6月7日、ステーキ専門の飲食店チェーン「いきなり!ステーキ」などを運営するペッパーフードサービス <3053> の株価が一時500円まで買われ、年初来高値を付けた。2021年1月13日の安値240円から5カ月ほどで2倍を超える上昇である。

ペッパーフードサービスは、2017年に「いきなり!ステーキ」が行列のできる人気店となり売上高が急増、2017年1月に583.5円の安値を付けていた株価は、同10月には8230円の高値を記録、わずか10カ月で14倍に跳ね上がった。しかし、その後は積極的な出店策が裏目に出て業績が悪化、新型コロナ危機も追い打ちとなり、2020年12月期は40億2500万円の営業赤字を記録している。業績の悪化とともに株価は下落。前述の通り、2021年1月13日には240円の安値を付けていた。

ペッパーフードサービスは「ペッパーランチ」事業の売却に加え、「いきなり!ステーキ」も店舗数を大きく絞り込むなどリストラを推進している。その効果もあり「いきなり!ステーキ」は足元で黒字転換、既存店売上高もプラスに転じてきた。新型コロナウイルスのワクチン接種も進んでいることから、株式市場ではリオープニング(経済再開)への期待も芽生え始めている。ペッパーフードサービス株はそうした流れで買われた側面もありそうだ。

今回はペッパーフードサービスの話題をお届けしよう。

ペッパーフードサービス、生き残りをかけた闘い

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※画像はイメージです(画像=shige hattori / pixta, ZUU online)

ペッパーフードサービスの源流は1970年にさかのぼる。当時、東京赤坂の山王ホテルのコックを務めていた一瀬邦夫氏が独立して開店した「キッチンくに」が前身だ。1985年には有限会社くにを設立、1995年には株式会社ペッパーフードサービスに組織変更している。現在の主力ブランドは「いきなり!ステーキ」「炭焼ステーキ・くに」「こだわりとんかつ・かつき亭」などとなっている。