欧州を拠点とする大手デジタル資産運用企業のETCグループは1日、英国の取引所でビットコインETP(上場投資商品)を提供すると発表した。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

英国でビットコインETPが提供されるのは今回が初めてのこととなる。また、多国間取引所(MTF)に限定すればヨーロッパ全域でも初めて提供されるサービスになる。

ETCグループは、ロンドンとパリにある証券取引所AquisのMTFで、今月7日にビットコインETP「BTCetc(ETC Group Physical Bitcoin ETP:BTCE)」を上場させるという。

今回上場するETPの取引はポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)、ユーロ(Euro)、米ドル(USD)の4通貨に対応し、取引の精算はスイスの大手中央精算機関SIX x-xlearが行う予定だ。

BTCetcは、100%が現物のビットコインに裏付けられている機関投資家向けの投資商品だ。

ETCグループが独自に行った調査によると、ヨーロッパの機関投資家の53%がETPを介したビットコイン取引を行いたいと希望している結果が出ている。

また、ETCグループは2020年6月にドイツの証券取引所・Xetraで、今年1月にはスイスの証券取引所であるSIXでBTCetcの提供を開始し大きな成果を出している。2021年の第1四半期では、BTCetcを通じておよそ4億6000万ドル(約440億円)に相当する資金流入を記録したという。

こういったことからも、BTCetcにニーズがあるのは確かだろう。

ETCグループのCEOであるBradley Duke氏は、「多くの投資家がポートフォリオにBTCEのような暗号資産ETPを、インフレに対するヘッジとして含めるメリットを認識し始めている」とコメントした。

その上で、「弊社で最も力を入れているビットコインの上場投資商品をAquisに上場させるのは理にかなっている選択だ」と意気込みを見せた。

今回BTCetcの上場が行われるAquisは、ヨーロッパでも最大規模の取引所だ。そのため、上場の際には数多くの機関投資家の参入も予想される。

近頃は暗号資産(仮想通貨)の上場投資商品が各国で相次いで取り扱われるようになっており、今後もこの流れは継続していく可能性が高い。(提供:月刊暗号資産