新型コロナウイルスの蔓延をよそに、いま不動産投資への熱が高まっているという。そこで今回は、全3回に渡って「不動産投資」および不動産投資の前提となる「融資」について特集してみたい。

不動産投資ローンにおける個人投資家の特権とは?
(画像=PIXTA、ZUU online)

「カネあまり」を背景に広がる不動産投資

「私はコロナ前からこの仕事をしていますが、コロナ以降は、不動産投資を始める人が明確に増えましたね。ウチは新築ワンルーム投資なので、キャッシュフローはほとんど出ませんが、『保険代わりに保有しておき、コツコツと返済して、将来は年金代わりにしましょう』というセールストークが今まで以上に刺さっているように感じます。断言はできませんが、コロナ禍で経済が混乱していることが、将来不安を煽っているのかもしれません」(20代の大手新築ワンルーム投資会社の営業マンAさん)

コロナ不況に対する中央銀行の金融緩和や政府の財政出動による「カネあまり」も不動産投資への後押しになっている。金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)2020」によると、二人以上の家計の金融資産保有額の平均値は1,436万円、より実体を表す中央値は650万円であった。コロナ禍で訪問調査を取りやめたため、単純比較はできないものの、2019年は平均値が1,139万円、中央値は419万円であった。平均値は1.26倍、中央値は1.55倍になった計算だ。

なお「家計の金融行動に関する世論調査2020」は単身世帯の金融資産保有額も発表されており、平均値は653万円(2019年調査は645万円)、より実体を表す中央値は50万円(2019年調査は45万円)であった。二人以上の家計ほどではないが、こちらも上昇している。

不動産投資のメリットとデメリット

Aさん曰く、「初めて不動産投資にトライする人が増えている」ようだ。しかし不動産投資は、素人が簡単に利益をあげることができる投資方法ではない。ここで改めて、不動産投資のメリットとデメリットを確認してみよう。一般的に、以下のようなことが挙げられる。