暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの価格上昇が止まらない。
10日、イーサリアムは初の4000ドル(約43万5,000円)を突破した。今月3日に3000ドル(約32万7,000円)を突破したばかりであることを踏まえると、驚異的な速度で価格上昇していることがうかがえる。
この価格上昇の背景には、引き続きDeFi(分散型金融)などが好調であることに加え、機関投資家の参入環境が整いつつあることが挙げられる。カナダですでに始まっているイーサリアムETFがまさにその象徴と言えるだろう。
その中で、7日には大手投資ファンドのVanEckが米証券取引委員会(SEC)に対し、イーサリアムETFの申請を行ったことが明らかになった。
イーサリアムETFの申請が米国で行われたのは初めてのことであり、他国の承認事例もあることから、実現に向けた期待が価格面にも表れているとみることができる。
さらには、今年7月を予定している大型アップデートも価格に大きな影響を与えている。
このアップデートではイーサリアムのガス代(手数料)の改善などは行われる見込みであるため、イーサリアムブロックチェーンのさらなる利便性向上に期待する声も少なくない。
現在のイーサリアムを取り巻く環境は非常にポジティブであり、今後直近においても節目である5000ドル(約54万4,000円)を念頭においた取引が行われるものとみられる。
また10日の暗号資産市場はビットコインを筆頭に全面高の様相を描いている。
イーサリアムの他にもチェーンリンク(LINK)やバイナンスコイン(BNB)などが最高値を更新しており、引き続きアルトコイン優勢の流れに変わりはない。その中でも、ビットコインと並び黎明期に生まれた暗号資産であるライトコインが過去最高値を更新した。
直近で目立った要因自体はなかったものの、アルトコイン相場の好調さに加え、ビットコインから派生し、ペイメント領域での活用などで似た特性を持つビットコインキャッシュの価格高騰もライトコイン価格に影響を及ぼした可能性がある。
また古くから市場で流通しているメジャーな暗号資産の中で過去最高値を更新していなかったことから、注目を集めた点も考えられるだろう。
上記の通り、現在の暗号資産市場はアルトコインが非常に活況な状況であると言える。
その反面、各銘柄の価格変動幅も大きくなってきていることから、過熱相場に対する警戒が怠らない方がいいだろう。(提供:月刊暗号資産)