資する投資信託だ。およそ9:1の割合で分散投資されており、信託報酬0.1144%と低コストで世界の経済成長を取り込める。「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」で1位を獲得するほど評価が高い。
不動産投資のインカムゲインとキャピタルゲイン
収益 | 収益の内容 |
インカムゲイン | 賃貸収入 |
キャピタルゲイン | 譲渡益 |
不動産はインカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られる資産だが、個人の投資においては賃貸収入であるインカムゲイン目的が多いだろう。不動産投資は一般的にローンを借りるためレバレッジをかけられるものの、ローン返済や管理費用がかかる点には注意したい。譲渡益も狙えるが、不動産価格は変動が緩やかなため短期間でのリターンはあまり期待できない。
預貯金のインカムゲインとキャピタルゲイン
収益 | 収益の内容 |
インカムゲイン | 利息 |
キャピタルゲイン | なし |
預貯金はインカムゲインのみを得られる金融商品だ。入出金をしなければ預貯金額が変動することはなく、金利に応じて利息を受け取れる。しかし金利はゼロに近く、利息を期待するより現金の保管先として利用されているのが実態だ。運用商品としての価値はほとんどないが、物価が継続的に下がるデフレの時は現金の価値が相対的に高まる。
FXのインカムゲインとキャピタルゲイン
収益 | 収益の内容 |
インカムゲイン | スワップポイント |
キャピタルゲイン | 譲渡益 |
FXはインカムゲインとキャピタルゲインを期待できるが、多くの投資家は売買差益のキャピタルゲインを狙った取引が主体だろう。FXのインカムゲインはスワップポイントと呼ばれる取引通貨間の金利差を指す。高金利通貨を買えば金利収入となるが、高金利通貨を売る(空売り)場合は支払うこともある。インカムゲイン狙いなら比較的落ち着いた取引になるだろう。
暗号資産(仮想通貨)のインカムゲインとキャピタルゲイン
収益 | 収益の内容 |
インカムゲイン | レンディング、ステーキング |
キャピタルゲイン | 譲渡益 |
暗号資産はキャピタルゲインのみだと思われがちだが、市場が拡大するにつれインカムゲインも得られるようになってきた。その1つにレンディングがあり、保有中の暗号資産を第三者に貸し出すことで年数%の利息を受け取れる仲介会社もある。日本では少ないが、ステーキングという仕組みでインカムゲインを得る方法もあり、リターンを得る方法が多様化しつつある。
5,インカムゲインとキャピタルゲインどちらを狙うべきか
インカムゲインとキャピタルゲインにはそれぞれメリットやデメリットがあり、以下のような特徴を考慮して投資しよう。
インカムゲイン | キャピタルゲイン | |
リターン | 比較的一定 | ブレやすい |
メリット | 年間数%程度を安定して得られる | 投資資金が数倍になることもある |
デメリット | 短期で大きなリターンは期待できない | 大きな損失を被ることもある |
インカムゲインを狙うべき人
インカムゲインはリターンがあまり変わらないため、時間をかけて資産を増やしていくのに向いている。そのため安定的な運用を期待する人に適している。資産状況を確認したり不動産のように管理が必要だったりすることもあるが、売買を前提としないためゆっくりと資産形成できる。ただし利回りだけに着目するのではなく、投資先の吟味は必要だ。
キャピタルゲインを狙うべき人
キャピタルゲインはインカムゲインよりも大きな利益が期待できる。売却時に利益が確定するため将来的な価値や購入タイミングを検討しなければならないが、そうした分析が苦にならない人や大きなリターンを狙いたい人に向いている。とはいえ不測の事態に備え、リスクを取りすぎないよう投資先や投資金額のコントロールは必要だ。
6,インカムゲインとキャピタルゲインどちらかに絞る必要はない
投資のリターンにはインカムゲインとキャピタルゲインがあるが、両方を得られる資産も少なくない。投資対象によってリターンの種類が変わり、それに合わせて投資することも大切だ。リスクを抑えるためにインカムゲインを受け取りつつキャピタルゲインを狙うといった方法もあるため、どちらかに絞らず広い視野で投資していこう。
執筆・國村功志(資産形成FP)
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも行っている。CFP®️、証券外務員一種
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