米決済大手PayPalは、ユーザーが暗号資産(仮想通貨)を第三者のウォレットに出金できるようにする予定だと発表した。26日、ロイターが報道した。
26日、米CoinDeskのConsensusに登壇したPayPalのブロックチェーン部門責任者であるJose Fernandez da Ponte氏は、「PayPalは、ユーザーが第三者のウォレットに暗号資産を出金することができるようになるだろう。我々は可能な限り、消費者に選択肢を与え、ユーザーが望むどんな方法でも支払いができるようなものを提供したい」と語った。
さらにPonte氏は、「ユーザーはPayPalで購入した暗号資産を商取引に利用したいと考えている」と持論を述べ、「現在、PayPalで取得した暗号資産を自分が使いたい場所で利用できるように開発が進行中だ」と続けた。
PayPalは、2020年10月からユーザーにビットコインやイーサリアムなどの暗号資産の購入機能を追加したものの、ユーザーが保有する暗号資産を別のプラットフォームへ移動させることはできなかった。しかし今回の発言によれば、今後それが可能になる模様だ。
また、同様の新機能はPayPal傘下の決済サービスVenmoにも適用される予定だという。
ただし、今後の出金サービスの提供スケジュールについては明かされなかった。
PayPalでは昨年後半に暗号資産業界に参入してから加速度的に業務を展開してきた。前出のとおり、昨年10月には米国で暗号資産の売買サービス提供を開始。今年2月には英国の暗号資産取引所の買収を検討していることが発覚した。
その後3月には提携する店舗で暗号資産決済の導入を発表。4月には米国最大の暗号資産取引所Coinbaseと提携し、PayPalで暗号資産の購入決済にも対応した。
さらに今月、海外の複数のメディアにより、PayPal独自のステーブルコインの発行計画が報じられた。
Ponte氏はPayPal独自のステーブルコインを発行するという憶測について、「ステーブルコインの開発は、あまりにも早すぎる」と発言したが否定はしなかった。(提供:月刊暗号資産)