PayPay証券は、2021年に登場した証券サービスである。初心者でも簡単に利用できる、スマホで完結するといった点が特徴だ。ここでは、証券口座の開設を検討している投資初心者に向けて、PayPay証券の特徴や利用するメリット、注意点などを解説しよう。
目次
1,PayPay証券の3つの特徴は?
PayPay証券の主な特徴として、以下の3点が挙げられる。
特徴1,初心者向けの証券会社
もともとPayPay証券は、「OneTap BUY」という名称でサービス提供をしていた。名称からうかがえるとおり、初心者でもスマホをタップするだけで簡単に株式を購入できるというのがコンセプトだ。
2021年にPayPay証券に商号変更されたが、このコンセプトは現在のサービスにも引き継がれている。
特徴2,スマホで完結する
口座開設・入金・取引・出金の一連の流れが、すべてスマホで完結する。口座開設はスマホアプリをダウンロードしてから申し込む流れで、書類の記入や郵送は必要ない。
このような証券サービスは「スマホ証券」と呼ばれることもあり、スマホに慣れている人ならスムーズに利用できるだろう。
特徴3,少額で株式投資ができる
PayPay証券では、株式を1,000円から購入できる。日本株だけでなく米国株も対象となっているのが特徴で、コストコやジョンソン・エンド・ジョンソンといった有名企業の株式を気軽に購入できる。
スマホ証券で米国株式のサービスを提供するところはあまりないので、PayPay証券はその意味で貴重とも言える。
2,PayPay証券の基本情報
主に上記のような特徴のあるPayPay証券だが、会社情報や取扱商品などの基本スペックを、以下に整理しておこう。
<PayPay証券のサービス基本情報一覧(2021年3月16日現在)>
会社情報 | 会社名 | PayPay証券株式会社 |
設立 | 2013年10月31日 | |
資本金 | 87億2,452万円 | |
自己資本規制比率 | 1,252.8%(2020年12月末) | |
口座開設数 | 15.2万口座(2020年12月) | |
口座 | 口座開設手数料 | 無料 |
口座管理手数料 | 無料 | |
入出金・振替 | 入金方法 | ●利用者専用口座に入金 「みずほ銀行」内に設置される利用者専用振込口座に入金 ※日本円のみ対応、手数料は利用者負担 ●以下の場合、「おいたまま買付」 (残高から直接株を買い付け)を利用可能 ・PayPay証券が提携する銀行口座 ・ドコモ口座 (米国株のみ対応、払い出しサービスは適用外) ・ソフトバンクカード (現金バリュー利用者のみ) |
入金手数料 | ●利用者専用振込口座(みずほ銀行) 振込手数料は利用者負担 ●おいたまま買付 ・2万円未満→1回あたり110円(税込) ・2万円以上→無料 |
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リアルタイム口座振替 | なし | |
出金日数 | 銀行営業日の14時30分(当社受付時間) までは即日、それ以降は翌営業日 |
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出金手数料 | ・3万円未満:(みずほ銀行宛て) 110円、(他行宛て)275円 ・3万円以上:(みずほ銀行宛て) 220円、(他行宛て)385円 ・ソフトバンクカードまたは ドコモ口座への出金(チャージ)は手数料無料 |
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ツール・サービス | PC版取引ツール | PC取引サイト |
スマートフォン版 取引ツール |
・日米株アプリ ・つみたてロボ貯蓄アプリ ・誰でもIPO!アプリ ・10倍CFDアプリ ・日本株CFDアプリ |
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現物株注文方法 | PayPay証券の提示する価格で注文 (基準価格+スプレッド) |
|
取扱商品 | 株式 | ・現物株取引 ・IPO ・単元未満株 |
先物・オプション | ― | |
外国株 | 米国株 | |
その他 | ・CFD ・PayPayボーナス運用 |
|
株式取扱銘柄 | PayPay証券が指定する銘柄 |
3,PayPay証券の売買手数料は?
