彼女は特別な存在である。娘も夫も、もちろん筆者も彼女のメロメロ光線には敵わない。彼女は驚くほど真っ直ぐな性格だ。筆者が外出先から帰宅すると、彼女は全身で喜びを表現する。筆者の周りをぐるぐると走り回り、全力でジャンプをして出迎えてくれる。丸い顔に、まん丸の目、丸みのある体、そして短い三角の耳ーー彼女は世界最小のウサギとされるネザーランドドワーフ(2歳)である。もともとは娘のために飼い始めたのだが、今では筆者のほうがメロメロだ。自分に一番懐いていることもあり、どんな些細な仕草でも「かわい過ぎる!」と胸が高鳴る。我が家で唯一、誰からも叱られず甘やかされ放題の彼女。いや、甘やかされている(≒癒されている)のは実は筆者のほうなのかもしれない。彼女は特別な存在なのだ。

世界では我が家のようにペットに癒しを求める人が星の数ほどいる。ウサギはもちろんのこと、犬や猫、鳥といった哺乳類から蛇やトカゲなどの爬虫類、昆虫、魚など多様多種だ。ペット産業も関連商品・サービスの販売から、医療・健康、生体(ペットの販売)、ラグジュアリーなど広範囲にわたる。さらに近年は「ペットテック(Pet Tech)」なるテクノロジーを駆使したペット用商品・サービスも続々と登場している。

今回は、そんな「ペットミクス(Petmics)」を牽引する注目のビジネストレンドを紹介しよう。

コロナ禍で癒しを求める人が増加、注目の3つのトレンド

ペット市場,2021
(画像=まぁく / pixta, ZUU online)

「新型コロナウィルス禍の影響で、ペットとの生活から癒しを求めたり、家族内でのコミュニケーションを深めている傾向がうかがえる」昨年12月23日、一般社団法人のペットフード協会(東京)が公表した『全国犬猫飼育実態調査』でそのような状況が明らかになった。ペットフード協会によると、2020年における日本の猫の飼育頭数は964万4000頭、犬は848万9000頭でそれぞれ前年から11%以上増加したという。