米連邦捜査局(FBI)が2021年3月17日に発表した報告書によって、アメリカ国内にてネット犯罪が急増していることが分かりました。2020年にFBIに寄せられた苦情件数は過去最高を記録したといいます。なぜ今、ネット犯罪が増えているのでしょうか。アメリカで増えているネット犯罪および詐欺の内容を紹介します。
一般市民からの苦情69%増の衝撃
FBIが発表したインターネット犯罪に関する報告書(2020 Internet Crime Report)によって、2020年の1年間で米国市民からFBIに寄せられたネット犯罪に関する苦情件数は、前年比69%増の79万1,790件に上ったことが分かりました。被害総額は日本円にして約4,650億円を超えたそうです。
どんな詐欺が横行していたのか
同報告書によれば、被害者からの苦情として多かったものがフィッシング詐欺、未納・未配送詐欺、恐喝とのことです。被害額の大きさでは、ビジネスメール詐欺、電子メールアカウント侵害で、被害総額は18億ドル、日本円にして約2,000億円に上りました。
また、2020年に発生したネット犯罪は新型コロナウイルス感染症による混乱を悪用したものも多くあったようです。アメリカが行ったコロナウイルス支援・救済・経済保証法(CARES法)に関する犯罪を含め、新型コロナウイルスに関連する犯罪の苦情はトータルで2万8,000件も寄せられています。
CARES法に関連する苦情では、行政機関に成り済ました詐欺師が個人情報を盗み取ろうとするフィッシング詐欺のほか、不正受給や不正融資を行わせる詐欺も多く行われています。
さらに、新型コロナウイルスのワクチンに関する詐欺もあり、ワクチンの接種代金として現金を詐取するほか、予約のためとして個人情報を盗み取る事例も少なからずあるようです。
日本でも多くあった「コロナ支援」に関する詐欺
日本国内でも、コロナ支援に関する詐欺が多発しています。警視庁は、「特別定額給付金」の給付を装う特殊詐欺に対する注意を2021年4月現在も呼び掛けている状況です。
手口としては、市区町村や総務省を語り、「特別定額給付金の給付のために手数料をATMで支払ってほしい」などと電話で現金の振り込みを求めるものです。
市区町村や総務省が、電話口でATMを操作するよう求めることはありません。また、世帯構成や銀行口座の番号などの個人情報を電話で聞き出すこともありません。
また、電話だけでなくメールにも要注意です。「給付金10万円を配布するため、お客様の所在を確認したい」という内容のメールが出回っています。このような文面のメールにあるURLをクリックして情報を入力すると、詐欺師に個人情報を渡してしまうことになります。これらの電話やメールが届いた際には、すぐに警察に連絡しましょう。
世界で巻き起こる詐欺、ネット上の個人情報の取り扱いには十分注意しよう
コロナ禍で苦しむ市民や事業者を対象とした詐欺が世界中で横行しています。藁にもすがりたい状況であっても、「うまい話はない」ことを念頭に置き、詐欺の被害にあわないよう十分注意しましょう。(提供:YANUSY)
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