PayPay証券は口座開設手数料・維持費が無料で、気軽に口座開設ができる。ここからは株式取引における手数料について見ていこう。
PayPay証券では、株式取引における売買手数料をその都度支払う。気配基準値を参考に算出された基準価格に、0.5~1.0%を乗じた「スプレッド」がかかる。購入の場合はこのスプレッドを加算し、売却ではスプレッドが減算される。基準価格にかかるスプレッドの割合は下記のとおり。
国外上場有価証券:現地時間9:30~16:00は0.5%、それ以外の時間帯は0.7% 国内上場有価証券:東京証券取引所の立会時間内は0.5%、それ以外の時間帯は1.0%
たとえば国内上場有価証券を、東京証券取引所の立会時間内に取引する場合は下記のスプレッドが発生する。参考として、SBI証券と楽天証券の手数料(税込)も併記する。
購入金額 | PayPay証券の スプレッド |
SBI証券 (スタンダードプラン) |
楽天証券 (超割コース) |
1,000円 | 5円 | 55円 | 55円 |
1万円 | 50円 | 55円 | 55円 |
10万円 | 500円 | 99円 | 99円 |
100万円 | 5,000円 | 535円 | 535円 |
SBI証券や楽天証券と比較すると、1万円まではPayPay証券のほうが割安だ。しかし10万円以上になると、SBI証券と楽天証券のほうが安い。
よってPayPay証券は、1万円程度の少額購入で利用するのがお得だ。
4,PayPay証券の4つのメリット
実際にPayPay証券で口座を開設した場合に、どのようなメリットを享受できるのか見ていこう。
メリット1, 1,000円から日米の株式投資ができる
PayPay証券の最大のメリットは、少額で株式投資ができること。PayPay証券で取り扱う株式であれば、どれでも1,000円から買付が可能だ。通常の株式取引では数万円から数百万円の投資資金が必要になることを考えれば、少額投資が可能なPayPay証券は投資初心者にとって魅力が大きい。
PayPay証券で取り扱う銘柄には、下記のように知名度の高い大手企業も多くある。
<日本株>
・カルビー株式会社
・明治ホールディングス株式会社
・キリンホールディングス株式会社
・アサヒグループホールディングス株式会社
・日清食品ホールディングス株式会社
・株式会社セブン&アイホールディングス
・花王株式会社
<米国株>
・アメリカン航空
・アップル
・セールスフォース・ドットコム
・IBM
・ナイキ
・スターバックス
メリット2,1株からIPO投資ができる
IPO投資とは新規上場株式への投資のことだ。新規上場時の公募価格は、多くの場合は割安に設定され、投資家に提供される。そのため、上場後は値上がりしやすくなるため人気がある。
PayPay証券の「誰でもIPO!」のアプリを使うと、新規上場株式の投資を1株単位で購入申し込みができる。少額から申し込めるため、資金が少ない初心者でも気軽に挑戦しやすい。
ただしPayPay証券でもIPOは抽選のため、必ず購入できるわけではない。
メリット3,米国株式は24時間いつでも取引可能
アメリカの取引所が開場する時間帯は、日本では夜中から朝方(23:30〜6:00、夏時間は22:30〜5:00)にかけてとなるので、多くの人にとっては投資しづらい。しかしPayPay証券では、24時間いつでも米国株式の取引ができる。仕事の休憩中、帰宅後など、自分の都合のいい時間帯に取引可能なので利便性が高い。
メリット4,「つみたてロボ貯蓄」で積立投資もできる
自動で積立投資をしたい人にとって便利なのが「つみたてロボ貯蓄」だ。スケジュールを設定すればアプリが自動的に貯蓄を実行してくれる。積立金額は1,000円からで、少額で無理なく積立が可能だ。
複数銘柄の少額投資を組み合わせることで、リスクを分散させることにもつながる。
5,PayPay証券の3つのデメリット
メリットが多いPayPay証券だが、下記の点には注意が必要だ。
デメリット1,取り扱う銘柄が限られている
PayPay証券で取引できるのは、日本・米国ともに一部の銘柄に限られる。有名な企業が多く初心者でも親しみやすい銘柄もあるのは利点だが、幅広い銘柄から投資対象となる候補を探したい人には向いていない。
取引できる銘柄は公式ホームページで公開されているので、事前にチェックしておこう。
デメリット2,指値注文はできない
PayPay証券の株式取引は3回のタップで完了となるので、非常に簡単だ。その代わり、提示された条件での購入のみとなり、利用者が指値注文を出すことはできない。
デメリット3,出金手数料がかかる
先の一覧表で触れたとおり、PayPay証券から出金する際には下記の手数料が発生する。
みずほ銀行宛て | 他行宛て | |
3万円未満 | 110円 | 275円 |
3万円以上 | 220円 | 385円 |
ソフトバンクカードおよびドコモ口座へ出金(チャージ)する際の手数料は無料となっているため、節約したい人はこれらの利用を検討するのも良いだろう。
6,PayPay証券はどんな人におすすめ?
これまで解説した内容から、PayPay証券は以下のような人が利用するのに向いている。
・少額で株式投資を始めたい初心者
・日本株だけでなく米国株にも興味がある人
・操作が簡単なスマホアプリで取引したい人
・自動で積立投資をしたい人
自身のニーズと合致すると感じたら、PayPay証券の口座開設を検討してみてはいかがだろうか。
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