エルサルバドルのNayib Bukele大統領が、ビットコインを法定通貨として認める旨の法案を議会に提出する予定であることが明らかになった。米時間4日に開催された「Bitcoin 2021」でBukele大統領が表明した。

もし国家がビットコインを法定通貨として認めれば、世界初のこととなる。

エルサルバドル大統領、ビットコインを法定通貨とする法案提出へ 世界初の試み
(画像=月刊暗号資産)

Bukele大統領は「Bitcoin 2021」へのビデオメッセージで、ビットコインを法定通貨として認める法案は来週議会に提出すると発言している。

さらに同氏は、デジタルウォレット関連事業を展開する企業「Strike」がエルサルバドルと提携し、同国内の金融インフラを作り直すことも発表した。Strikeは、ビットコインの技術を用いてエルサルバドルに近代的な金融インフラを導入するという。

また、Strikeの創業者であるJack Maller氏は、「ビットコインは最も優れた準備資産であるうえ、(従来よりも)優れた金融ネットワークであるという点に斬新性がある。ビットコインを保有することが、法定通貨のインフレから発達途上の経済を保護することに繋がる」とコメントし、今回の提携によってエルサルバドルに多くの利益をもたらす可能性があると強調した。

中南米に位置するエルサルバドルは人口約664万人(2019年時点)の国だ。国民の約70%が銀行口座もクレジットカードも持っていないとされる現金主義社会であり、金融インフラが整備されているとは言えない。

Bukele大統領はビデオメッセージ内で、今回の法案が銀行口座を持たない国民に利益をもたらすほか、新たな雇用機会を増やすという考えを主張している。

同法案は早くて来週にエルサルバドル議会に提出される予定だが、詳細はわかっていない。しかし、立法議会の主権をBukele大統領の所属政党が握っていることを鑑みると、法案が可決する可能性は高いと考えられる。

エルサルバドルでビットコインが法定通貨として認められれば、世界初の例として後続する国家のモデルとされる可能性もある。

今回の法案の行方は暗号資産市場や暗号資産規制に大きく影響する可能性があるため、今後も動向を注視したいところだ。(提供:月刊暗号資産