日本音楽著作権協会(JASRAC)とソニーグループが共同で、2020年12月〜2021年2月にかけて楽曲の管理をブロックチェーン上で行う実証実験を実施した。24日、JASRACが発表した。

JASRAC、ソニーと共同実験 ブロックチェーンで音楽クリエイター支援へ
(画像=月刊暗号資産)

今回の実証実験には動画共有サイトなどを通じて創作活動を行う31人のクリエーターが参加した。

実証実験ではクリエーターが自ら作詞・作曲した楽曲の著作権および音源データのメタデータを登録。その際、ブロックチェーンを活用することで改ざんを防ぐよう構築したという。

JASRAC、ソニーと共同実験 ブロックチェーンで音楽クリエイター支援へ
(画像=月刊暗号資産)

また今回の取り組みでは、実用化に向けレコード会社や音楽出版社がブロックチェーンの枠組みに入ることを想定したようだ。

加えて、紙の書類や実印、印鑑証明書などを使わず、ブロックチェーンを活用した電子契約を行うことで、クリエイターの著作権や商業利用に関する契約を交わしやすくなることを目指すという。実用化は2022年を目指しており、今後、機能の追加および改善を図るとしている。

ブロックチェーンは改ざんが極めて難しいという性質から、著作権保護などの点で利用に大きな期待が集まっている。

JASRACは日本において委託された音楽著作物の管理などを行っており、データベースに登録された作品数は国内外あわせて400万以上にものぼる。

同協会はこれまでにも、著作物の使用料の記録管理などでブロックチェーンを利用した実証実験を行っている。

2018年には、著作物使用料の取引記録の管理へのブロックチェーンの活用に関する検証を実施。また2019年10月には、音楽作品情報に関するデータの信頼性を高め、権利者への対価還元(著作物使用料の分配)を目的としたブロックチェーンに関する検証を実施した。

ソニーグループもブロックチェーン分野に積極的に取り組んでいる企業だ。

2020年11月には、ブロックチェーン関連企業のGaudiyと、傘下のソニー・ミュージックエンターテイメントが業務提携を発表。2021年3月には、ソニーのブリュッセル研究所がブロックチェーン基盤の動画配信プラットフォーム「Thetaネットワーク」に参加している。(提供:月刊暗号資産