米国内最大級の不動産会社であるCarusoが、暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiと提携して居住用および商業用の家賃の支払いをビットコインで受け入れるサービスを開始した。Carusoによれば、この取り組みは不動産業界では初の試みになるという。

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(画像=月刊暗号資産)

同社は南カリフォルニア周辺の地域で住宅の他に大型モールやエンターテインメント施設の事業も行っている。

これまでにブロックチェーンを活用してショッピングに訪れた顧客に対してボーナスキャンペーンなどを行なっており、今後もデジタル領域へ積極的に参入していく姿勢を見せている。

CarusoのCEOであるRick Caruso氏は、「我々は暗号資産を組み込んだエコシステムを作る予定だ。顧客はCarusoの施設で暗号資産を使用することができる。そして、Carusoの物件の家賃を暗号資産で支払いすることができる」と述べた。

またCarusoは今回のGeminiとの提携に際し、同社の財務資産1%相当のビットコインを購入したことも併せて発表された。なお、具体的な購入数量などは明かされていない。

Caruso氏はこの件について、「暗号資産は良いヘッジの手段であると考える」とコメント。さらに、「(暗号資産が)我々にとって良い投資先であることは証明されている」とも付け加えた。

Carusoは暗号資産が多くの可能性を秘めているとの考えを示しており、長期的には広く普及されることを想定している。まだ決済領域などで普及が進んでいないことを踏まえると、早い段階から暗号資産事業に参入していくことで将来的に大きな強みになると言えるだろう。

ビットコインは昨年から大きく価格を上昇させており、現状では決済手段よりも投資対象として注目を集めているのは間違いない。

米自動車大手テスラを筆頭に、数々の大手企業がビットコインへの投資を始めていることがこの価格高騰を支えている。しかしテスラも先日、自社製品のビットコイン支払いへの対応を開始した。

VisaやPayPalといった大手決済企業も暗号資産支払いへの対応を開始したことから、今後も引き続きビットコインをはじめとした暗号資産決済に関する動きは強まっていくことだろう。(提供:月刊暗号資産